Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の　　　　　　　　　逆説的よろず考現学

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• クラウン・ハイブリッドに乗ってきた。

  みなさん、こんにちは(^^)/。 　今日はクラウン・ハイブリッドの試乗会で、軽井沢まで行ってきました。 　クラウン・ハイブリッドは、レクサスGＳハイブリッドのハードウェアを流用し、ファイナルドライブをハイギヤード化するなど、より低燃費に振った仕様となっています。10・15モード燃費は15.8km/lと、レクサスGＳより向上していますが、一番のポイントとなったのはアクティブノイズ・コントロール装置で、これで低周波騒音を相殺することによってロックアップ領域が広がり（1,000rpmでもロックアップするそうです）、燃費が延ばせたということでした。 　ハイブリッド車ということで、いつもの試乗コース（荒れた路面とワインディングを組み合わせたルート）ではなく、軽井沢の市街地を走ってみました。走りは非常に滑らかで、文句をつけるところは無いですね。もうウルトラスムーズで、ATレバーの微振動やワイパーの払拭音に違和感を覚えるくらいでした。 　タイヤ（ダンロップの吸音スポンジ入り）は指定空気圧が240kpaと高いので、荒れた路面でやや硬さを感じることもありましたが、一般ユーザーは気がつかない程度のレベルでしょう。 　約１時間走って、走行距離は34kmほど。首都圏ほどではありませんが、郊外の市街地なら、現実的な平均速度だと思います。そんなコンディションでの燃費は12.2km/lと、「２L並みの低燃費」といううたい文句にウソはありません。僕が乗る前の77kmでも、燃費計は8.9km/lを指していましたから、飛ばしてもそのくらいは走ると思います。　レクサスGSよりも気負い無く乗れますし、世間体も気にしたいエグゼクティブには、ピッタリのクルマなんじゃないでしょうか。  　でもこのクルマ、６１９万円もするんですよねぇ(^_^;。同じ３．５Lエンジン（もちろんモーター無し）を積むアスリートのGパッケージより５２万円しか高くないんですから、むしろ「お買い得」と言えるんでしょうけれど、３LのロイヤルサルーンGにしておけば、差額で軽自動車が買えちゃうわけで、ロイヤルサルーンGを遠出専用車にして、市街地は軽自動車という選択もあるんですよね。 　軽自動車ならリッター16～17kmぐらいは走るし、取り回しはいいし、ハイブリッドというのはエネルギー回生が効く市街地でこそ効果を発揮するわけで、高速の燃費となると、３Lのロイヤルサルーンとさほど変わりは無いでしょう。セカンドカーを持てるなら、そっちのほうが合理的ではないかという気もします。 　もっともクルマに５００万円以上、出せるような人は、そんな細かいことは気にしないのかも知れませんね(^_^;。 

