芸能人や評論家が世に出る時には多少プロフィールをもるということがある。
ヨーロッパの社交界で知らぬ人はいないほどの存在だといってデビューした評論家もいたし(いたと思うし)、剣の達人というふれこみで有名になった青春スターもいた。そうした中に、カイロ大学を首席で卒業してアラビア語も流ちょうに使えるというふれこみでデビューした美女がいた。英語を使える才色兼備の女性というだけではめだたないが、このちょっと毛色の変わった経歴の美女はたちまちマスコミの寵児となり、その後、政治家となった。
ただ政治家の場合、学歴詐称は違法となる。剣の達人なんてのは問題にならないのだが、いくらマイナーな国でもその国のその大学を出たか否かは問題になる。学歴についての虚偽の記載は公職選挙法違反になるからだ。実際には、政治家は英語が使えればよい方で、そんなマイナー言語が使えようと使えまいとどうでもよいのだが、公職選挙法との関連では問題となる。まあ、ご本人は目立ってなんぼの芸能界で生き延びるために、できるだけ派手なプロフィールがよいと思って首席卒業までぶちあげたのだろうけど、まさか後年政治家としてこれほど活躍するとは思わなかったのだろう。
そういえば、箱根駅伝で外国からの留学生が何人も走っている。中には本国に帰ってメダリストになった人もいる。ああいう人たちは日本語がどの程度できるのだろうか。そして日本の大学の卒業資格をもっていたのだろうか。陸上の才能を見込まれて日本にやってきて、そして大学生とはなったものの生活のかなりは陸上のトレーニングに費やされるであろう。それで4年くらい日本にいたとしても、日常会話レベルはともかく、とても、大学教育相当の日本語、つまり普通に大人の本を読む程度の日本語をマスターするとは思えないのだが。