カテゴリ:世の中の話題から
これを実施した野村総研のリリースによると、ポイントは ※「仕事へのモチベーションに関する調査」の調査概要 ・調査時期:2005年10月 ・対象:上場企業の20代、30代の正社員、1000サンプル ・調査方法:NRIのネットリサーチサービス「TRUENAVI」を使って実施 1)75%が現在の仕事に無気力感: 質問「現在の仕事に対して無気力を感じるか?」 ・「感じる」75.0%(「よく無気力を感じる」16.1%、「ときどき無気力を感じる」58.9%) ・「感じない」21.3%、「わからない」3.7% 2)3年前と比較し、職業人として成長した実感があるのは4割弱: 質問:「3年前と比較して、職業人として成長した実感があるか」 ・「成長した実感がある」38.7% ・「あまり成長した実感がない」42.5% ・「わからない」16.7% ・「そもそも仕事に成長など求めていない」2.1% ※成長に対する停滞感は特に30代で高い(男性49.0%、女性47.5%) 3)仕事を通じて社会的使命感を感じているのは3割弱: 質問「現在の仕事を通じて、社会的使命感を感じるか」 ・「感じる」29.5%(「感じる」5.1%、「どちらかといえば感じる」24.4%) ・「どちらとも言えない」38.8% ・「感じない」31.7%(「感じない」11.0%、「どちらかといえば感じない」20.7%) ※特に女性の中で社会的使命感を感じていない人の割合が高い(20代37.3%、30代41.8%) 4)約半数が潜在的な転職志願: 質問「現在の会社にどのくらいの間勤めたいと思うか」 ・「機会があればすぐにでも転職や独立をしたい」18.7% ・「3年以内に転職や独立をしたい」13.0% ・「あと5年ぐらい勤めたい」12.3% ・「あと10年以上は勤めたい」9.9% ・「定年退職まで勤めたい」17.9% ・「わからない」28.2% ※5年以内、という人を合計すると44.0%に 5)「やりがい」を感じる仕事のトップは「報酬の高さ」で3割弱: 質問「どんな仕事に『やりがい』を感じるか」(3つまでの複数回答) 1.「報酬の高い仕事」29.0% 2.「自分だけにしか出来ない仕事」22.0% 3.「新しいスキルやノウハウが身に付く仕事」21.8% 4.「自分の実績として誇れる仕事」21.5% 5.「お客様から感謝される仕事」21.0% 6.「社会的に意義がある・貢献のし甲斐がある仕事」16.8% 7.「自ら創意工夫が出来る仕事」16.6% 8.「将来のキャリア形成に役立つ仕事」16.4% 9.「目標や成果の明確な仕事」14.6% 10.「自分の個性を発揮できる仕事」14.6% 11.「難しく挑戦的な仕事」12.3% 12.「これまで自分が経験したことのない仕事」11.8% 13.「社内で高く評価される仕事」8.1% 14.「部分的な作業でなく、全体像に関われる仕事」7.9% 15.「目立つ仕事、注目される仕事」6.0% 16.「成果がすぐに出る仕事」6.0% 17.「規模の大きな仕事」5.4% 18.「世の中を変えていくような仕事」5.1% 19.「仕事にやりがいを求めていない」2.9% 20.「根性や忍耐が培われる仕事」0.7% 21.「その他」0.4% ※報酬以外では「自分らしさ」の表現や、対外的に通用するスキルや実績を形成してキャリアアップすることが、仕事のやりがいにつながっている 6)お金以外の報酬で重視しているのは「仕事自体の面白さ」が半数弱 質問「お金以外の報酬で重要なものは何か」(3つまでの複数回答) 1.「仕事自体の面白さや刺激」44.5% 2.「同僚や後輩から信頼されたり感謝されたりすること」35.0% 3.「顧客から感謝されること」34.2% 4.「上司から高い評価や承認が与えられること」26.6% 5.「一緒に仕事をする仲間の質が高いこと、関係が刺激的であること」21.9% 6.「充電休暇など、成果の報酬として一定期間の休暇が与えられること」16.8% 7.「さらに挑戦的なプロジェクトへ起用されること」15.2% 8.「仕事に対する自己裁量の範囲が拡大すること」15.0% 9.「やってみたい職種や部署への移動希望制度など、キャリアの選択権があること」11.2% 10.「勤めている企業のブランドや評判が高まること」8.3% 11.「仕事の一定時間を自分の好きな研究開発に使えること」7.7% 12.「設備や装置など自分が備えたい職務環境を実現できること」6.4% 13.「挑戦してみたい研究開発などの予算執行権が与えられること」4.0% 14.「社内表彰されること」1.9% 15.「その他」0.4% ※「挑戦機会や成長機会の豊かさ」と「豊かなフィードバック関係」がモチベーションにつながっている ・・・ということで、NRIはこの仕事のモチベーションをいかに再生できるのか、ということが2010年以降の企業の競争力アップにつながる、とし、そのための「2010年の経営戦略」として (1)仕事の動機につながるミッションの樹立 ・企業が利益極大化、株主価値至上主義に大きく振れた今こそ、社員全員の求心力となり組織文化を培養するユニークなミッションを樹立するべき。なお、今回の調査では、現在勤めている会社の経営理念やミッションを、「知っているが自分にはピンとこない」人が57.1%、「知らない、忘れた」「そもそも関心がない」人が計14.3%であった。 (2)挑戦機会の増設 ・若手社員が自分を試せる機会を豊かに準備することが大切。そのためには、異なるワークスタイルやキャリア・オプションを許容し、必要であれば労務政策を大胆に見直したり、多元化したりすることも視野に入れるべき。 (3)周囲のモチベーションを生み出す人材の抜擢 ・周囲の人材のモチベーションを生み出す人間(モチベーションジェネレータ)を組織の中心に引っ張りだすべき。業績のみならず、“組織モチベーションの発電力、再生力”という角度から、次世代リーダーを選抜する必要がある。 と提案しているんだけど、 もしかすると、それは全体の傾向、ではなく、単に「ここ約10年の上場企業の採用における基準がそういう人たちを選んでいるようになっていた」ことの結果なのかも?とも感じました。 もしくは、熱意のある人が上場企業よりもITのような新興企業や、独立への道を選んでいる傾向があってその分それ以外の人が増えた、という事もあるのかもしれません。 しかし、「やりがいを何に感じるか」と「お金以外で重要なもの」のランキングと割合は、いまの管理職にとってはけっこう参考になるかも知れないなあ、とも思いました。 例えば、自己裁量の拡大や社内公募制よりも同僚・後輩からの感謝が3倍近い、というのはなかなか含蓄があるなあ、と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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