  May 30, 2008

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• ETCゲート誤作動の続編とプジョー308インプレ

  みなさん、こんにちは(^^)/。　明日からの怒濤の取材＆入稿＆イベントラッシュを前に、戦々恐々としつつ忙中閑ありで書いております(^_^;。　さて、前回、ETCゲートの誤作動で「キセルの温床にならんのか？」と書きましたが、不正通行、すごい勢いで増えているそうですね。'01年度に28万件強だったのが、'06年度は96万件だそうで、このぶんだと'07年度には100万件を突破するんじゃないでしょうか。「偽造防止対策」と強弁し、ハイカを廃止して導入促進を図ったETCですが、とんだ結果になっているようです（だからずっと指摘してるのに）。　不正通行の温床に、「無人化＝誰も見ていない＝罪悪感の減少」という構造があるようですが、日本人のモラル低下も来るところまで来たという感じで、何とも嘆かわしい思いです。　手口としては、強行突破がもっとも多いそうですが、他車との車間を詰めた通過なんてのもあるそうです。後者は試験運用が始まった際、安藤が指摘していたことなんですけど、そのとき国交省は「軸数を数えているから不正はわかる。安全に停止させ、料金を徴収する」なんて言ってましたが、確信犯が停止なんかするはずないわけで(^_^;。　で、まあほとんどのケースが「逃げ得」になっており、それを防ぐために高精度のカメラの配備を進めていくそうですが、確信犯なら当然、ナンバープレートが写らない対策をするわけで、車両の特定は困難を極めるはず。同じ出口で常習的に不正通行するようなケースでなければ、なかなか検挙には至らないでしょう。　しかも、強行突破なんかは通過した時点で異常が感知できますが、例えば一般ゲートから入って（ETCカードに入り口記録が残らない）、ETC出口から出ようとし（ゲートは開かない）、自己申告で「隣のICから乗りました」って言った場合、その場では不正通行かどうかはわからないわけですよね。　後に入り口のビデオを調べれば確認は可能ですが、「申告された入り口から乗ったのではない」ということはわかっても、どこから乗ったのか特定できなければ、料金（踏み倒した場合は通常の３倍）の請求はできないわけで、特定できなくても不正が証明されれば一定以上の料金が請求できる新たな規則を作る必要が生じるんじゃないでしょうか。（道路整備特別措置法違反で最大30万円の罰金は賦課できますが、それだけでは高速道路会社の収益減は補えません）　しかも「乗った入り口を勘違いして申告した」なんて言われた場合、不正通行として対処できるのかどうか。さらに、申告内容をその場で担保しておかないと、「そんなこと言ってない」と反論されるケースなんかも考えられるわけで、ものすごく厄介な問題が内在していると言えるんじゃないでしょうか。 　ともあれ、不正通行対策に使うお金は道路特定財源からではなく、不正通行車の課徴金や罰金から拠出していただきたいものです。　さて、気を取り直して、プジョー308です（変な話とまとめて書いてごめん。＞吉田さん）。　何しろシャシ性能が抜群ですね。特にボディのサイドパネルがしっかりしており、下半身の剛性がものすごく高い。そこに「猫足」と称されるしなやかなサスペンションが装備されており、乗り心地が良いのにコーナーを切り取るようなシャープな旋回性能を持っています。　ただし45タイヤを履く上級グレード「シエロ」は、タイヤの硬さが目立ってしまい、ちょっとしなやかさに欠けます。シエロで選べる本革内装は、インパネまで上質な革張りで、雰囲気は英国高級車のようなだけに、あの乗り心地はちょっとミスマッチかも。サスチューンは共通だそうですから、シエロの革内装車に55タイヤでオーダーしても良いかもしれません。　エンジンは1.6lの直噴ターボのみで、1,000rpmから過給が始まり、ターボラグを感じさせない……との触れ込みですが、過給圧というのは回転数だけに依存するものではなく、排気圧（負荷）が高まらないと上がってこないわけでして、発進加速なんかでは、けっこうラバーバンドフィール（ゴムが伸び縮みするような応答遅れ）を感じました。　それ以上に気になったのは、ATのシフトスケジュールです。ギヤ段数が４速しかないのはともかく、普通に発進してもいちいち3,000rpmまで引っ張るし（ターボラグ隠し？）、70km/h以上出さないと４速には入らないため、市街地走行の実用燃費はかなり悪そうです。アクセルワークでシフトアップさせようとしてもしてくれませんから、ドライバビリティも良いとは言えません。　というわけで、現状、「買い」かどうかと言えば、上記を承知で買おうという人か、長距離専用車（高速長距離なら恐らく相当燃費は良い）として選ぶという人でなければ、おすすめいたしません。　ATのシフトスケジュールについては、恐らく早晩、改良されると思いますが、せっかく３モード（ノーマル、スポーツ、スノー）も持っているんですから（そのうえ手動変速まで付いてる）、ノーマルモードはもっと燃費重視で良かったんじゃないでしょうか。　そこさえ改良されればとても良いクルマなだけに、非常に残念に思いました。 

