テーマ:楽しいNY生活(436)
カテゴリ:世界を見る切り口
"TIME" 誌 11月6日号の特集 "America By the Numbers"(数字でみるアメリカ)が興味深かった。
ひとつの国の実相を10ページほどで示したいとき、どういう切り口で臨むか、という観点からも参考になる。 いちばん面白かったのが、How Americans See God...(アメリカ人は神のことをどのようにとらえているのか)。 神のありさまを4つに分けて、それぞれに統計数字を配してある。 Authoritarian God(権威を行使する神) Benevolent God(慈愛の神) Critical God(世界を客体として厳しい目でとらえる神) Distant God(静かな宇宙存在としての神) 神などいないと思う向きはさておき、神さまがいると思っておられる方、いずれの神をイメージしているだろうか。 わたしは「慈愛の神」、ついで「静かな宇宙存在としての神」をイメージしている。 それぞれの定義をみてゆくと、 Authoritarian God is deeply involved in daily life and world events. God is angry at sin and can punish the unfaithful or ungodly. (「権威を行使する神」は、日々の生活や世界の出来事にも深くかかわる。 神は罪にたいして怒り、信仰うすき者や神をないがしろにする者を罰する。) Benevolent God is deeply involved in daily life and world events but is mainly a positive force reluctant to punish. (「慈愛の神」は、日々の生活や世界の出来事にも深くかかわるが、おもにプラスのちからとして存在し、なかなか罰を与えようとはなさらない。) Critical God does not really interact with the world but is unhappy with its current state and will exact divine justice. (「世界を客体として厳しい目でとらえる神」は、実際に世界のありさまと斬り結ぶことはしないが、現前の状態をよしとしてはおらず、やがて神の裁きを行使する。) Distant God does not interact with the world and is not angry. God is more of a cosmic force that set the laws of nature in motion. (「静かな宇宙存在としての神」は、世界のありさまと斬り結ぶことはせず、いかってもいない。 神はむしろ宇宙のちからであり、自然の法則をはたらかせている。) わたしの場合、やはりつくづく「神さまに助けられた」と思う瞬間があるし、信じられないほど地道に善行をなしとげる人々のことを知ると、そこにもまた神さまを感じるのだ。 かといって、世界から巨悪がなくならないのも現実だ。 「大躍進」や「文化大革命」のような出来事がなぜ存在しうるのか。 神はなかなか罰を与えようとなさらない。 プラスのちからである神に対する、何らかのブラックホール(悪魔)が存在するようにも思う。 そんなことからわたしは、神さまに「慈愛の神」をイメージする。 いっぽうわたしは、「静かな宇宙存在としての神」のイメージにもひかれる。 しずかに、考えつくされた法則が支配することで、摂理が実現してゆく。 壮大な混沌になお打ち克つ摂理。 『タイム』誌によると、ユダヤ人の42%がこの神をイメージしている。 この4つの神さまイメージのどれが自分にあてはまるか、アメリカ人全体の ばらけ方はこうだ。 Authoritarian God: 31% Benevolent God: 23% Critical God: 16% Distant God: 24% 4つのなかで Authoritarian God 派が、ブッシュ大統領支持率がいちばん高いのだそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Nov 9, 2006 08:29:34 AM
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