沖縄・慰霊の日
今日6月23日は慰霊の日。日本軍の最高司令官・牛島満の自決により、沖縄での組織的戦闘が終了したとされる日。*********実際には司令官の自決で戦争が終わるはずもなく、その後も各地で戦闘は続き、沖縄戦が正式に終了したのは1945年9月7日。その間にも多くの人が亡くなった。**********今は戦争で亡くなった人を偲び、戦争の愚かさ、残酷さ、平和の大切さを考える大切な一日。糸満市の摩文仁にある平和祈念公園。この日、神の島と言われる久高島から昇る朝日の光が戦争で犠牲になった人々の名前を刻んだ「平和の礎」の中央通路に一直線に差し込んでくる。その瞬間を待つ人が薄暗い園内に集まっていたけれど、今日は雲が厚く垂れこめ、ついに太陽は姿を現さなかった。「平和の火」沖縄戦で一番最初に米軍が上陸した慶良間(けらま)諸島の阿嘉(あか)島、原爆が落とされた広島、長崎、その3か所から持ってきた火が燃えている。「平和の礎(いしじ)」平和の礎の中央通路。国籍を問わず、また、軍人、民間人の別なく、全ての戦没者の氏名を刻んだ礎。向かって右側の刻銘版には沖縄県の犠牲者、向かって左側は沖縄県以外の日本の犠牲者、そしてアメリカ、イギリス、台湾、韓国、北朝鮮の犠牲者の名前。今年は30名が追加され、現在は合計241,593人の名前が刻まれている。刻銘版の前には花束や故人の好きだったお酒やお菓子などが供えられている。平和祈念公園内の展示作品。持ち主のいなくなったヘルメットが散乱している。沖縄戦では至る所に死体が積みあがっていたという。おそらくヘルメットもこんなにきれいなものではなく、壊れたり、血で汚れていたはずだ。今年は戦後75年。75年という月日は記憶を薄め、忘れてしまうには十分な時間だ。でも私たちはここで戦争があったことをけっして忘れてはいけない。だから繰り返し繰り返し戦争の記憶をたどる。何があったのか、どうしてそうなったのか、それを知ろうとする努力を続けなければ。忘れてしまったらそれはもう戦後ではなく、新しい戦前になってしまうのだから。2020年6月23日(火)