京都)発達障害児支援、就学後も すてっぷセンター
京都府京田辺市にある
府立こども発達支援センター「すてっぷセンター」で10月から、
学校に通う
発達障害児らが専門的な社会適応訓練を受けられる
放課後デイサービスが始まった。
同センターには就学前の
発達障害児向けの療育施設はあったが、
学校に通い始めた子は利用できなかった。
府は相談室も併設し、支援を充実させている。
今月12日。
子どもたちが保護者らに送られ、
午後3時からできたばかりの建物のデイサービスに集まってきた。
小学2~6年の児童が3人ずつの2グループに分かれ、
活動を始めた。
うれしい、楽しい、悔しい
といった感情について書かれたプリントをもとに
周りの人の気持ちを考えてみたり、
ボール遊びを通して友人との関わり方を実践的に学んだり。
各グループには臨床心理士や作業療法士、
児童支援員、学生ボランティアらが3人ずつ付いた。
午後6時前に迎えに来た保護者には、
児童支援員らがこの日の活動内容を報告。
城陽市から来ている3年生の児童の母親(32)は
「これまで放課後には学童保育に通わせていたが、
単に預かってもらっていただけだった。
ここでは自分と相手とは違う感情を持っていることを
丁寧に教えてくれるので子どもも少しずつ理解でき、
しんどさが軽減されているようだ」。
6年生の児童の母親(52)も
「声かけの仕方など、人間関係で苦手なことを一から教えてくれる。
他人の気持ちを考えられるようになってきた」
と語る。
すてっぷセンター(0774・64・6141)は、
府南部の障害児らを対象に2003年に開所。
小児科や児童精神科がある診療所を持ち、
発達障害と診断された子どもたちが通う施設も備える。
この施設だけに通う子もいれば、
地域の保育所や幼稚園に通園しながら通う子もいるが、
対象は就学前に限られていた。
府北部では、
府立舞鶴こども療育センター(舞鶴市)が支援の拠点となっている。
文部科学省の12年の推計では、
公立小中学校の通常学級に在籍する児童生徒の6・5%に
発達障害の可能性があるとされる。
府障害者支援課によると、
学校に入った発達障害児が
放課後に通える事業所はほとんどが民間で、増加傾向にある。
現在、京都市内を含めて府内に約250あるが、
支援が難しい子にはほとんど対応できていないのが現状だ。
すてっぷセンターには臨床心理士や作業療法士らがおり、
専門性の高い訓練が可能だ。
同課の担当者は
「民間事業者の見本になるような放課後デイサービスを目指している」
と言う。
府は併せて、
京都市伏見区にある府発達障害者支援センター「はばたき」の相談機能を、
すてっぷセンター内でも利用できる「こども相談室」を設けた。
府南部の小学1年~高校3年の児童生徒やその家族が対象で、
臨床心理士らが3人態勢で無料相談に応じている。
相談は電話(0774・64・6000、平日のみ)ででき、
必要に応じて家庭訪問もする。
診療所から紹介され、
定期的に相談を受けている子もすでに5人おり、
学校訪問など教育機関とも連携しているという。
こども相談室長の長谷川福美さんは
「診療所などをまだ受診できていないが、
子どもが発達障害かもしれないと気になっている人も、
まずは電話してほしい」
と呼びかけている。
[朝日デジタル]
就学後も継続して同じ放課後支援が受けれると、
学校生活にもいい効果をもたらしてくれそうですね。☄