|
カテゴリ:転職、そして再転職
イエメンのマーリブで日本人観光客が部族グループによって誘拐された事件…GW真っ只中だったので、ご存知の方も多いでしょう。この事件に対し、数人の友達から『どう思う?』と依頼があったので、日記で取り上げることにしました。
外務省が提供している海外安全ホームページを見ると、当該地域では誘拐が頻発していること、マーリブ州は渡航延期勧告(危険度3)が出ていることが分かります(2008.05.13現在)。 ☆危険度1~4の具体的な様子☆ 危険度1:スリ、詐欺、睡眠薬強盗がアナタを狙ってます。基本的なことに注意すれば問題なし。 危険度2:路地に入らないようにしましょう。移動は日中、大通りを心がけましょう。 危険度3:観光客は殆どいないぞ。地域住民生活は成り立っているが、やや物々しい雰囲気が。 →アタシは危険度3まで経験アリ。 危険度4:何が起きるかわかりません…。 ※外務省危険情報だけではムラが多いので、これだけで判断するのは危険。アタシは、UK外務省・US国防省のを見て判断してます。 →例:ヨハネスブルグのダウンタウンが危険度1って…おかしいだろ!!どう考えても、危険度3or4だぞ(ヨハネスの別名は『リアル北斗の拳』とも言う)。 cf.ヨハネスがどの位、治安が悪いかと言うと… 【世界一豪華な寝台列車「ブルートレイン」が駅構内の治安不安回避のため、ヨハネスブルグ中央駅を通過する】という状況。 →日本なら、新幹線のぞみの「名古屋&京都飛ばし」みたいなモノ。 じゃ、何でこの日本人観光客はマーリブに行ったのかというと、マーリブには遺跡が多く点在しているのです。しかも、イエメンの国自体、アラビアンナイトの時代のまま時が止まったようなところ(写真左下)。世界遺産もあり、観光客も多いのです。 イエメンで観光客が移動する際、幾つかの地域(例:首都サナア及びその近郊)を除いては、現地警察が発行するパーミット(許可証)が必要となります。要は、国のお墨付き。この日本人観光客はツアーだったので旅行会社がパーミットを取っていたと思われます。 パーミットを得たからと言って、自由に行動できる訳でありません。現地へ通じる道では検問が幾つもあり、場合によっては要護衛が必須条件になったりする。それでも誘拐されたということは…武装グループが一枚上手だったと。 今回の場合、危険度3地域へのツアーを組んだという問題はあるものの、護衛を組んだりと事前対応はしているので、運が悪かったと言えるだろう。それよりも、この事件で【中東は危ない】という誤った認識が更に一人歩きしないかを懸念している。 さて、右上写真…これ、何処だかわかりますか??これは、クウェートにあるクウェートタワー。3年前、イエメンとセットで行ってきた時の写真です。クウェートというと、湾岸戦争のイメージのせいか、 『クウェートって戦争やってたから危ないんじゃないの?』とか 『イラクと国境を接しているから、ミサイル飛んでくるんじゃないの?』とか 言う人が多い。でも、実際は戦後復興を果たし、オイルマネーで潤っているビジネス中心の国。観光スポットは殆どない上に、物価が日本以上なのが旅行者として辛いところ…(クウェートのリピーターなんて聞いたことがない)。3日間の滞在中、日本人を見ませんでした。ちなみに、治安レベルは基本的に問題なし。 『中東=イスラム教、石油、灼熱地獄』と簡単に片付けるのではなく、その背景にはどんなモノがあるのか?…これを理解しないと、本来の中東、世界情勢(今は中東を軸に展開している)を見ることは出来ないのかなと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[転職、そして再転職] カテゴリの最新記事
|