  May 22, 2008

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• ETCゲートの誤作動を初体験(--#

  みなさん、こんにちは(^^)/。　本日、プジョー３０８の試乗会に出かけてきたのですが、行きがけに表題の件、初めて体験させていただきました(--#。　場所は圏央道八王子西IC。信号から右折で入ると、80mぐらいですぐ料金所ゲートという構造です。右折で一時停止して、発進すると目の前に料金所が見えますから、スピードは当然、そんなに出ません。特に、今日、乗っていたのはジムニーでしたから、料金所の手前で出ていたスピードは30km/hぐらいでした。　で、ゲート前に書いてある「通過は20km/h以下で」の看板を横目で見ながら、エンジンブレーキで減速しつつゲートに進入。そのとき、「あれ、ゲートの反応って、こんなに遅かったかな？」と不審に思いました。「もしかして、開かない？」と思った瞬間、車載機が反応。「ピー。通行できます」と言ったので、そのまま進んだのに、まだ開きません。「えっ？」と思ったときは既に遅く、ブレーキペダルに踏み替えている間にゲートに衝突するだろうことが予測でき、急ブレーキをかけても無駄に思えたため、ハンドルでゲートの隙間ギリギリを狙って通過したところ、右のミラーを弾かれただけで済みました。　その後ですが、一瞬、呆然としてしまったため、停止するタイミングを逸し、車載機が「通行できます」と言ったこともあって「通信は正常に行われたのだろう」と判断して、そのまま行っちゃいました(^_^;。まあ、NGなら出口でわかるわけだし。　それにしても、旧道路公団の言う通り、ほぼ20km/hで通過していたはずなんですが、それでも止まれるもんじゃありませんね。だってこっちは、開くことを前提で進入しているんですから。しかも、出口や本線料金所のように、減速して入るケースなら、ブレーキペダルに足が乗っているからまだ可能性はありますが、今回のように入り口で、アクセルペダルに足が乗っていたら、10km/h以下じゃないと止まれないんじゃないでしょうか。　で、出口でどうなったかといいますと、やはりゲートは開きませんでした。が、今度は想定内だったし、ブレーキペダルに足を乗せて進入したので、余裕を持って止まることができ、すぐにハザードランプをつけました。　出てきた係員が「入り口情報が入っていませんね。どこから乗りました？」と言うので、「八王子西からですよ。車載機は正常に反応したんですけどねぇ」と申告すると、その通りに処理してくれました。（キセルの温床にならんのか(^_^;？）　で、まあ一件落着なんですけど、閉じたゲートの前で係員を待っている間に、ゲート棒を観察したのですが、まあ驚くほどボロボロでした。みんな相当、衝突しているみたいです(^_^;。　以前、取材したときに、「誤作動は１万回に３回ぐらい」ということでしたが、高速道路の料金所は全国に約１３００カ所あるわけで、入り口出口で２６００カ所、１料金所に複数のETCゲートがある場所もありますから、仮に２７００カ所とすると、各料金所を１台ずつ通過した際、０．８１カ所で誤作動が起きている計算になります。　というわけで、次はあなたの番かも知れません。ETCゲートはくれぐれも用心して通過して下さいね(^_^;。　あ、そうそう。出口ゲートを出されて待機しているとき、某製パン会社のトラックが、出たかと思ったらUターンしてまた入っていきました。時間的に、通勤割引の適用される100kmでいったん清算したものと思われます。　こういうのって、統計上は「通勤割引の利用者」としてカウントされるわけで、きっと国交省のお役人は、これをもって「通勤割引を実施したおかげで、利用者がこれだけ増えた。我々の政策は正しかった」って言うんだろうなぁ(^_^;。 

