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桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

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2006/08/14
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イスラエルのレバノン侵攻に目を奪われている間も、イラクやアフガニスタンでは戦闘が続いている。「泥沼化」の状況に変化はない。そのためネオコンの影響力は低下、シリアやイランを自力で攻撃する力はなくなった。そこでイスラエル政府を焚き付けて始めたのがガザ、そしてレバノンへの侵攻だ・・・こうした話がイスラエル政府の周辺から聞こえてくる。

ところで、アメリカのイラクに対する先制攻撃は嘘から始まった。ジョージ・W・ブッシュ米大統領を取り巻くネオコンは自分たちの描くシナリオを実行するため、「大量破壊兵器」など、虚偽情報をまき散らして開戦の雰囲気を作り出したのである。情報分析を軽視し、自分たちの幻想を実現しようとする・・・旧日本軍の作戦参謀たちを連想させる。

偽情報を広める工作の中心に存在していたのがOSP(特別計画室)なるグループ。ドナルド・ラムズフェルド国防長官、ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官、ダグラス・フェイス国防次官のラインが設置したプロパガンダ機関である。

OSP室長のエイブラムス・シュルスキーはシカゴ大学でポール・ウォルフォウィッツと同じ教授の下で博士号を取得している。その教授こそがネオコンの思想的な柱とされているレオ・ストラウスだ。

シュルスキーは大学を出た後、ヘンリー・ジャクソン上院議員の事務所で働き始めるが、そこにはエリオット・エイブラムズがいた。現在、NSC(国家安全保障会議)で中東政策を担当している。

1980年代になると、シュルスキーは国防総省の次官補だったリチャード・パールの部下になる。政府を離れてRAND研究所に入った時にはI・ルイス・リビーと一緒になった。リビーはリチャード・チェイニー副大統領の首席補佐官になるが、今は情報漏洩事件で起訴されている。ウォルフォウィッツ、フェイス、エイブラムズ、パール、リビー・・・ネオコンを代表する人物たちだ。

OSPの「活躍」もあり、2003年3月にアメリカ政府はイラクに対する先制攻撃を始めた。開戦の1年ほど前からネオコンと軍の制服組との間で対立が深刻化していたが、軍制服組を押し切った形だ。

エリック・シンセキ陸軍参謀総長(当時)が議会でドナルド・ラムズフェルド国防長官の戦略を批判したのは象徴的な出来事だった。シンセキ将軍はウェスト・ポイント(陸軍士官学校)の65年組だが、彼の同期だった軍人の多くも同じ意見だったという。2006年3月頃から少なからぬ退役将軍がラムズフェルド長官の辞職を求める発言をしているが、中でも注目されたのは、アメリカの「タイム」誌に掲載されたグレグ・ニューボルド退役中将の「イラク戦争は失敗だった」とする意見だろう。同中将は2002年10月まで統合参謀本部の作戦部長という要職に就いていた人物で、アメリカの安全保障政策は「9/11」を利用してハイジャックされたと主張している。

イラクで掃討作戦を指揮しているウィリアム・ボイキン中将は狂信的なキリスト教原理主義者、要するにカルトにはまっている人物として有名だが、事実よりも自分たちのシナリオを優先するという点でネオコンもカルト的である。はるか昔に書かれた話を根拠に国をつくるのもカルト的。自国の元首が神だと主張、子供たちを教育(洗脳)していた国の軍隊とネオコンが似た行動を見せるのは、当然かもしれない。





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Last updated  2006/08/14 02:50:28 PM
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