紅麹サプリによる健康被害について新たに関連が疑われる死者数が76人に上るという報道があった。厚労省への報告が遅れたことが問題視されているが、情報の遅れはかえって不安を増すだけだろう。それにしても、どうもこのニュースでわからないのは、サプリのどういう成分がどういうメカニズムで人体に害を与えているのかというメカニズムが解明されていないことだろう。プベルル酸という成分が疑われているようだが、これは普通に青カビにふくまれているもので、これが紅麹サプリに入って重篤な健康被害をもたらすという確証はないという。健康被害を受けた方々の被害の程度、年齢、持病などの情報は数値としては出してもよいように思う。いったいどこまでがわかっていて、どこまでがわからないのだろうか。
こうしたサプリは機能性表示食品など食品という名称がついているが、形は錠剤や粉末であり、見た目で何が原材料になっているかが分からない。その点、薬膳で花や桂皮の形がそのまま残っているのとは違う。こうした見た目ではさっぱりわからないものを、安心して飲んでいるのは、気休めかもしれないが、少なくとも毒にはならないという安心感があったればこそだろう。健康被害の報道は、サプリ全般の売れ行きにも影響するのではないか。
こうしたサプリは特定保健用食品は許可が必要なのだが、栄養機能食品や機能性表示食品は特にそうした許可は必要ないという。わけの分からない錠剤を飲むのも自己責任ということである。