数奇屋千年堂（好きなことを千年続けますよ）

(なかなかネットに戻ってこれなくてスミマセン…そして更新したと思ったら。こんなに短くて)


「やっと逢えた…兄さん」

　確かな音が耳に届きハッとする。
　僕は確かに声を出せた。
　何度も何回やっても成功しなかった。
　夢の中での僕の体。
　やっと動かす事に成功した。
　僕の目の前には夢でしか会えない人が居る。
　記憶の中や写真に写っている姿とは、年を重ねて成長した兄さん。
　その兄さんが時々視る夢の中では、手を伸ばせば触れそうな場所で存在する。
　これが兄さんなのか。
　本当の所は。
　そうだと断言出来ない。
　記憶や記録の彼とは姿が変わっただけではなくて、表情や仕草も違う。
　けど。

　多分。

　そうだ。

　絶対に。

　そうだ

　僕の直感が叫んでいる。
　やっと逢えた。
　やっと辿りついた…と。