じつは私、大学4年生のとき、NHKから雇用内定をもらいそうになりました。
当時、私はなんと朝日新聞社に就職を志望していて
(笑ってやってください。『日本の本領(そこぢから)』最終章に事情を書いています)、ばか正直に
「紙の仕事がしたいので」
とお断りしたのであります。
NHKの面接員のかたが
「きみ、NHKの職場を案内しましょう。仕事の様子を見てみないかね。
……ここまで言っているんだ。これがどういう意味か、帰ったら周囲の人たちに聞いてごらんなさい」
と真剣に言ってくれたのを今でも覚えていますが、あのときNHKに入社していたら今ごろ自分はどう動いていただろう。
NHKの名誉を挽回するような真摯な番組を作るべく闘える部門にいたとしたらラッキーだが。
とうの昔に報道部門では干されて、NHK教育テレビで語学番組を作っていたろうか。
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世のひとに良書を薦めるのもレジスタンスなり。
柯徳三
(か・とくぞう)さんの
『母国は日本、祖国は台湾 ―― 或る日本語族台湾人の告白』 (発売・星雲社)
偏向番組 「NHKスペシャル」 の “シリーズ・JAPAN デビュー” でインタビューに応じたところ、恨み言の部分だけを抜き出して編集され、反日台湾人に仕立てられた人です。
詳しくは、永山英樹さんのブログ
「証言の断片のみ放映 ―― 台湾の被取材者が怒る反日番組」をご覧ください。
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4月27日の配信コラム
「NHKよ、さよなら! 台湾を読む、この2冊」 で紹介した2冊目は、こちら。
片倉佳史
(かたくら・よしふみ)著
『台湾に生きている 「日本」 』 (祥伝社新書)
明治・大正・昭和の建築物の名残を台湾全土に探訪する第1部に始まり、草むし埋もれかけた絆の数々を記した第2部、そして台湾に残った日本語起源の単語を小辞典にした第3部と、資料価値も高い、心の通った労作です。