受け入れるココロ
家の駐車場の斜め前に少し細い道がある。私の住んでいる家は角に建っている為、車を出すのも入れるのもそこの細い道を使っている。そうして何年も過ぎた。数年前。家から数十メートル離れた場所にゴミ捨て場があった。でも、その場所はどうやらもう使えなくなるらしく、ゴミ捨て場所を何処に設置するか、候補が4ケ所ほど提案された。候補の一つに我が家の前の小道、右側に設置と言う案が挙がっていた。私はなんだか嫌だった。その場所は、車から4歩くらいでたどり着けるのだ。車の横に物干し竿がある。風でゴミの匂いが洗濯物に付くかもしれない。車の出し入れに差し支えるかもしれない。なにより、家の目の前にゴミ置き場があるのが嫌だった。理由はそれだけ。どの家庭も自分の家の近くのゴミ置き場の設置を受け入れずにいた。設置場所が決まらない。その話を聞いたとき、私も両親に家の前は嫌だと述べた。先ほどの理由だけで。父が言った。「皆が嫌がっていたら決まるものも決まらない」「家の前の小道でいいじゃないか」父の言葉に私は返す言葉がでてこなかった。なんだか自分の考えがバカらしく思えたから。そうして今も、小道の脇にゴミ置き場が設置されている。