  May 15, 2008

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• 三菱i-MiEV、当初予定の100万円高か？

  みなさん、こんにちは(^^)/。　来年の夏にも発売が予定されている三菱の電気自動車、i-MiEVの記事が、毎日新聞の朝刊に載っておりました。開発は順調に進んでおり、発売日程に変更は無いようです。　が。　価格が「補助金前提（ベース車両との差額の半分を国が負担）で300～250万円を予定」ですと(^_^;。　昨年、安藤が取材した際には、「補助金なしで200～150万円」というお話しでしたが、それに較べるとだいぶ高くなっちゃうようですね。もっとも安藤は「頑張っても補助金なしで250万円ぐらいじゃないか」と予想していましたから、おおむね予想通りではありますが。　国際的に金属の相場が高騰していますから、やむを得ない側面もありますが、電気自動車とはいえ軽自動車のユーザー負担が300万円になってしまっては、普及は難しいんじゃないかと思います。ユーザー負担が200万円ぐらいで済むよう、いっそうの開発努力（と戦略的価格設定）をお願いしたいところです。 

  May 12, 2008

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• 続・バイクのユーザー車検と騒音規制

  みなさん、こんにちは(^^)/。　新車同様の中古車に新品のマフラーを付けても騒音規制が通らない件、その後はこういう結果になったそうです。　うーん。加速開始区間で素早く全開にすれば規制を通って、素早さが足りないと規制を通らないって、何なんでしょうか(^_^;。原因はともかく、リッターバイクで４速50km/hから素早く全開にするなんて、実走行で、あり得るんでしょうか？　測定結果を見ると、すべての大型バイクが20mの測定区間で一般道の速度制限の上限(60km/h)を越えちゃってるじゃないですか。　騒音測定って、速度違反前提で計測されているってこと(^_^;？　どうやら加速騒音測定は、二輪車の性能進歩に追いついていない不合理なものとなっているようで、測定方法を改正せずに数値だけ厳しくしても、ろくな結果にならないというのが実態のようです。 

  May 5, 2008

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• バイクのユーザー車検と騒音規制

  みなさん、こんにちは(^^)/。　５月１日にバイクのユーザー車検に行ってきました。バイクで受けるのは３回目、クルマも含めると、もう20回ぐらいになるでしょうか。最初の頃に較べると、陸運局の対応も、驚くほど良くなりましたね。かつては「素人が何しに来やがった」的対応を取られることもありましたが、今は接客業のようにていねいです（所沢の場合）。　クルマもそれほど難しくはありませんが、バイクのユーザー車検は至って簡単です。前後ブレーキの効きとヘッドランプの光量および光軸、灯火類とホーンの機能、'02年以降の製造モデルはアイドリングの排ガス検査をすればおしまいです。（そういえばスピードメーター検査は無かったなぁ） 　もちろん、改造されているバイクは、それが違法でないかどうかチェックされますが、基本的に、急制動が問題なくできて、灯火類に異常がなければ通ると思って良いでしょう。詳細はいろいろなサイトがすでにありますので、そちらにお任せするとして、新車時から定期的なエンジンオイル交換と２年ごとのブレーキフルード交換さえ怠っていなければ、まず問題ないと思います。　ただし、車検は通っても安全が保障されるわけではありませんので、自分のバイク（あるいはクルマ）の異変を敏感に察知でき、自分で修理できるか、すみやかに整備に出せる人以外は、ユーザー車検は受けないほうがいいでしょう。少なくとも、整備点検記録簿の点検ぐらいは自分でできたほうがいいですね（自分でできない項目のみ、ショップに依頼するのも賢い方法だと思いますが）。 　さて、僕のバイクはマフラーを換えているのですが、今回、初めて近接騒音の測定をされました。Zephyr750用のSP忠男スーパーコンバットは、サイレンサーがリッターバイク用並みの容量を持っているため、後ろを走った知人から「静かなマフラーだねぇ」と言われるくらい静かなので問題なく通るのですが、ちょっと興味がわいたので、帰ってから騒音規制に付いて調べてみました。　すると、こんなサイトを発見。いやはや、騒音規制って厳しいんですねぇ。ていうか、ノーマルの量産車でも通って無いじゃん(^_^;。いちおう「使用過程車」ということにはなっていますが、走行距離も短いし、新品のマフラーに換えても通らないということは、量産の新車状態でもほとんどが通っていないと見て間違いないでしょう。CB1300とかBMWGS1200のノーマル車なんて、味気ないほど静かなんですけど、あれでも加速騒音は通らないんですねぇ。　もちろん沿道住民にとっては静かであることに越したことは無いのでしょうが、問題ないくらい静かな量産車でさえ通らない規制値っていうのは、どんなものでしょう。それよりむしろ、リプレイスマフラー（および並行輸入車）の近接騒音規制値を90dBぐらいまで下げるとともに、126cc以上のすべてのバイクに２年おきぐらいで騒音測定を義務づけたほうが、実効があるんじゃないかと思いますよ。　何しろ今、一番うるさいバイクは、車検の無い250ccのスクーターと「ストリートカスタム」と称する改造バイクなんですから。 

