566709 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2007/10/01
XML
ミャンマーで治安部隊とデモ隊が衝突している間に、中東ではイラン攻撃の危険性が急速に高まっている。すでに「帰還不能点」を通過してしまったアメリカのネオコン(新保守)/シオコン(神保守)としては、イスラエルの強硬派と手を組み、中東の支配構造を変えるまで戦争を続けていくしかない。さもなければ、自らが破滅する可能性もある。軍需産業にとっても、戦争は悪い話ではない。「弱者」が地獄を見るだけのことだ・・・とアメリカや日本の権力層は考えているかもしれない。

イラク戦争が始まって間もない頃からアメリカの特殊部隊がイラン領内に侵入して活動を始めたとされているが、最近では「アクシデント」を利用した空軍主体の軍事作戦を練っていると言われている。

すでに2年前からアメリカのCENTCOM(中央軍/中東、中央アジア、アラビア海を担当)がイラン攻撃について計画中で、イギリスの新聞「タイムズ」によると、今年6月にはペンタゴンの内部に「プロジェクト・チェックメイト」と名づけられたグループを「再編成」、20名から30名の空軍将校や軍事やサイバー・スペース(仮想空間)の専門家が参加しているという。イラン攻撃が実行される場合、イスラエル軍とも連動するとも言われている。フランスの外相がイランとの戦争に備えるべきだと発言した背景にはこうした動きがあった。

ところで、この「プロジェクト・チェックメイト」は1970年代、ソ連との戦争に備えて作られてグループ。一旦は廃止されたものの、第1次イラク戦争(湾岸戦争)で復活、今年になってまた編成されたようだ。

アメリカ空軍が連携を強めているのはイスラエル軍だけでもない。イラン攻撃への協力拒否を表明している国もあるが、イギリスの新聞「テレグラフ」によると、湾岸諸国の空軍を訓練し、アラブ首長国連邦にセンターを設置してイランとの戦争に備えている。その一方で、イラン攻撃の口実を探し始めたという。

元米国連大使のジョン・ボルトンやジョージ・W・ブッシュ大統領の側近カール・ローブをはじめ、ネオコンの大物たちはイラン攻撃を強硬に主張してきたが、ここにきて「ネオコンのゴッドファーザー」とも呼ばれているノーマン・ポドレッツも「イランの核施設」を攻撃するようにと発言している。

イラン政府は核開発を平和目的のためだと主張しているが、これをネオコンやイスラエルは根拠を示さずに否定している。が、世界有数の核兵器保有国が中東に存在していることを忘れてはこまる。イスラエルは現在、数百発の核弾頭を保有していると言われているが、この情報が正しいとすると、イギリスやフランス、中国に匹敵するということになる。

イスラエルの核兵器開発をアメリカの情報機関は早い段階、1958年頃には察知していたが、ジョン・フォスター・ダレスとアレン・ダレスの兄弟をはじめ、アメリカの政府高官は報告を無視、放置されてきた。1973年の第4次中東戦争では実際に核兵器をイスラエルは使おうとしたが、ソ連が反撃の姿勢を見せるまでアメリカは動こうとしなかった。イスラエルによる核攻撃をアメリカ政府は容認していたと言わざるをえない。

現在、イランに圧力を加えている日米欧の各国もイスラエルの核兵器には寛容である。イランの核開発を批判する前に「中東の非核化」を宣言するべきだとは考えないようだ。ひたすら、イスラエル以外の国、つまりイスラム諸国が核開発することを許さないという姿勢だ。

そして今、アメリカのネオコン/シオコン勢力はイラン攻撃の準備を進め、開戦のチャンスを待っているように見える。2001年の「9/11」がアフガニスタンやイラクを侵攻するための「新パールハーバー」だったとするならば、イラン攻撃の引き金になる「新々パールハーバー」が起これば中東は火と血の海になる。

この問題に興味があるならば、拙著『アメリカ帝国はイランで墓穴を掘る』(洋泉社)を。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007/10/01 02:22:42 PM
[パワーポリティックス非公式情報] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.