罰の豆二十粒(冗句)
神学生の文雄と由紀夫が、神父の許にやって来た。そして、隣町に行った時に、美しい、肉感的な娘を見て、心の中で姦淫の罪を犯したと申し出て、神の許しを乞うた。 神父は、二人の神学生に罰を与えた。「それは、実に重い、大変な罪だ。キミたちは、悔い改める為に、これから一週間、それぞれ靴の中に二十粒づつ豆を入れて歩きなさい」 それから、五日が経った。 神学生の由紀夫は、足の痛みに耐えられず、足を踏みおろすたびに顔を歪めて、よろめきながら歩いた。 ところが、もう一人、文雄の方は、顔色一つ変えずに、いつもと変わらない軽い足取りで歩いている。「一体全体、キミは、全然痛くないのかい?」 由紀夫が、歯を食いしばって、足を引きずりながら文雄に訊ねた。「別にどうということは、ないよ。ボクは、靴の中に入れる前に、豆をよく茹でておいたからね・・」