  May 4, 2008

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• 自動車重量税返還訴訟、不発か？

  みなさん、こんにちは(^^)/。　前回、お知らせした自動車重量税暫定税率期限切れに伴う納付済み税金返還訴訟ですが、ガソリン税ともども暫定税率の根拠となっている租税特別措置法改正案（暫定税率延長案）の再可決がほぼ確実となってしまい、どうやら不発に終わりそうです。勝訴しないにせよ、提訴したことが話題になれば、道路特定財源のおかしさを訴える一助になると目論んでいたのですが、残念です。（バイクのユーザー車検の予約を５月１日に入れていたのに残念(^_^;）　道路特定財源の一般財源化は実現しそうですが、「10年59兆円」が変わらなければ、実態は「特定財源延長」になりますので、それをなんとかしないといけませんねぇ。さーて、どうしたものか。 

  Apr 29, 2008

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• 暫定税率期限切れで、重量税は還付されるか!?

  みなさん、こんにちは(^^)/。　ガソリン税に続いて、自動車重量税の暫定税率が４月30日で期限を迎えます。乗用車の重量税額（／５００kg／年）は、本則が２５００円であるのに対し、暫定では６３００円と、２．５倍も取られていますから、この差は大きいですね。　重量税の支払いは、新車購入時と車検時ですから、新車の購入を考えている人はもちろん、車検が５月まである人は、５月１日を待った方が良いでしょう。　さて、では、すでに納めてしまった重量税はどうなるのでしょう。理窟から言えば、５月１日以降の税額を本則税額として計算し、差額を還付するのが筋です。　が、結論から言えば、国交省も国税庁も、還付するつもりはまったくありません。国税庁の言い分では、「自動車重量税は納付時に完結してしまう性質のもので、月割り計算で付加されるのもではないから」ということです。　なるほど、自動車重量税法第７条を見ると、付加金額は車検の有効期間と車両重量のみに依存しており、「年額いくら」という規定のされ方はしていません。が、これって社会通念上、屁理屈にすぎないんじゃないでしょうか。　事実、廃車した場合には、自動車重量税は月割り計算で還付されます。が、これは２００５年に自動車リサイクル法が施行された際、法に則って廃車手続きが行われた場合に限り、規定された限定措置なのだそうです。税の還付と言うインセンティブを与え、リサイクルを促進したいという狙いからのものでしょう。　でもですね、リサイクル法制定時にそういう判断に至ったということは、法律の文言になかったとしても、暫定税率の期限切れに際しても、月割り計算にするのが「社会通念」なんじゃないでしょうか？　ちなみに国税通則法には、下記のような記述があります。第56条　国税局長、税務署長又は税関長は、還付金又は国税に係る過誤納金（以下「還付金等」という。）があるときは、遅滞なく、金銭で還付しなければならない。 　納付済みの自動車重量税は、暫定税率の期限切れにより、同法で規定する「過納金」になるのではないでしょうか。　法的に勝ち目があるかどうか、もう少し勉強してみますが、自動車ユーザーのみなさん、もしこのまま重量税の暫定税率が期限切れとなったら、重量税の還付を求めて裁判を起こしませんか？ （実際に提訴する段になったら、改めてこのブログでお知らせいたします）  

