《英国出身のシンガー・ソングライター。デビュー前には英国軍の偵察将校だったという経歴を持つ。2002年、デモ・テープをきっかけにAtlanticと契約、04年に1stアルバム『バック・トゥ・ベッドラム』をリリースした。その魅力的なメロディは、エルトン・ジョンやエリオット・スミスを引き合いに出されるなど“英国の吟遊詩人”として、本国のみならず欧米各地で話題となった。05年、同作で日本デビュー。》~CDジャーナルより~
前作『オール・ザ・ロスト・ソウル』が2007年のリリースだったから、3年に1枚のペース。『バック・トゥ・ベッドラム』を初めて聴いたときの衝撃と新鮮さを求めるのは無理だとしても、
ファーストに迫る出来になっていて安心しました。
ジェームス・ブラントの持つ内省さや暗部に、オーディエンスも慣れたのがその理由だと思うけど。前2作に見られた
楽曲のバラツキがなくなってトータルでプラントの歌心が堪能出来るようになりました。共作が増えた効果が表れたようですね。共作者はスティーブ・ロブソン、ウェイン・ヘクター、ライアン・テダー、ケヴィン・グリフィン等の売れっ子メロディーメイカーがあたっています。
ジェームス・ブラントの声は個性的(心臓に突き刺さるような鋭さ)だから、ピアノの弾き語りばかりだと聴いていて辛くなるような事もあるのだけど、そういった事も幾分中和されてきているように感じます。「So Far Gone」や「These Are The Words」なんかとてもバランスがとれていて聴きやすいし、しかも口ずさみやすくて合唱したくなってしまうような曲です。でも「Best Laid Plans」なんかは相変わらずに強烈ですが。。。
《Best Laid Plans》
♪君は暗がりは好きじゃない
でも僕に光を照らさせてくれない
君の問題を洗い流そう
でもどうやら、僕がすがりつくほど
君は手放すみたいだ、分かってる
誰かに愛されるままにした方がいい
でなければ自分で自分を見つけるしかない
教えて、なぜ最高のプランが全部
君の手にかかると失敗に終わるのか
僕のいい意図はいつだって
僕の意志通りには終わらない♪
でもでも、そんなプラントが大好きだったりするんだな。「No Tears」も同系のバラードですね。
「Superstar」も大好きな曲。厚いギターサウンドとギターカッティングがエモーショナルでドラマチック。
「Calling Out Your Name」のような温かくて優しいメロディーラインもまた、とても魅力的です。
ファンでいることの喜びを再認識した、充実作。文句なし。
James Blunt/Some Kind Of Trouble