カテゴリ:平和のこと
よく、『戦争があったおかげで、科学技術が発達した。戦争もマイナスばかりではない』
…という話がある。 たしかに、元々が軍事技術で、その後に一般に普及したものは多い。 ロケットもレーダーも電子レンジも、元は軍事研究。 (『ホッチキス』も機関銃の応用だという) しかし、根本的な問題は、 「軍事研究でなければ研究予算が出ない」 という、貧しい文教政策にある。 空を飛ぶのは昔からの人間の夢。戦争に使うために、ジェットエンジンやロケットエンジンを作らなくとも、 『戦争そのものの費用からすれば僅かな研究予算』さえあれば、もっと立派な研究が進んでるはず。 アインシュタインだって、原爆で人殺しをするために原子力の研究をしたわけでない。 小柴さんがノーベル物理学賞受賞のとき、『スーパーカミオカンデ』の技術協力をした工場の社長さんが「ノーベル賞の賞金を全部貰っても赤字ですわ」と苦笑してたように、 科学のロマンがあってこそ。 (岡山の「表具屋幸吉」など、江戸時代に『夢』だけで名誉にも金にもならない「グライダー」製作に生涯をかけている) 日本は戦争中、「学徒出陣」によって、多くの若者を失った。 徴兵免除になったのは、「戦争の役に立つ」理系の学生だったけれど、 農学部は文系学生とともに召集された(農芸化学などは毒物研究に役立つので除外)。 彼らがちゃんとした研究環境にあれば、いろんなことが出来たに違いない。 「偽札犯人のお陰で印刷技術が発達した」なんていう人はおるまい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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