  Apr 17, 2008

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• 野田知佑・ハモニカライブ９のお知らせ

  みなさん、こんにちは(^^)/。　自動車ジャーナリストが、なぜカヌーイストのハモニカコンサートの告知なのか？　と言いますと、ここ数年、安藤が写真撮影を担当しているんですね。今回も、告知の写真は安藤撮影のものです。　というわけで、以下、開催概要です。▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽　　　野田知佑ハモニカライブ ９　　　　　　　　　　　　　　～ のんびりいこか、吉野川。 ～　　　　　　　　２００８,５,３１ in 上野▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽　　野田知佑、カヌーイスト、　　そしてスパイスの利いたナチュラリストの草分け。　　常に川面からこの国と人間を見てきた、オトコ。　　その河原のたき火の前で、野田が語るホントの川遊びとは。　　今では忘れ去られた愛情溢れるガキ大将の目とは。　　年を経てもなお、その「子ども」に磨きがかかる野田知佑の、　　ふるえるハモニカの音と言の葉を、耳にきざみに来ないか。　　上野の池の畔へ。　吉野川・東京の会では、徳島県吉野川の自然を守るための支援活動を行っています。　アウトドア作家であり、日本・世界の川を駆けめぐるカヌーイストでもある野田知佑さんの協力を得て、吉野川の美しさ、自然を守ることの大切さ、川で遊ぶことの楽しさを、一人でも多くの方にお伝えするために、野田知佑ハモニカライブを毎年開催しています。　作家の夢枕獏さんからは、作品のおもしろおかしい（ここだけの）裏話、mont-bel創業者である辰野勇さんからは、静かに響きわたる横笛の音が。　おやじたちの魅力、川の魅力に、たっぷりと浸ってください。　皆様のご参加をお待ちしております。☆　このイベントの収益は、吉野川の自然を守る活動に使われます　☆　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　　*　日　時：２００８年５月３１日（土）　　　（開場：13:30　開演：14:00～　終了18:30(予定)）　会　場：上野公園水上音楽堂　　　　　（雨天開催、開閉式屋根付き）　参加者：６００名（全自由席）　参加費：１,８００円　（割引 １,５００円）　　　　　　イベントチラシ、Webページをプリントしてご持参の方は割引！　　　　　　＜当日券のみ＞参加費は入場の際に入り口でお支払いください。●出演　野田知佑　アウトドア作家、カヌーイスト　　辰野　勇　冒険家・モンベル創業者　夢枕　獏　作家・釣り人●プログラム　13:30 開場　14:00 １限目 川の楽団演奏会　　　　　野田校長、辰野教頭のれんしゅう　　　　　ハルユキ他　16:00 ２限目 川の学校・野田校長の訓話　16:20 ３限目 夢枕獏先生の「夢のネタばなし」　17:20 ４限目 ハモニカライブ　　　　　　　野田校長のハモニカ、辰野教頭の横笛　18:10 ホームルーム チャリティ・オークション　18:30 課外授業 野田校長のサイン会●会場では、野田知佑ハモニカライブオリジナルＴシャツや、出演者の書籍などの販売。徳島名物のフィッシュカツやジャコ天、お飲物等を用意しています。　プログラムの最後には、恒例のオークションも実施。お楽しみに！●交通　　東京メトロ千代田線湯島駅・銀座線上野広小路駅 徒歩3分　　　　　JR御徒町駅・上野駅 徒歩6分　　　　　都営大江戸線上野御徒町駅 徒歩4分●主　催　吉野川・東京の会　　　　　　事務局：〒201-0002 東京都狛江市東野川1-1-7、102●イベントＨＰ　http://www.axera.co.jp/uenoda/●イベント問い合わせ　E-mail：masukawa_kunihiro@ybb.ne.jp（増川）　　　　　　　　　　　電話問合先：03-6427-0841（アクセラ：渡辺）

