呪術廻戦「闇に染まった心」第6話
BLの苦手な方は読まないでください。18禁です。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許しくださいませ。 「百鬼夜行を行う。」無謀な計画だと自分でも分かっていた。乙骨憂太を倒して、折本里香を手に入れたら、呪術師だけの世界を作ることができるかもしれないと考えたら、実行したくなった。悟に会いたい。10年想い続けた。しかし、悟に会いに行くと、いつも悟は怒って、私を追い返すのだ。少しくらい笑顔を見せてくれたらいいのに・・・どうしたらいいのか分からなかった。悟が私の全て。悟は全部をあげると言って、私から全部を奪って行った。無防備に身体を差し出す悟は、いつでも私に奉仕させて喜んでいた。身体を繋いでいる時も悟は貪欲だった。何も知らなかった無垢な私は穢れのない天使に穢されたのだ。でも、不思議と悟のことを恨む気持ちにはなれない。悟があんなに怒ってきたのに、思い出すのは笑っている悟の顔。会いたい。会いたい。もう一度だけ悟の顔が見たい。その時、光が見えた。あの光の方に行けば、全てが終わる。「傑。傑。」目を開けると、悟の顔があった。悟は何故か悲しそうな顔をしていた。私は腕が千切れて、体に穴が空いていた。ああ。そうか。今まで見ていたものは走馬灯だったのか。私は悟に殺されて死ぬのだと理解した。「傑。愛してる。」悟は泣きながら私を抱きしめて、そう言った。「私も悟を愛してる。だから、そんなに泣くなよ。」と私は言った。だが、声にならなかった。もう声すら出す事ができなかったのだ。『最後くらい呪いの言葉を吐けよ。』と言った私に、悟は愛という呪いをかけているのかもしれない。でも、もうその呪いなら、10年以上昔にかかっている。私は悟への愛に縛られて生きてきた。悟に殺されるのを夢見て生きてきた。私は悟に殺されて幸せだ。悟の顔を見ながら死にたかったが、ぼんやりと視界が消えて、目を開けているのに、もう何も見えない。不思議と痛みが消えた。走馬灯はさっき見たから、二度目の走馬灯は見ずに私は死ぬのか。最後に悟の声が聴けて嬉しかった。「傑。いつの日か俺が死んだら、必ず傑に会いに行く。だから、待っていてくれ。」 (完)