えん罪で10年収監の男性、郡当局と和解 コロラド
(CNN) 米コロラド州ラリマー郡フォートコリンズでえん罪により10年間収監された男性が損害賠償を求めていた訴訟で、郡当局は16日、410万ドル(約3億7000万円)を支払って男性と和解することを決めた。男性は弁護士を通し、「和解に満足している」との声明を出した。
ティム・マスターズさん(38)は15歳の時、自宅近くで女性の切断遺体が見つかった事件で疑いをかけられ、物的証拠のないまま殺人罪で終身刑を言い渡された。1999年から収監されたが、新たなDNA証拠で犯人でないことが判明したとして、2008年に釈放された。
マスターズさんは郡当局と事件の担当検事2人を相手取り、損害賠償を求める訴えを起こしていた。郡当局によると、検事らは非を認めず、裁判で争う構えを示していたが、郡当局は多額の賠償金を科せられる事態を避けるために和解を決めたという。
マスターズさんの弁護士は和解成立を歓迎したうえで、「どんな金額もかれの10年間を返すことはできない。だれかが謝罪すべきだと思う」と語った。マスターズさん自身も声明で、「あの年月を取り戻せるなら、1000万ドルでもいくらでも喜んで払う。だが残念ながらそれは不可能だ」と述べている。
マスターズさんはフォートコリンズ市と警察にも損害賠償を求め係争中。現在は親類宅の地下室に住み、かつて持っていた飛行機整備士の免許を再取得するため学校へ通っているという。
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