  Apr 10, 2008

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• 呆れた交通標語

  みなさん、こんにちは(^^)/。　道路特定財源の行方は未だに定まりませんねぇ。世論調査では６割以上が「再可決反対」だそうで、実情にそぐわなくなってから何年も放置したツケが何倍にもなって噴出した感じですね。　さて、表題の件。　先日、息子の入園式がありまして、某所へ行ってきたのですが、その帰りに呆れた交通標語を見つけました。それは、　クルマばかりをせめないで、自分で守れ交通安全　というものです。 看板のさび加減から見ると、おそらく20年ぐらい前に掲げられたものではないかと思いますが、こんな感覚で交通安全を考えているのでは、いつまでたっても交通事故はなくなりませんよ。　確かに、小児の急な飛び出しなどでは、ドライバーはどうすることもできないケースもあるでしょう。しかし、第一の注意義務は、いつ、いかなるときも「公的機関によって運転を許可された」ドライバーが負うべきです。歩行者や自転車も交通ルールを守るべきなのは当然とはいえ、 あたかもクルマを免罪するかのような標語を作って通学路に掲示してしまう感覚が理解できません。　交通安全の大原則は「弱者は強者に優先される」であることを、この標語を作り、掲示を許可した人は、もう一度かみしめる必要があるでしょう。 　 

  Apr 10, 2008

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• 道路特定財源・民主党は対案を出して妥協せよ！

  みなさん、こんにちは(^^)/。　昨日、福田康夫首相が突然の記者会見を行い、'09年度から道路特定財源の全額一般財源化を提案しましたね。ちょっと「遅きに失した」という感はありますが、方向としては間違っていないでしょう。何しろ国交省内では、娯楽費や介護保険料に使うなど、とっくに一般財源化していたのですから（※）。　対する民主党は、暫定税率の即時廃止および天下りの廃止とセットでなければ飲まない方針だそうですが、これは現実的ではないでしょう。せっかくここまで自民に譲歩させたのですから、民主はさらに対案として「'09年度から自動車関連諸税の抜本的見直し（と天下りの廃止）」を提出し、「これを飲むなら審議に応じる」とするのが、国民生活を考えたもっとも現実的な選択であるはずです。　４月１日に期限が切れ、30日後（参議院送致から６０日後）に再可決では混乱必至。ことを性急に進めるより、１年かけて周辺法案を整備し、ソフトランディングさせるのが、国民に支持される公党としての使命ですよ、小沢さん。 ※：国交省は「法律上、問題はない」としているそうですが、そういうのは「法律に問題がある」って言うんですよ。 

  Mar 28, 2008

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• 日銀総裁空席で、大変なことが起こる!?

  みなさん、こんにちは(^^)/。　よもやと思っていた日銀総裁の空席、現実になっちゃいましたね(^_^;。　これはきっと、大変なことが起こりますよ。　だって、　だって…… 　もしこのまま何も起こらなかったら、「日銀総裁は大して役に立っていなかった」  　ということがバレてしまうではないですかぁ～(=^^=)！  

  Mar 25, 2008

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• 暫定税率期限切れでもガソリン買い控えはやめて！

  みなさん、こんにちは(^^)/。　民主党は、何が何でも暫定税率と道路特定財源廃止の両方を勝ち取りたいようですね。期限切れとなり、60日後に予算案が衆議院で再可決されれば、ガソリン価格は元に戻り、自民党への風当たりが強くなる＝解散総選挙、再決議されなければ「民主党の手柄」となり、次の選挙を有利に戦えるという目算なんでしょうか。　現実的には、財源不足で福祉や教育に回せる予算が減っているわけですから、暫定税率存続を飲んでも一般財源化を勝ち取るというのが最善策という気もしますが、これだけ税金の無駄遣いが明るみに出てしまうと「一度、暫定税率を廃止して、予算配分を組み直させた方が良い」と考える人も多いんじゃないでしょうか。 　それはともかく、暫定税率の廃止によるガソリン価格低下を見越して、ガソリンの買い控えが始まっているようです。が、在庫の関係で、安くなるタイミングはガソリンスタンドによってまちまちでしょうから、最初に安くしたところにユーザーが殺到し、周辺道路の渋滞や事故、品切れによって本当に必要とする人が買えなくなるなどの問題が起こることが予想されています。　買い控えをしたとしても、５０リッター入れたって１２５０円にしかなりません。その程度のお金を節約するために、社会に迷惑をかける可能性がある買い控えはするべきではないでしょう。きっと個人のメリットを上回る程度の経済的損失が発生するはずです。　１２５０円は「アホな政権を選んでしまったための社会的コスト」と割り切り、買い控えは自重して下さるようお願いします。 

