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カテゴリ:雑感
最近評判だというNHKの教養番組「笑わない数学」を録画で見た。
NHKは大体ウエメセで視聴者を愚民視している、どうせ適当な番組なんだろう…とあまり見る気はしなかったのだが、見てみると面白い。NHKもやる時にはやるじゃん…というのが素直な感想だ。 もちろんテーマがテーマだけに難解なのだが、人間ってなにかちょっと難しいもの、難解なものを知ろうとしたいという欲求もある。この番組はそんな視聴者の欲求に応えてくれる数少ない番組のように思う。あ、もちろん頭の良い人にはこれでは物足りないのだろうけど、凡人にはこれくらいで十分だ。ひな壇に乗った著名人が笑っているだけの番組や誰かが飯を食っている番組ばかりの中で、こういう番組がどれほど貴重なのだろう。 見たのは「虚数」を扱った回で、人間が数を「発見」していった歴史を紹介する。自然数、分数、無理数、超越数とあるのだが、ゼロや負の数の発見は意外に新しいという。しかし人間が物々交換を始め、獲物を分けるようになった頃、「借りる」とか「今はないけど後で払う」とかいう契約は行われなかったのだろうか。ゼロや負の数の概念がないとそのあたり、かなり不便だったのではないか。 虚数が発見されたおかげでN次方程式の解がN個であることが説明でき、物理法則にも虚数は登場するという。そうなると虚数は現実世界にも関与しているわけであり、「虚」数というネーミングもかえって誤解を招くように思う。 今後、リーマン予想なども番組で扱うというが、リーマン予想は問題そのものを理解するのが一般には難しい。それよりも、問題自体は小学生でも理解できるのだが、証明が難問となっているゴールドバッハの予想(2より大きいすべての偶数は二つの素数の和で表される)やコラッツの予想(すべての数は偶数は2で割り、奇数は3倍して1を足すという操作を繰り返すと最後は1になる)などもぜひ紹介してほしい。ギリシャの学者ピタゴラスが「万物は数である」と唱えたように、数はどこにでもあるものだが、その性質は謎に満ちているのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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