テーマ:晩学のすすめ(495)
カテゴリ:大学章句
先ずは「白鹿洞書院掲示」とは何?
守屋洋著修己治人の学「大学を読む」からの抜粋で紹介する。 「白鹿洞書院掲示」は宋代の学校。江西省星子県の北、廬山五老峰の麓にあって、今にその面影 を伝えている。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 「白鹿洞」の名称は唐代の李渤という人物がこの地に隠棲して書に親しみ、つねに 白い鹿を友として過ごしたことに由来するもの。 北宋の時代に学校が建てられて地域の教育機関として機能していたが、南宋の時代に入ると、 すっかり荒廃してしまった。 1179年、南康軍知事として赴任した朱子は、書院を再興して教育の振興をはかった。 そのさい生徒心得として示されたのが、この「掲示」である。 江戸時代、幕府は昌平坂に学問所(昌平黌)をつくり、各藩もそれにならってそれぞれの自前の 藩校をつくって子弟の教育あたったが、基本教科は例外なく儒学で、殆どが朱子学であった。 そして多くの藩校には生徒心得として、この「白鹿洞書院掲示」が掲げられていたという。 つまり、かつて日本人の人づくりの指針とされたのがこの「掲示」であったと言っても過言では ない。 父子有親、君臣有義、夫婦有別、長幼有序、朋友有信。 右、五教之目、尭舜使契為司徒、敬敷五教、即是也。 学者、学此而身已、而其所以之之序、亦有五焉、其別如左。 父子親あり、君臣義あり、夫婦別あり、長幼序あり、朋友信あり。 右は五教之目にて、尭舜、契(せつ)をして司徒たらしめ、敬(つつし)んで五教を敷かしむるは、 即ち是れなり。学ぶ者は此れを学ばんのみ。而して其の之を学ぶ所以の序もまた五有り。 その別、左の如し。 ○五教=五倫とも言い儒教で謂う5つの徳目 ○契(せつ)=尭舜に仕えて教育を担当した人物 ○司徒=教育を担当した官職名。 父子は親しみにより結ばれ、君臣は正義により結ばれている。 夫婦にはそれぞれに役割分担があり、長幼にはおのずから順序があり、朋友は信頼に基づく。 以上は、儒学で重視し教える五つの綱目である。 尭舜が契を教育担当の司徒に任命し熱心に五教に当たらせたのが、即ちこれである。 学問を志す者は、先ずこの五教を学ばなければならない。 そうして、学ぶ順序もおのずからまた5つある。それは、以下のとおりである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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