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テーマ:今が旬の話(414)
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自動車が走り出して、しばらくしてから
Hが口を開いた。 「もう薬は、やめるんだね」怒っている口調であった。 「僕は、これから信じないんだ」私は病院で覚えてきた 唯一の事を言った。 「そう」現実家のHは、私の言葉を何か金銭的な意味に解したらしく、 深くうなずいて、 「人は、あてになりませんよ」 「おまえの事も信じないんだよ」 Hは、気まずそうな顔をした。 太宰治 (角川文庫) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.07 16:33:29
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