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カテゴリ:火山・地震情報の見方
>茨城県沖の地震は、太平洋プレートの動きに影響されたものです。 私には、例年通りの活断層地震の範疇のように見受けられます。 茨城県沖から南部、千葉県北部一帯は、「地震の巣」と言われるほどの地震発生地帯です。 プレートの影響、無かったとは断言出来ませんが、取り立てて異常事態と大騒ぎする地震規模ではありません。 >富山県西部も、太平洋プレートの東から西への移動によって、ユーラシアプレート上にある活断層が北東から南西に動いて発生しました。 まるでプレートが、普段は動いていないような言い方ですね。 人間が死ぬまで心臓が動き、血液の流れが止まらないのと同様、地球のプレートはこうしている間にも動いているのに・・・。 「ユーラシアプレート上にある活断層が北東から南西に動いて」ここは素で絶句しました。この発言者は、プレートの理解も、活断層の知識も全くご存じでないと断言できます。 プレートとは、地球を覆っている岩盤です。活断層はその岩盤の切れ込み、いわばいわば二つの岩盤が押しあいへしあいして、ギリギリ締め上げている地点です。 活断層地震はこれがとうとうずれて地震が起きるわけですが、「北東から南西に動いて」って、それじゃあ、一枚の板が動いたみたいな言い方じゃないですか。 もちろん、プレートの上に活断層があるしという意味なら、間違っていないように感じてしまうかもしれませんが、この両者を文中で混同するのは、身長と体重を一緒くたにして、痩せてる太っているを論じているようなものです。 地学の知識がある人ならこんな言い方はしません。この発言者は、プレートも活断層も全くご存じでないのです。 >太平洋プレートが活発化している表れとみています それ、この手の煽り記事事で、2011年の震災以後、枕詞のように使われていますね。 大きな地震が起きたあとは、しばらく「余震」が必ず続きます。動いた後の微調整、揺り戻しが起きるからです。 プレートの活動は日々続き(これは地球が活動をやめる日まで続くでしょう)、活断層も圧力の放出が時々発生しているものです。 そういった地学の基本的な知識を無視すれば、いくらでも「活発化している」とか言えてしまえるのです。 >活発化はすでに各地で確認されている。気象庁の発表によると、ここ1カ月(5日まで)で、茨城県沖・北部・南部を震源とする震度1以上の地震は14回発生。今月2日には、東京湾を震源とするM4.2の地震があり、千葉市などで震度3の揺れを観測した。6日午前1時近くには東京や神奈川で震度4の地震があった。また、最近はロシアのカムチャツカ半島でも火山爆発や地震が頻発している。これらはいずれも太平洋プレートの動きの活発化によるものだ。恐ろしいのは、この動きが「首都直下地震」の“序章”ともみられていることだ。 私からすれば、「毎年こんな感じに地震も火山噴火も起きているでしょ。なんか騒ぐようなこと?」で終わりなんですが・・・。 カムチャッカの火山の件が最もらしく加わっていますが、カムチャッカ半島は火山半島と言って良いぐらいの火山密集地帯で、普段からどこかしらの山で噴火が起きています。 そうそう、昨年はアラスカアリューシャン列島で起きた火山噴火ありましたし、北方四島(確か択捉島だったと思いましたが)でも噴火あったんですが、その辺は記事では無視ですね。 同じ太平洋プレートのはずなのに、無視されてかわいそうです。 まぁつまりは、最初から結論ありきで、自説に都合の良いデータだけを羅列しているだけなんですよね。 該当の記事をいくら読んでも、“首都直下地震の序章”なんて、飛躍できるのかが、その根拠が全く分かりませんし。 逆に、この記事の上に乗っかった上で、考えてみましょう。太平洋プレート上に地震も火山噴火も全く起きない年があったとしましょう(そんなことはあり得ませんが)。 その場合、東京直下型地震が起きないなんて言えますか? 南海トラフ巨大地震の発生確率が減ったなんて言えると思いますか? 東日本大震災、熊本地震と、本震の前に前震(つまりは前兆といえる地震かな)はたまたま発生しましたが、阪神・淡路大震災や、中越地震の時はどうでした? そう過去の地震名でを思い返してみたり、調べたりしながら思考を進めていくと、今回の茨城と富山で起きた地震が、「首都直下地震の序章」なんて、とても言える代物でない、ばかばかしいとすぐに気が付くことができるでしょう。 結局ね、例年通り茨城沖で地震が起きようが起きまいが、直下型地震も南海トラフも、来る時は来るんです。 この手の記事は、地震が起きたのにかこつけて、煽っているだけなんです。 今回の件に限らず、普段の地震や火山活動をネタにした煽り記事を読んで、真に受けて慌てる必要なんてひとつもないんです。常日頃、災害の対する準備や心構えを、作っていけばいいだけの話なんですから。 この手の記事こそ、「過小評価」しなくてはいけないのです。 そうそう、最後に皮肉っぽい事を書きたいと思います。 この手の煽り記事でも、「防災意識を高めるのに役立つんだから、文句を言うな」と仰る方を、時折見かけます(リアルでもネットでも)。 私はそう言う方には、いつも同じ質問をします(今までざっと50人以上におたずねしているかな)。 「あなたは、煽り記事とか、予測商法の記事を読んで、どのような災害対策をされていますか?」と。 不思議なことなんですが、この私の問いに答えてくれる方が、まだ一人もいないのです(文字通りの意味です。ネットでお尋ねしたときは、反論すらしてこず、たいてい無視されます。リアルの人に聞いたときは、むっとした顔で、話をそらしてきて、私の前では二度とその話題に触れてきませんでしたね)。 答えられないような難しい質問をした覚えはないんですけどね・・・。 その手の方々が熱く語っているのは、煽り記事に出てくる「怖いほど的中!」を元にした中身のない「用心しよう」とか「すごくよくあたる!」とか、そういう掛け声ばかりです(ちなみに外れた時は、「実際に災害が起きなかったんだから、それで良いじゃないか。十分役だった」とか、詭弁を書き込んで正当化しているのは、何度も見ていますね)。 不思議なことに地震が起きたらどこに避難しようとか、非常食をどの程度備蓄してといった、建設的な意見はひとつも出てこないのです。 仮に災害が煽り記事の通りにあたったとしても、そういう準備は必要なはずなのにね。 前々から折に触れて書いてますが、私は災害が起きた時のことはいつも考えてます。自宅で遭遇した時、職場で遭遇した時、通勤途中に友人と遊んでいる時、また親鳥たちとの連絡手段や、合流などの方法などでもです。 もちろん友人と遊んでいる時に、非常食を持ち歩いたりしませんし、自宅にいるときに遭遇したとしても、準備したものが役立つかは分かりません。考えたことが全然役に立たないといったこともあり得ると思います。地震と同時に建物がつぶれて即死亡というケースもあり得ますしね。 しかし、いざという時に、こういう事を考え検討し、準備を重ねていくのが、災害対策であり、健全な防災・減災意識ではないかと私は思っています。 煽り記事を読んで怯えるだけだったり、予測商法を鵜呑みにして、「○月○日あたりに地震が来るらしい」などと一喜一憂することが、防災意識だと思う方がいるなら、それは間違いです。災害対策とは、その先の話なのです。 ぶっちゃけ、災害がいつ来るかを当たるかどうかではなく、災害外から生き延び、どのように自分や家族の生活を立て直し、再び社会を再建していくかの方が大切じゃないですか? 煽り記事や予測商法を信じてしまうことは「百害あって一利なし」なのです。 これが私の考え方です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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