アラビア書道とその周辺

25年前にサウジアラビアに駐在したときはノンアルコールビアが何種類も発売されており、良く飲んでいました。ブランドも非常に多く、無いのは日本のブランドだけだった記憶があります。
いろいろな種類を飲み比べていましたが、Tuborg（デンマーク）、Swan(オーストラリア）、Shuliz（アメリカ）などが評判が高かったような気がしました。まあ、いずれもアルコールなしの健康麦芽飲料ですので、いくら飲んでも酔うことはなく、お腹にたまる一方でしたが。
味もどれも似たり寄ったりで、麦くさいとか炭酸が強いとかいった判断で駐在員たちは各人の好みのブランドを飲んでいました。

ところがある時、あるビールを箱買いしたところ、一本だけ本物のアルコールが入っていたのがあったという噂が流れ、一時、そのブランドだけやたら売れた時期がありました。
輸入通関の際、サウジ側でビールの全数チェックをすることはないのでひょっとしたら、現地で出荷の際、紛れ込んだしまいチェック漏れした可能性は無きにしも非ずということが考えられました。また間違えてそんな箱にあたるかも知れないということで多くの人がそのブランドを買い漁ったということです。
ところが、その後、そのブランドから本物のアルコールが入ったビールが出たという話はありませんでした。このブランドを売るための噂だけではないか？という話になりました。

時々スーパーマーケットでも輸入品のノンアルコールビアが２ー３種類、いつも売れそうにないところに積んでありました。夏など時々飲むことはあり、確かサウジのときもこんな味だったなあと感傷にひたることもありました。

ところが最近、キリンが“フリー”というアルコール０．００％のビアテイスト飲料を発売しました。
以前別の日本メーカーが確かノンアルコールビアを出していた記憶があるので、日本初ではないと思いますが、すごいところはアルコールが全く入っていないということです。

ビールを一旦製造してからアルコールを100％抜くのはかなり難しい技術だそうで、このキリンのフリーは炭酸飲料にいろいろ味を混ぜてビアテイストに仕上げたため０．００％になっているとのこと。

とすると、25年前にサウジで飲んでいたノンアルコールビアは、わざわざビアテイスト飲料を作っていたとは思えず、普通のビールを作ってからアルコールを抜いていたと思われます。つまり、少しアルコールが入っていたということになります。もしそうなら、サウジでは決して輸入しなかったはずですが、その頃はそれほどうるさくなかったのでしょうか。でも、大量に飲んだといっても誰も酔っ払った人はいませんでしたが。

ところで、最近コンビニで酒類を買うと、店員がレジでバーコードを読む機械を商品に当てると、「年齢確認が必要です」と小さな音声が出るところがあります。年齢確認を厳格化しているのがよく分かるのですが、キリンのこのフリーでもこの音声が出ます。年齢制限はないはずなのだがなあといつも思いながら買っています。