京浜急行の新馬場の駅をおりると、大幹線沿いに長い石段が見える。品川神社の石段である。このあたりは武蔵野台地の突端にあたり、こうした傾斜地が多い。高級住宅地として有名な城南五山もそうであるし、品川神社もこうした高台にある。それにしても長い石段…それを上りきると、街の喧騒が嘘のように別世界が広がる。夕方近い時刻なので人も少なく、なおのことそう感じるのだろうか。あたりは神社特有の静謐な雰囲気につつまれているので、こういうのをパワースポットというのだろうか。
石段の途中では、半袖半ズボンの観光客らしき欧米人が写真をとっていたが、ありきたりの観光地よりも、こうした普通の神社で日本文化を感じるのもよいと思う。石段途中には富士塚の入り口もあり、そちらは足場がわるそうなので行かなかったのだが、後で調べてみると最大級の富士塚だという。以前行った千駄ヶ谷鳩森神社の富士塚も相当なものであったが、こちらの方もぜひ今度は登ってみたい。品川神社の境内からの眺めはあまりたいしたことはなかったのだが、富士塚からの眺めはなかなかよいらしい。
再び駅の方に戻り、新馬場の商店街を歩くと、そこは狭い三階建ての建物が並び、そこはかとなく宿場の雰囲気を残している。解説によれば、公用の場合にはここで馬を替えたので馬場と言う地名がのこったという。なお、商店街がつきたあたりに銭湯があり、ここは関東特有の黒湯温泉である。街歩きの後に温泉というのも贅沢である。