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桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

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2006/08/10
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イスラム諸国の「親米権力者」にとって現在の状況は厳しい。アメリカ政府は現在、ネオコンに支えられているのだが、そのネオコンはイスラエルと一心同体の関係にあるため、イスラエルがガザやレバノンで行っている破壊と殺戮を彼らが認めているように見えるのだ。アメリカ政府の顔色を窺ってばかりいるわけにはいかない。

6月下旬からイスラエルはガザ、そしてレバノンに軍事侵攻を開始しているが、一連の動きは5月23日に始まるとする人もいる。この日、イスラエルのエウド・オルメルト首相がジョージ・W・ブッシュ米大統領と会談、イラン攻撃で合意したともいうのだ。シリアもターゲットになっているはずだ。

会談から3日後の5月26日にイスラム聖戦の幹部ふたりが自動車に仕掛けられた爆弾で殺害され、その直後にイスラエルの情報機関モサドのエージェントだとされるマーモウド・ラフェが逮捕された。

そして6月9日にはガザの海岸へ遊びにきていた家族など7名が爆弾で殺されている。イスラエルは「地雷説」を主張していたが、アメリカの専門家はイスラエルの自走榴弾砲による攻撃があった可能性が高いと断言、イスラエルを見る世界の目は厳しくなった。

そうした中、6月28日にイスラエル軍はガザに対して攻撃を開始、7月12日にヒズボラがイスラエル兵の拉致を発表、その直後にイスラエル軍はレバノンに対する攻撃を開始したわけである。

イスラエル軍の行為は国際法に違反していると非難されているが、イスラエル政府やネオコンは意に介していない。イスラム教徒を挑発して戦争を拡大、アメリカから供給された最新兵器を使ってイスラム諸国を蹴散らし、イスラエルを中心とした「新しい中東」を出現させる・・・こうした計画をたてているとしても不思議ではない。

しかし、別の「新しい中東」、つまり親米の王制国家が革命で崩壊し、反米の民主主義国家が誕生する可能性もある。

歴史を振り返ると、アラブ諸国の権力者はイスラエルとの戦いをできるだけ避けようとしてきた。エジプトのカリスマ的指導者だったガマル・アブデル・ナセルもイスラエルとの和平実現を死の直前まで望んでいたが、イスラエルに拒否されている。この話はイスラエルの初代首相、デイビッド・ベングリオンも認めている。

イスラエルが建国を宣言する前、アラブ系住民が殺害され、パレスチナを追い出されるのをアラブの権力者たちは手を拱いて見ているだけだった。建国宣言後に戦争となるが、1949年2月から7月までの間にエジブト、レバノン、ヨルダン、シリアがイスラエルと停戦協定を締結し、パレスチナ人は見捨てられる形になる。

その結果、1949年の3月と5月にシリアでクーデターが試みられ、1951年にヨルダン国王が暗殺され、そして1952年にエジプト王制が倒され、レバノンが内戦になった。1951年にはイランで欧米資本と王族による石油利権の独占を批判する声が高まり、民族主義政権が誕生している。中東が民主化に向かって動き始めたと言えるだろう。そうした流れを潰したのがアメリカやイギリスだった。

アラブ諸国の権力者はこうした過去を忘れていないはずである。イスラエル/ネオコンと対決するか、あるいは民主化の波に備えるか、究極の選択を迫られている。





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Last updated  2006/08/14 12:26:55 PM
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