こきっつぁんの７６５EVENING

２００７年１２月１２日。
またひとり、アツい男がグラウンドを去った。
ひっそりと。


千葉ロッテマリーンズ。
投手。
背番号５４。
黒木知宏。
またの名を「ジョニー」



１９９８年７月７日。
プロ野球の連敗記録をストップする為に、
グリーンスタジアム神戸のマウンドに上がった男は、
あとひとりで勝利という所で、
オリックスのプリアムに同点ホームランを打たれ、
マウンド上で涙をこぼした。
わき目もふらず。

あれからロッテは変わった。間違いなく。




生涯成績７６勝６８敗１セーブ。


はっきり言えば、大した成績ではない。
しかし、使い古された言葉ではあるが、
ジョニーはまさしく
「記録ではなく、記憶に残る」選手だった。


石田バッティングピッチャーから、
「お前の為に開けていたぞ」と言われて譲り受けた
背番号５４を背負い、
力いっぱい投げた。
投げた。
投げた。
投げた。
打たれても投げた。

そして泣いた。
泣いた。
ヒーローインタビューで泣いた。
それを見てファンも泣いた。
ロッテファンでなくても、
ジョニーのアツき魂に感動して泣いた。



ジョニーより速いボールを投げる奴はたくさんいた。
ジョニーよりキレのいい変化球を投げる奴もたくさんいた。
でも、
ジョニーよりアツい魂をミットに投げ込んだ奴はいなかった。

バカと呼ばれようと、
クサいと言われようと、
アツくなって向き合うことの大切さを、
ジョニーは教えてくれた。



ありがとう、ジョニー。



またいつかグラウンドに戻って、
あなた以上に、
アツい魂を放るピッチャーを育ててください。
この乾いたプロ野球界に一石を投じるピッチャーを。

１３年の現役生活、おつかれさまでした。


それでは曲です。
映画「あしたのジョー」の主題歌であり、ジョニーがマウンドに上がる時のテーマ曲、
おぼたけしの「美しき狼たち」　　どうぞ！
♪男なら　戦う時～がある～