1967年と2015年に映画化された「半藤利一」著「日本のいちばん長い日 運命の8月15日」で前日の14日夜から天皇の玉音放送の数時間前まで皇居内で陸軍若手将校達が唱える「アメリカ軍との徹底抗戦」のため「宮城(宮中)事件」が起こっていた事を知りました。
そのおよそ3週間前の7月26日にアメリカ、イギリス、中華民国の連名で日本に出された「降伏要求の最終宣言 ポツダム宣言」を受諾するか否かは受諾後の天皇の地位や存在処遇を危惧する余り決断が先送りされていきますが、もし即座に受諾していれば奇しくも7月末にアメリカのニューメキシコ州で実験を成功させた「原子爆段」を投下される事は無かったのかとつくづく思わされます。
2つの原子爆弾を投下されながら決断が先送りになる中、当時の「鈴木貫太郎」首相が「御前会議(天皇隣席の下行われた重要国政会議)」を内閣の合意を得ないという異例の形で開き、8月14日の3回目の会議で「天皇の聖断」という形で受諾が決定されます。
御前会議を調べてみると明治時代1894年「日清戦争」の開戦を決定したのが戦争に関しては初めてのようで、最後の御前会議まで16回開かれています。天皇隣席ですが当初から天皇に責任が及ばないように会議中ほとんど口を開く事は無かったそうで、そう考えると最後の御前会議で天皇が「宣言の受諾」を自らの口で伝えたのは異例中の異例だったのだと思います。
受諾決断の後、終戦を伝える「玉音放送」の準備に入った内閣の動きに反対し放送を阻止すべく抗戦を起こしたのが所謂「宮城事件」で著書「日本のいちばん~」では玉音放送の録音テープを奪われないように隠すなど手に汗握るような迫力で描かれています。一分、一秒何かが間違った時間軸に進んでいたらと怖ささえ感じました。特に若手将校の中心人物で映画では「松坂桃李」さん、別のタイトルのドラマでは「高橋一生」さんが演じた「畑中健二少佐」には当時の軍国主義という名の下に行われた洗脳による「愛国心」を植え付けられた元々は一庶民であった人物の悲哀を上手に描いていると思いました。
![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/2/3004de14ce21776c29d80e8132605ff61a442f39.58.9.2.3.jpg)
今朝のNHKでサイパン島の南西約5㎞にあるテニアン島で戦中、戦後を生きた方のドキュメンタリーが放送され、テニアン島で広島に原爆を落とした「エノラ ゲイ」に爆弾が装着されここから広島へ飛び立った事を知りました。