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カテゴリ:火山・地震情報の見方
10月ももう半ばなんですね。そろそろ冬の準備しないと・・・。
吾妻山(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)→9/15(噴火警戒レベル2、火口周辺規制) 7月22日に起きた火山性微動から、再び火山活動が活発化してきた吾妻山ですが、9月に入り、大穴火口方向にやや隆起の傾向が続いていること、吾妻小富士でも火山性微動が観測されたこともあり、9月15日、噴火警戒レベル2、火口周辺規制が出されました。 ↑は気象庁の解説資料より。 現時点で噴火の差し迫った兆候はありませんが、小さい噴火がポンと来ても慌てないよう注意が必要です。 草津白根山(白根山、本白根山とも噴火警戒レベル2、火口周辺規制)→ 9/21(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)→9/28(噴火警戒レベル2、火口周辺規制) 一週間で噴火警戒レベル1から2に逆戻りの草津白根山です。 これは火山性地震の減少、全磁力観測・地殻変動で、静穏状態に近くなってきたことから、いったんは警報が解除されたのですが、28日17時ごろより、再び火山性地震が急増したことから、急きょ、レベル2に戻したということにようです。 これも、1月の不意打ち噴火の後遺症で、気象庁が判断に自信がないことに裏返しといえます。 毎月私も書いていて、読んでくださっている方はお察しいただけると思いますが、火山活動は、高まっても、噴火に至らないことの方が多いです。 人体に例えるなら、不整脈や高血圧の顕著な兆候が出ても、心筋梗塞や心不全にならないで、改善する場合が多いことと似ています。 もちろん、大丈夫だろうと油断して不摂生を続ければ、懸念は現実になるわけでして、この「大丈夫だろう」が一番危険なわけです。 結果として、情報に振り回されてしまうわけですが、この辺は上手に割り切って、付き合っていくしかないようです。 霧島山 えびの高原(硫黄山)・新燃岳(噴火警戒レベル2 火口周辺規制) 硫黄山、新燃岳とも9月は噴火は起きていませんが、火山活動は8月よりも大きくなってきています。 ↑は、気象庁の出した資料で、硫黄山付近の火山性地震の分布です。 震源域は硫黄山から南東の韓国岳方向にずれていますが、これはえびの高原側のマグマだまりが一時的に一杯になり、マグマの圧力で、岩盤の弱い部分の破壊が続いているのではと思います。 上の図を見ると、韓国岳で噴火と思われるかもしれませんが、同山は単性火山なので、直接韓国岳火口からの噴火の可能性は低いと思います。 むしろ昨今の噴火により、火口が開いている新燃岳か、硫黄山方向に、マグマが移動して噴火になる可能性が高いのではと、私は考えています。 もちろん、明日にでも噴火というような直接的な兆候ではありません。また状況によっては、新しい加工の誕生という可能性もゼロではありませんが、現時点でそのような兆候はありませんから、杞憂はほどほどでよいでしょう。 今のところ、霧島山は、火山活動が落ち着くきらいはありません。マグマの上昇が始まれば、桜島のように、ポンポン噴火が起きる事態になるかもしれません。しかし巨大カルデラ噴火のような恐ろしい兆しは現時点ではありませんから、慌てず、冷静に行動したいですね。 桜島 (噴火警戒レベル3 入山規制) 南岳火口で44回の噴火(8月は64回)発生し、内爆発的噴火は22回(8月は37回)でした。 噴火回数は変化しているものの、勢いは8月とほぼ同等と言えそうです。 火山性地震の回数は9月は213回で、8月の309回より減っていますが、火山性微動の月間総時間数は25時間36分と、8月の28時間48分と、こちらも同等です。 まぁ、10月も先月と同等の元気よさの桜島と言えそうです。 硫黄島(火口周辺危険) 先月書いたときも軽く触れましたが、9月になり、火山活動が活発化していました。 そして9月12日、海上自衛隊機が、硫黄島南側海面で、約5~10mの海水の噴出が起きていることを確認しました。これは海底火山の噴火による影響と思われています。 9月11日から13日にかけて、連続的な火山性微動が観測され、GNSS連続観測でも、硫黄島近郊で大きな隆起傾向が確認されていることから、この3日間が噴火期間と思われます。 現在噴火は終了したようですが、硫黄島付近は、日本で最も火山活動が活発なエリアとなります。同等の噴火は今後もちょこちょこ起きるかもしれません。 噴火のニュースを聞いても落ち着きましょう。もし「硫黄島噴火で富士山大噴火!」などという記事が出たら、その煽り記事の質の低さ、短絡さを笑ってやることにしましょう。 西之島(火口周辺危険 →入山危険) 口永良部島(噴火警戒レベル3 入山規制) 先月より大きな変化はありません。 それではまた。
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