水不足の記憶・・・田植えの水もなかった2012年の南九州。
『水不足の記憶・・・田植えの水もなかった2012年の南九州。』 2012年の4月期の過去記事ですが、前回分に ひきつづいての再掲載です。このときは、このあと 5月下旬からようやく降水が確認されはじめました。 ↓3月下旬から早期水稲の田植がはじまった宮崎県では、深刻な水不足に悩まされています。宮崎地方気象台によると県内は今年に入って少雨傾向にあり、宮崎市の3月の降水量は32ミリで、平年の180ミリを大幅に下回っている。4月も降水量の少ない状態が続く見通しを発表しています。 4月1日の地方紙はそのような渇水の状況を次のように伝えていました。 『宮崎県内で水不足の影響が出始めている。昨年夏からの少雨が今年 に入っても続いているためで「これまでにない深刻さ」(県河川課)。 ダムからの緊急放流や農業用水の取水制限などでしのいでいるが、 一部自治体で稲作などへの影響が出始めており、まとまった雨が降 らなければ上水道への影響も懸念される。』 と、いうもの。 田植後の干上がった田と、水不足の状況を伝える新聞記事 そのような状態を受けて、宮崎県の河野俊嗣知事は7日、少雨のため一ツ瀬ダム(西都市)と渡川ダム(美郷町)の有効貯水率がゼロとなり、枯渇したことを発表、他のダムも枯渇が懸念されるとして、農工業用水の大口利用者や流域自治体などに節水を呼び掛けます。 そして4日8日。気象台の予報では、『県内全域でまとまった雨が降る』との予報であったにもかかわらず、残念なことに結果は少雨に。 県河川課によると、 『県の管理13ダムのにおいて、ダムへの降水量は1月は4%、2月 は42%、3月は16パーセントでしかなかった』 『県内のダム46カ所のうち、枯渇した一ツ瀬と渡川のほか、別の4 カ所も放流量を調整。今後も雨が降らなければ1-2週間で最低水 位を下回り、貯水率がゼロとなる見通し』 と、いう深刻な水の状態を報告するに至りました。 ・・・この時期のこの渇水は誰しも記憶にないところ。宮崎の農家の間では50年、いや60年以上も実施されたことのない“雨乞い”の儀式の話が取りざたされるようにまでなっています。 昨年のいまごろは多雨による日照不足がつづいていたのですから、自然というものは、つくづく予測のつきにくいものだと 実感せずにはおられません。このような日本の雨の偏りの傾向は、今後も継続していくものと考えたほうがよいかも・・・です。 農業経営の面からみれば、ダムはどうしても必需なものだと 心の底からおもえてしまいます。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」