グロソブ欧州危機をあおる?
グロソブは毎週末金曜日の18時過ぎくらいに週報を発表します。わたくしもそれを見て、グロソブと戦わせている(笑)外貨パックのリバランスなどをしているわけです。で、金曜日に発表されるのですが、データとしては前日木曜日のデータとなります。先週も金曜日に11/10(木)付けのデータが発表となりました。その前の週は木曜日が祝日だったので、水曜日11/2のデータが発表されましたが、記録はこちらの定番ネタの中にあります。あらためて書いて比較しますと、11/2週報USD=14.2%, EUR=21.4%, GBP=2.8%, AUD=11.2%, CAD=9.1%, NOK=8.6%, JPY=20.8%11/10週報USD=13.7%, EUR=20.5%, GBP=2.9%, AUD=12.0%, CAD=9.3%, NOK=8.7%, JPY=22.0%11/10付けの週報は、今週中(2011.11.18夕方まで)なら、国際投信のページからPDFで入手可能ですが、毎週上書き更新されます。上記のように、この1週間でついにJPYが最大通貨になってしまいました。また、USD, EURともに減って、へたをすると、USDはAUDにも抜かれかねないところまで少なくなって来ました。ちょっと経済規模から考えるといびつですね。上記、記録しているのは通貨別構成比のみですが、さらに少々細かい分類も週報で書いてあります。債券の種類が国債なのか政府機関債等なのかという分類と、ユーロ国債については国別の構成比です。そこで気が付くことは、イタリア国債をこの11/2から11/10の間に全て売ったことで、前週比-3.7%ということですので、11/2時点では3.7%保有していたことになります。しかし、グロソブも巨大ですから、その3.7%のイタリア国債を1週間で全部売るってのもなかなか尋常じゃないと思います。ちなみに、11/2時点でグロソブ毎月決算型は一時より減ったとはいえ、まだ2兆円以上の資産がありました。他にも少ないながらも3ヶ月決算ものとか1年決算ものなど、マザーファンドを共通とするものもあります。よって、2兆円の3.7%は740億円ですが、おそらく800億円近いイタリア国債を処分したものと推察されます。上記はイタリア国債の金利動向ですが、先週ニュースで7%台に乗せたとか騒がれていましたね。そして、グロソブがイタリア国債を売却したのがだいたい赤枠で囲った範囲内のどこかです。こうやってみると、グロソブが売ったから7%を超えたという因果関係がありそうですね。たぶん、ピークのところまでグロソブが売っていて、グロソブが売り切った後に、売り圧力が減って逆に金利が低下してきたって感じです。ま、首相が辞めるってニュースもありましたけどね。イタリア国債の取引量などまったく知りませんが、やはり1週間で800億円ってちょっとやり過ぎだったんじゃないでしょうかねえ。もう少し金利低下を押さえつつジワジワ売っていった方が世のためだったのではないかという気がしますねえ。で、グロソブが代わりに何を買ったかというと、ドイツ国債が2.7%増えて、日本国債が1.2%増えておりますのでまあ主としてこの辺ですね。AUDも買ってますが。まあ、外貨パックと戦わせている身から言いますと、グロソブの方が運用がうまいってのは分かるんですが、図体がでかいだけにあまり派手なことやると影響がありますねえ。少なくとも、イタリア国債の7%超えの責任の一端はグロソブにもあったのではないかと思います。それで、そのままドイツ国債を買う分には為替中立ですが、日本国債を買うときにはユーロを売って、円を買っているわけでして、円高にも寄与しちゃっているって気もしますね。ああ、この文章自体は週末に書いていたものですが、日経も気が付いたみたいですね。