少年と呼ばれた木:定義
「しっかりしなくちゃ」少年はどうしても 自分自身が しっかりした木であるとは思えずにいた。 少年の木は言った。「僕、しっかりした木になりたいんだ」少女の木が答えた。「しっかりした木って、どんな木なの?」 思いがけない返答に少年の木は戸惑った。「え~と・・・・」自分の事ではないという事だけは解っていたが、上手く言葉がみつからなかった。漠然と思っていただけなのだろうか、少年はなんだか恥ずかしくなった。 黒ハットの声が聞こえた。「ケケケッ!お前、自分が目指しているものもわからないのか?」黒ハットの言葉が、少年の恥ずかしさを いっそう大きくさせた。 少女の木が 少年の木を優しく包み込みながら言った。「完璧な事だけが、しっかりした木ではないという事を 知っていてほしいな」 少年の木の根が、少しだけ強く大地を掴んだ。 クリックで 応援お願いします。(_ _)ペコ現在46位!値下げ商品はtoto開店で!