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ユーカリの木陰で里の行

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2019.06.29
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カテゴリ:チベット仏教


627日の日記「ゲシェDの1Dayコースとトンレン瞑想(前編)​の続きです。

 

カセットテープの2面はOpening the heart meditation心を開く瞑想>

こちらはトンレンである。

一般的なトンレン瞑想は、他者の苦悩を黒煙としてイメージして吸い込みながら負のカルマを引き受けて、白光をイメージして吐きながら自らの幸福の因や功徳を与えるというものである。

このガイド瞑想では更に、自らのエゴを心の真ん中に居座る黒い岩としてイメージして行うので、初心者の方でもやり易いと思う。


始める前に説明が入った。

他者の苦悩をイメージして自分に取り込んだら、ますます自分の苦しみが酷くなってしまうのではないかと尻ごみをする方もいるのだけれど、実際にはそんなことはない。

逆に自らの心を開き広くもつことで心は軽くなるのだ、と。


まず1面同様に、意識を呼吸に向けて、呼吸に集中することで自分の内面に集中してゆく。


他者の苦悩を黒い煙としてイメージし、息を吸うたびに吸い込んでゆく。

病気、戦争、飢餓―様々な種類の苦しみに喘ぐ人たちを想像しては、彼らが苦痛から解放されることを願いながら黒煙を取り込んでゆく。

もしくは、自分が直面している問題と同様の問題を抱えている人たちをイメージして行う。

その人たちの抱える悲しみ、怒り、絶望―負の感情や負のカルマを黒煙として吸い込んでいると想像するのだ。


自己中心的で利己的な心は、心の真ん中に居座る黒い岩石としてイメージする。

吸い込んだ黒煙は、心の真ん中に在るエゴの黒岩にぶつかり、岩は粉々に砕け散る。

すべては、消えてゆく姿。

仏教の「空」を思い、負の要因が消えてゆく様を想う。


そうして健康、幸福、英知、功徳―祝福の白い光をイメージして、呼吸とともに吐き出してゆく。

黒いエゴ岩が砕けるときに飛び散った火花も白光に吸い込まれ、ますます美しく輝く白光を他者に与え続ける。

その白光は幸福の因であり、慈愛と慈悲の心だ。


吸い込んだ黒煙で、自分の心にあった黒岩は砕け、白光を吐き出す。

受け取った他者の苦悩で、エゴの岩は粉々に砕けて、幸福の因、慈悲を代わりに与えると想像し続ける。

遂には心の真ん中に居座っていた黒い岩石は跡形もなく消え去り、自らの全身も白い光に包まれている。


これは最もパワフルな癒しの瞑想である。


これを自らの苦痛や問題を利用してやると効果的だ。

たとえば頭痛に悩まされているのなら、全世界の頭痛に苦しんでいる人たちをイメージしてやると良い。

世界中の頭痛持ちの痛みを自分に取り込んでゆく。

この痛みを自分が引き受けるから、彼らが痛みから解放されますように、と強く願いながら。


日常で遭遇する些細な問題から大きなものに展開してゆくと良い。

自らの問題に押し潰されてしまうのではなく、喜んでそれを受け入れることで、心は強くなり軽くなり、逆に平和になるから。

この心的トレーニングを重ねてゆくことで、精神力はどんどん強くなってゆく。


この瞑想法は、人生で起きる全ての問題や困難さえ、心を鍛えるための精神的修行にしてしまう。

これによって、癌でさえ自らの心を覚醒させるための貴重な尊い体験、得難い転機となりうるのだ。

トンレンを続けることで、心は平和に、寛容になってゆく。



以上が、このテープの瞑想の概要でした。


私もトンレン瞑想は習慣的にずっとしているのだけれども、十数年ぶりに(苦笑) このカセットテープを使ってしたガイド瞑想はやはり素晴らしかった。


トンレンは、まさに「里の行」だ。


昔、不妊治療でトンレン瞑想をしていたころのことを思い出した。

オーストラリアに移住して数年後に自分たち夫婦は不妊症の問題を抱えていることを知った。

けれどそれは当時も別段珍しい話ではなくて、欧米では一般に6組に1組がその問題で悩んでいると言われていた。


それでも不妊治療をしていると、だんだんと「自分だけ…」みたいな被害者意識に苛まれてくる。

周りを見れば可愛らしいお子さんを連れたファミリーが大勢いて、通りに出ればベビーカーを引いた女性や、大きなお腹を抱えた妊婦さんの姿ばかりが視界に飛び込んできた。

