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京都の三条を歩いていると京都ローマ字協会なる看板のあるビルが建っていました。まだこのようにローマ字の普及を使命としている団体があるのだなと少し感慨深くその少し古びたビルを眺めました。たまたまビルの前にその協会の小冊子「京都ローマ字会のあゆみ」という本があったのでもらって読んでみました。
日本語をローマ字で書くというと、今では何か変なことを言っているという感覚がありますが、30年ぐらい前まではそれ程変な話ではありませんでした。現に、大学の教養科目の一つに「ローマ字論」という授業があり、1年間その授業をとったことを憶えています。先生の名前はもう忘れましたが、日本語をローマ字にすると色々メリットがあるということを強調していました。その主旨は確か、 1.同音異義語の多い漢語を分かりやすい日本語で書き換えて表記できる。 2.漢字を憶えるのに費やす時間を節約できる。 3.外国人が日本語を覚えるのに楽である。 4.タイプライターで印字が簡単(そのころにはまだワープロなどなかったので) 確か、これぐらいだったかと思います。 一方問題点として、 1.使用できる言葉が減る(同音異義語が使いにくくなる) 2.文章が長くなる。 3.漢字が読めなくなり、古典が読めなくなる。 4.文字の視野生が悪い(見にくい)。 5.造語が作りにくくなる。 などがあったかと思います。 学生の多くはかなりその大学の授業を懐疑的に聞いていましたが、単位が取りやすいということでかなり多くの生徒が受講していました。学期の最後に試験があり、その結果、かろうじて私も単位はもらえました。 ただ実際に社会に出てからローマ字日本語を使うことはないだろうなと思っていました。ところが、思いがけず入社後直ちに使うことになりました。 会社に入ったころ、当然、今のようにe-mailはまだまだ影も形もなく、ファックスさえもまだ導入されていない時代でしたので、海外との交信はテレックスという通信手段に頼っていました。ところがこれに使用できる文字はローマ字と句読点ぐらいでしたので、文章は全て英文かローマ字文でした。そのアルファベットも全て大文字だけしか使用できないので、極めて読みづらいものでした。例えば、 THWA SAKUHI HANSINTO DSCSSSI FUTATUDE RYOOKAIWO TORITUKETA NODE YORO ORIHEN KOU Z TKS これを読み下すと、「当方は昨日阪神と協議しコミッション2%で了解を取り付けたので、宜しくすぐに返事を下さい。」となります。”阪神”とは相手の暗号名、二つとは”コミッション2%”ということになります。Zは句読点”。”、TKSは"Thanks”の略です。 新人はまずその独特なローマ字表現を憶えるのが一仕事でした。また、このような読みづらい文章を朝から晩まで大量に読んでいたため、両方とも1.5だった視力が一気に0.7ぐらいまで落ちてしまいました(と信じています)。 日本の外ではトルコ、マレーシア、インドネシアなどでアラビア文字がローマ字化されたり、韓国のように漢字交じり文を表音文字のハングル文字だけに変えた例もあり、文字の表記方法は分かりやすいように変えられています。 日本ではそんな気配は現在はほとんどありません。 一時、漢字の簡略化や使用漢字語数の削減などが頻繁に行われてきましたが、ワープロが出た途端その流れは逆行気味で、使用漢字が増えつつあるように思えます。日本の国語教育のかなりの時間が漢字教育に充てられ、スピーチとか、自己表現に使う時間がほとんどありません。日本語の表記の難しさは外国人の日本語教育の大きなネックになっています。ローマ字表記が決して良いとはおもいませんが、日本語表記法については改善の余地が大きくあると思います。 ついでながら、もし日本がローマ字を使っていたら、麻生さんもMIZOUの間違いはしなかったと思います。 --------------------------------------------------------------------------- アラビア書道に関するご質問:日本アラビア書道協会 事務局 〒244-0003横浜市戸塚区戸塚町4105-1-506 FAX:045-900-1012 e-mail: jaca@alqalam.jp HP: http://alqalam.jp Any questions for Arabic Calligraphy: Japan Arabic Calligraphy Association (JACA) 4105-1-506 Totsuka-cho Totsuka-ku Yokohama 244-0003 --------------------------------------------------------------------------- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.03.10 11:06:44
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