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今時の就活を扱った小説である。
なじみのないソーシャルメディアも活用されていて今日的なのであるが、就活が「何者」かになるための関門であることは昔も今も変わらない。 それにしても、この小説にでてくる登場人物、みな思いっきりスペックが高い。 それこそ何者なんだ、こいつら…ありえないだろう。 演劇の脚本出演をこなす主人公、バンドをやっている同居人、高校時代に留学経験のある女子学生、これも留学から帰ってきたばかりの女子学生。留学だって学生時代など考えられなかったし、演劇やバンドで客を集めて、金をとるなんてのも想像できない。いくら時代が違うといっても、こういう学生は平均でもなければ等身大でもないのではないか。 まあ、こういう連中だから就職は楽勝と思いきや、けっこう就職に苦戦する。主人公はすでに就職浪人一年目だし、小説の末尾でも就職が決まらない。けっして超人気企業だけをめざしているわけではないのに、それだけ今日の就職は厳しいということなのだろうか。 その昔、自分も「何者」かになろうとして、就職に奔走した。 考えてみれば、あの頃はネットもソーシャルメディアもない牧歌的な地代であった。ただ、筆記試験ではなく「面接」で不採用となる場合の不条理な感覚は大いに共感できる。 ただ、お勧め度としてはどうだろうか。 私も実は勧められて借りて読んだので、自分で選んだ本ではない。 今時の就職活動の一断面としては興味深いのだが、ストーリーとしては面白さにかけるように思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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