カテゴリ:何とも言えない話
黒 です。
私は、黒 と言う名が指すように、非常に過去から黒いヤツだった。 要するに、超ワルだったのだ。いわゆる○ンキーと言われるグループ。 だから、今でもとてもガラが悪い。 そして、同じ人種は臭いで解る! 某所某地区の顧客の奥さん、☆☆さんも間違いなく○ヤ印のお方であったはずである。 ソリッドな雰囲気を上手く包み隠していらっしゃるが同族の臭いが未だ漂う。 ☆☆さんには、小学校二年生の息子さんがいらっしゃる。 本日、☆☆宅で、仕事をしていた時の事である。 奥さんと、たわいもない話をしていたとき、息子さんが泣いて帰ってきた。 お母さんに抱きつき泣いている彼は膝に擦り傷をつくっていた。 「どうしたの?」と、彼女は優しく聞く。 息子さんは、エグエグと嗚咽を漏らして、 「ペケペケ君に殴られたの・・・」 と、言う。 「ふぅ~ん。なんで殴られたの?」 ぽつぽつと彼が言うには、きっかけはクラスで飼っているハムスターにあるそうだ。 ハムスターと遊びたくて、巣に入っているハムスターを外に出そうとペケペケくんが、 巣を持って地面に向けて激しく振ったのを、彼は、可愛そうだからと止めたらしい。 そうしたら、なんだかケンカになって、一方的に殴られて帰ってきたらしい。 いかにも、子供にありそうな大事件である。まあ、客観的にみれば彼は悪くない。 それまで、息子の目線で話をしていた彼女の目が、 すーっと細められやがて彼女は立ち上がる。 「それで、泣いて帰ってきたの?」 声のトーンが一気に零下に下がった。 あまりに泣いていたので、彼は彼女の動作の不審さに気がついていない。 「馬鹿!そんなんで泣いて帰ってくるな!!正しい事を主張して一方的にやられて帰ってくるな!自分が正しいと思える時には絶対勝って帰ってこい!!」 と、彼女は泣いている息子を叱り飛ばす。彼は驚きのあまりか、涙が引っ込んじゃった!! 「だって、ボク、ケンカ好きじゃないし、弱いんだもん・・・」 私と、彼女は顔を見合わせた。 「いや、ケンカが好きって言うんじゃ困るんだけどさ・・・」 と、私。 「ケンカは売っちゃいけないけど、売られたケンカは買って良いんだ。で、勝たなくては駄目なのさ。」 そして、野生動物の場合、負けは死を意味するとか、偉そうな事を並べて、ケンカ上等論を2人で展開しはじめる。 「先ずね。ケンカしている時は、絶対いたそうな顔とか怖そうな顔とかは見せてはいけないのだよ。」と、黒いヤンキー。 「相手に、つけ込まれるからね。どんどん相手がコイツ弱いと思うと調子に乗って暴力酷くなるし、相手が精神的に強くなっちゃうから。」と、ヤンキー☆☆ 「じゃあ、どうすればいいの?」と、息子。 「先ず、絶対泣かない。そして、いたそうなそぶりを出さないで、やられたらすかさずやり返す。連打はいらないから、一発ほっぺたでもびんたしてやんな。」と、黒ヤンキー。 「それで、相手がひるんだら、にらみつけたまま、その場を後にする。」とヤンキー☆☆ 「相手が抗戦してきたら、同じように対処する。相手が大人数の時は、ボス格のヤツとのみ応戦しな。雑魚は放っておいていい。」黒ヤンキー。 「何か道具を振り回されたり一斉に集中攻撃されそうなときは、さっさと逃げるのよ。」ヤンキー☆☆。 ケンカの仕方なんて言うとても下らない昔取った杵柄を小学校二年生に生き生きと語る2人の元ヤン。 「・・・」息子さんは、目を丸くして、好戦的な2人を交互に見つめていらっしゃいました。 ちょっと離れたところでこの会話を聞いていた☆☆パパ。 息子さんの頭をポンと叩いてこういいました。 「キミはこんなにおっかない人の息子なんだから、本当は凄く強いんだよ。正義のためだけにケンカしてね。」 と、血気走る我々を背にして言いました。 そして、私達の方を振り返って、 「・・・本物はやっぱり違うよね」と、ため息混じりに言いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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