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リュウちゃんの懐メロ人生

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2012年09月20日
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カテゴリ:日本映画(邦画)

 

「あなた」の写真に見入る腱さんの目、

「あなた」は、永遠の憧れなのです。

img_0.jpg


先日、高倉健が6年ぶりに主演した映画「あなたへ」を観に行きました。

「あなたへ」予告編

http://youtu.be/qrU_iyvjJQI

 

この映画のキャッチフレーズは以下です。

 

人は、いつも

伝えきれない

想いを重ねて、

一期一会の旅を

続けている。

 

映画の発端を少しお話します.

 

富山刑務所の指導技官を務める倉島英二(高倉健)は、妻・洋子(田中裕子)がリンパ腫で53歳で早世して間もないある日、妻の友人の女性から、妻が友人に託した絵手紙を受け取る。その絵手紙には、「故郷の長崎県・平戸の海に散骨して欲しい」と書かれていた。友人に託された絵手紙は、もう一通あり、それは平戸郵便局に局留めで郵送したので、平戸に行った時に受け取って欲しい、との伝言が妻の友人から托された。

 

局留め郵便物の受け取り期限まであと10日余り、倉島は意を決して、自分が退職した後、妻と二人で日本中を旅しようと思い後部座席を取り払ってリビング風に改造した大型車を一人で運転して、富山から平戸まで、1200キロの旅に出る。

 

結婚してからも、殆ど自分の前半生を打ち明けなかった妻の故郷の平戸には、何が待っているのか? わざわざ平戸郵便局留めにした絵手紙には何が書いてあるのか?

 

映画は、妻の故郷である平戸で、何が待ち受けているのかという結末の興味に収斂されていくロードムービーです。このエンディングに何が待っているのかという興味の繋ぎ方は、同じ高倉健主演の映画「幸福の黄色いハンカチ」を彷彿させられました。高倉健の役柄は、「幸福の黄色いハンカチ」では刑務所を出所した受刑者。「あなたへ」では刑務技官ですが、共に日本人が考える「理想の男性像」を見事に演じていました。

 

平戸までの約10日間の旅の中で、短かかったけれど幸せだった妻との結婚生活の回想と、旅の途中で巡りあったビートたけし、草薙剛、佐藤浩市、などの人々との暖かい交流、平戸で出逢った大滝秀治、余貴美子、綾瀬はるかなどの人物像が実に鮮やかに描かれます。佐藤浩市は俳優の格としては、ビートたけしに次ぐ人の筈ですが、彼は最初、不相応なチョイ役に近い形で映画に登場して来ます。

 

あの佐藤浩市が何故、こんなチョイ役なのだ?

 

このリュウちゃんの疑問は、映画の最後になって意外な形で見事に氷解するのです。

 

この映画の中で、リュウちゃんが後々まで残像として残るであろう事が二つありました。一つは童謡歌手という設定の田中裕子が2回歌った歌、もう一つは旅先で出逢ったビートたけしが話した「種田山頭火」の話。

 

一つ目の田中裕子が歌った歌は、「銀河鉄道の夜」などで有名な宮沢賢治の作詞作曲の「星めぐりの歌」です。

http://youtu.be/q0gQSKKjh9M

この歌の1番の歌詞は以下です。

 

あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。

 

この歌は「銀河鉄道の夜」と関連のある作品で、星空を旅する歌です。歌詞の、赤い目玉の「さそり」は、さそり座のアンタレス、「青い目玉の「子犬」は、おおいぬ座のシリウスを指します。

 

田中裕子扮する童謡y歌手の洋子さんは、最初この歌を富山刑務所の慰問の時に歌います。2回目は、倉島が旅の途中で足り寄った兵庫県朝来市にある「天空の城」と云われる「竹田城跡」で歌います(生前の回想シーンです)

01.jpg

(以上の竹田城の写真、「明日の地球」さんのブログから拝借しました)

 

映画は西日本を横断する旅の話、「星めぐりの歌」は星空を旅する歌、この静かな歌が、映画のテーマとオーバーラップして、深い余韻を残してくれました。

 

倉島は旅の途中で、キャンピングカーで旅するビートたけしに出逢います。

たけしさんは、倉島に「旅とさすらいの違いは何だと思いますか?」という質問をし、「旅とは目的地があり、帰るところがあるもの、さすらいとは、目的地もなく、帰るあてもないもの」と自問自答します。

 

旅先での短い会話の後、たけしさんは倉島に「種田山頭火」の著書「草木塔(そうもくとう)」を残します。

 

種田山頭火は、後半生をさすらいの旅の下に過ごした自由の俳人、「草木塔」から自由俳句を幾つか挙げてみます。

 

分け入つても分け入つても青い山

この旅、果もない旅のつくつくぼうし

笠にとんぼをとまらせてあるく

ほろほろ酔うて木の葉ふる

しぐるるやしぐるる山へ歩み入る

どうしようもないわたしが歩いてゐる

 

ビートたけしさんは倉島のことを「目的のある旅人」、自分のことを「種田山頭火」と同類の「さすらい人」だと感じていたのでしょうか?

 

この映画の主役を演じた高倉健は今年で81歳になりました。リュウちゃんが敬愛するクリント・イーストウッドと同年代です。さすがに歳相応に手の皺だけでなく、顔の皺も深くなりましたが、科白回しは明瞭、あの鋭い目線もクリント・イーストウッドと同じように、永遠の壮年者です。

 

腱さんの脇を固める田中裕子(リュウちゃん、彼女のファンです!)、ビートたけし、長塚京三、原田美枝子、草薙剛、佐藤浩市なども皆、人物造形の彫りが深く、66歳になったリュウちゃんと致しましては、今年観た映画の中で一番心に残る作品となりました。ラスト近く、平戸の海に洋子さんの遺骨がサラサラと散骨された静かなシーンでは、思わず涙が込み上げてしまいました。

 

高倉健さん、何時までも「理想の男」でいて下さいね!






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最終更新日  2014年11月24日 11時57分47秒
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