誰も彼もが(あ、男性には無理がありますが)簡単に妊娠して、子どもを産んでゆくような気がしたものだ。


とりわけIVF(人工授精)でホルモン注射や尿検査、超音波検査を重ねて採卵手術を受けて、やっと授かった受精卵を子宮に戻して―

2週間待ち続けた後に、それが妊娠に繋がらなかったと知ったとき―

嫌でも心がぐぅ~んと沈んでしまうのだった。しょんぼり


そんなときにトンレン瞑想をしていた。

結跏趺坐を組み、といいたいところだけど胡坐を組んで、呼吸に意識を集中して瞑想を始めた。

自分の周りに、夫や自分たち同様に、子供を授かりたいのに授かれない人たちをイメージする。

その人たちの哀しみ、失望、焦りを想像していった。


今回もまた失敗して落ち込んでいる自分の哀しみや授かりたかったという思いを、暗いエゴ岩としてイメージした。

そうして彼らの苦悩を、どんよりした暗い煙を吸い込んでいった。

自分と同じように不妊症で苦しんでいる人たちの思いを一心に想像しながら、自分の中に取り入れていった。

彼らの苦悩を自分が引き受けますから、どうぞ皆がこの問題から解放されますようにと願いながら。


黒煙は、私の心の真ん中に居座っていたエゴの黒岩にぶつかって、それを粉々に砕いてしまう。

小さいけれども頑強な自分の暗い想い。

心に広がっていた哀しみや失望も粉々に砕かれては消えてゆく。

彼らの哀しみも自分のそれも、砕けたときに飛び散った光の火花も、すべて慈悲の白光に吸い込まれてゆく、と。


その美しく輝く白い光を今度は彼らに向けて吐き出していった。

白光は完全な癒しの光であり、祝福の光であり、慈愛の光だ。

この光を受け取ることで、皆が一日も早くこの問題から解放されるようにと、強く願いながら。

誰もが赤ちゃんに恵まれますようにと、心から祈りながら。


たいてい最後には号泣していて、瞑想を終えたときには心はずいぶんと軽く、前向きになっていたのだった。

ほとんど清々しいくらいだった。


もちろんこの瞑想をしたからといって、誰かの不妊症が私に乗り移って、夫と私の問題が余計に酷くなるというわけじゃない。

どこかの夫婦の不妊治療が成功するというわけでもない。

だけど確実にトンレンは当時の私が、自分だけが・・・みたいな被害者意識に苛まれてしまうことを防いでくれた。

心が問題に圧倒されて、押し潰されてしまうのを助けてくれたのだった。


それどころか、ちっぽけな自分の無意味な問題に、意味を与えてくれたのだった。

当時の自分は、子どもは自然にできるものだという観念が強かったので、どうしても自分たちの問題に意味が無いような気がしてしまっていたから。

だけど自分が不妊治療を経験することで、同じような問題を抱えている人たちの負担が軽くなるのなら、自分の失敗や苦痛にも意味があるように思えてきたから。

それが錯覚や思い込みに過ぎなくても、確実にこの考え方は心を軽くしてくれた。

心を守ってくれたのだった。



ゲシェDがよく言っている。

「自分の心をハッピーに保ちなさい。

心を暗い考えや想い、想念から守りなさい」、と。


実際トンレンは、私たちの心を守るための最もパワフルな瞑想法だと思う。




ゲシェDの「トンレン」に関する1日コースは9時から始まって5時半ごろに終わった。

トンレン瞑想から始まって、ゲシェの教義。

ベジタリアン料理のランチを挟んで、午後にはトンレンをテーマにした討論会、それからまたゲシェの教義だった。


この日のトンレン瞑想は、ここで紹介したものよりも少し複雑で仏教的なものだった。

けれどエッセンスは同じだ。


その日の明け方に見たスピ夢―

His Holiness Dalai Lama is my Guru」と言い切った夢のエネルギーに包まれたまま参加した「トンレン」の1日コースは、トンレン行で慈愛と慈悲の心を培おうと努めた1日になった。

お陰で夢のエネルギーを損なうこともなく、というか帰るころにはむしろ朝来たとき以上に強くなっていた。


さぁて、今夜はどんな夢が見られるだろう?  

夢見をますます楽しみに帰路についたのだった。ぽっ



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Last updated  2019.07.05 09:16:01
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