カテゴリ:電気機器
■「使う人の思いに応えるという原点に戻った」新REGZA 続いて、TV事業部事業部長の大角正明氏がテレビの事業環境とREGZA新製品の概要について説明を行った。グローバルの事業環境については、「2007年まではグローバル市場は堅調に拡大したが、今夏の五輪需要はかなりの期待はずれに終わった。欧米経済は様々な問題を抱えており、現在の市場環境だと今後はかなり厳しいのでは。世界需要はやや堅めかもしれないが、2009年に1億台、2010年に1億3,000万台と考えている」と予想。その上で、「2008年は750万台を出荷する予定で、下期の台数シェア8%を狙う。2010年は1,300万台を達成し、シェア10%を達成したい」とした。 また、大角氏はREGZAの顧客満足度の高さについても強調。「2006年度から3位、2位、1位というふうに伸び、顧客満足度首位になった。何が受け入れられたのかと言うと、高画質、HDD録画の2点だ」と説明。さらに、環境面でも「おまかせドンピシャ高画質」を採用したことで消費電力が下がり、これにより春夏モデル9機種が省エネ5つ星を獲得した、と説明した。 別項で紹介するREGZAの新ラインナップについては、「大きく商品ラインナップを変え、使う人の思いに応えるという原点に戻った」とし、「新モデルは画質、録画、エコを3つの訴求ポイントにした。REGZAは完全モデルチェンジ。全6シリーズ20機種を一斉投入する」と高らかに宣言した。国内シェア目標にも触れ、「2008年度下期に、国内液晶テレビ市場でシェア20%を目指す。福山氏のCMを使って露出を増やし、ブランド認知度を高めていきたい」と期待を見せた。 ■レコーダーの今後は「簡単操作」がカギに レコーダーについては、デジタルAV事業部事業部長の下田乾二氏が説明。まず同氏は、「藤井のプレゼンの後、しかもテレビでありながら録画機能を搭載したREGZAの説明の後にレコーダーを紹介するのは正直に言ってやりにくいが、自信をもっておすすめできる製品だ」とあいさつ。 下田氏は、「コンテンツディストリビューションの形態が変化し、インターネットにコンテンツディストリビューションが移りつつある」と述べた後、 XDE技術を説明。画質には自信を持っているとした。また、「2011年のアナログ完全停波を控え、これからは簡単操作がカギになる。もちろん、好評をいただいているVARDIAの高機能は継承しながら、操作をかんたんにしていく」と今後の戦略を説明。なお、新VARDIAが実現したフルハイビジョン7倍録画については、「うちが6倍録画をやったら他社さんも次第に追いついてきたが、当社は一歩先行く7倍録画だ」と自信を見せた。 以下、発表会で行われた質疑応答をご紹介する。 Q: レコーダーの国内市場を見ると、金額ベースでBlu-rayが5割を超えている。これにどう対応していくか。 A: まず言っておきたいのが、Blu-rayについては完全にノーサイドで、恨みがあるというのは一切無い。VARDIAは人気があって、BDを出して欲しいという声もあるが、価格が下落するのは目に見えている。個人的にはほんとうにやる必要があるか疑問だ。特にネット接続については、 BDのネット接続機能はあまり必要ではない。テレビの録画は、光ディスクに頼らない録画ソリューションを提供していきたい。BDを出していけないということはないが、いまは儲かる自信がない。ただし、東芝は常に態度が変わるので、今後どうなるかはわからない(藤井氏)。 Q: 今期、DVDレコーダーの販売台数をどう見込んでいるのか。また、来期は今期に比べどういう見通しを持っているか。 A: 録画市場におけるBDの構成比率が、北京五輪前に40数パーセントになったことで、DVDが多少減ったのは事実。 だが、一部で言われているように、2009年度にBDの売上比率が90%になるなどということは無いと見ている(下田氏)。 レコーダーでは、東芝は20~25%のシェアを持っている。本当に2009年に、BDの売り上げが90%になるのか。そんなことはあり得ない。皆が89,800円のBDレコーダーを買うはずはなく、4万円台でなければならないという人は確実にいる。DVDを持っているけどBDは高いねえ、という人は多い。DVDレコーダーは絶対になくならない。エントリー層に向けては、HDDだけのレコーダーも用意している。DVDレコーダーとHDD単体で、国内で来期100万台は行けると見ている。 とにかく、日本は市場が非常に小さい。勝負は、グローバルでいかに利益を出すかということ。日本という特殊な市場だけを考えて戦略を練ると失敗する。 まあ、日本ではBDが一定程度伸びていくのかなあ、という気がするが、199ドルや299ドルあたりになれば勝負は分からない。皆さんはBDと言うかもしれないが(藤井氏)。 Q: ネットワーク接続という戦略は分かるが、BDで高画質映像を楽しむ時期はしばらく続くのでは。何年後にネットで高画質を楽しむ時期が来ると考えているのか。 A: 日本とアメリカは事情が全然違う。ネットサービスは大きく2つあって、映画と情報サービス。これはまるっきり違うコンテンツだ。映画はきれいな画質でなければいけないが、アメリカのネット接続スピードは平均で3Mbps程度と低い。一方、情報サービスは映画以上に早く浸透し、2010 年頃から進化していくだろう。映画については、これは個人的には来ないのはないかと考えている。2012年頃でも、全体の10~20%程度にしかならないと見ている(藤井氏)。 Q: ハイビジョンの無線伝送についての取り組みを教えて欲しい。また、どの方式を使うかについても教えて欲しい。 A: CEATECでも色々展示がされると思うが、他社に技術は負けていない。ただし、私はちょっと待ったをかけている。ワイヤレスは何と何をつなぐかが重要で、他社がやっているように、ディスプレイとチューナーをセパレートにするという場合には、これは必要。プレーヤー/レコーダーとテレビの場合は、昔のテレビでは使えないという問題がある。テレビとPCの接続については、本当に無線が必要なのか。無線は、先頭を切って出すことは出来るが、これをやる必要があるかは疑問だ。方式については、ミリ波が5年先や10年先を見据えて有力なのではないかと考えているが、最終的には決めていない(藤井氏)。 (Phile-web編集部) バックナンバー DVD規格戦争はもう終わったこと - 2008年04月10日 「次世代DVDなし」の成長戦略 - 2008年03月04日 “敗戦”の弁 - 2008年03月02日 関連サイト 東芝:トップページ(HTML版) 東芝 - Wikipedia 株価 Yahoo!ファイナンス - 6502.t 6502 (株)東芝 東芝 NIKKEI NET 株価サーチ 株価 6502:東芝 - Infoseek マネー 株価ジャッジ | 東芝 (6502) 東芝(東京証券取引所) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年09月19日 18時31分07秒
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