  Mar 25, 2008

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• 道路特定財源で空転する国会の打開策

  みなさん、今日は(^^)/　アウディA４の試乗会で沖縄に行っておりました。先週の宮崎（クラウン）に続いて２週連続の南国でしたが、行ってもクルマに乗ってるだけなんですけどね(^_^;。　さて表題の件、国会空転で日銀総裁の後継者が決まらず、空席になるという前代未聞の事態が現実味を帯びてきました。さすがに自民党もそれだけは避けなければなりませんから、道路特定財源に関して「民主が飲める案を出すべきではないか」との声が出始めているそうです。　それじゃどんな案が考えられるかと言えば、まぁ下記２つのいずれかでなければ民主党も納得しないでしょう。１．暫定税率廃止を飲む代わりに、道路特定財源は維持させろ２．一般財源化を飲む代わりに、暫定税率の１０年延長を認めろ　１の場合、道路特定財源は残るものの、額は半減しますから、カラオケセットやらマッサージチェアを買っている場合じゃなくなり、本当に必要な道路に優先順位を付けながらやることになるでしょう。２の場合、道路財源を確保するために、説得力のある理由付けが必要になり、需要の水増し予測はできなくなりますし、税収自体は維持されますから、福祉や教育に回せるお金が増える可能性があります。　いずれにしても「１０年以内に自動車関係諸税の抜本的改革を行う」という条件をつける必要はあるでしょうけれど、あなたなら、どっち？ 

  Mar 7, 2008

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• 「バイオ燃料はエコではなかった」という当たり前の話(2)

  （前回からのつづき）　現在、世界で唯一ポリ乳酸を大量生産しているのは、米国のカーギル・ダウ・ポリマーズ社（ＣＤＰ）で、'01年11月から、年間14万ｔの生産体制に入っている。同社は世界で唯一、安価で大量にポリ乳酸を製造することが可能であり、日本の大手化成会社のほとんどが、同社からポリ乳酸原料を購入する契約している。　では、なぜＣＤＰ社だけが、ポリ乳酸を安価で大量に製造できるのだろうか？　謎を解くカギは、その会社名にある。　カーギルといえば、世界最大の穀物商社。ダウというのはアメリカの大手化成会社「ダウ・ケミカルズ」であり、ＣＤＰ社は、カーギルとダウの合弁会社である。つまり、世界の穀物市場を思いのままにできる穀物メジャーが背後に存在するのである。　同社では主にトウモロコシを原料としているが、余剰生産のトウモロコシだけでなく、食用にも飼料用にもならないクズのようなトウモロコシをタダ同然で買い付け、低コストで大量にポリ乳酸を製造しているのである。　しかし、そんな一社独占状態に待ったをかける動きが、日本から始まっている。トヨタ自動車が、'01年４月にトヨタ・バイオ・インドネシアを発足させたたのである。同社の目的はポリ乳酸の製造で、'03年９月から年産５万ｔ体制で稼働を開始する予定だ。　が、インドネシアに工場を建てただけでは、世界最大の穀物メジャーに対抗できるわけはなく、この勝負、戦う前からトヨタの負けか？　と思ったら、実はトヨタは、カーギルにさえ対抗可能な秘策を考えていた。なんと、原料となるサツマイモの苗まで、自社生産してしまおうというのだ。しかもそのサツマイモ自体も、九州農業試験場と共同で品種改良を行い、従来品より３割もでんぷん含有量の多い品種を作り出している。　さらに、幼苗期にウイルスに感染しやすいサツマイモの苗を、滅菌した自社の苗工場で生産し、それを地元農家に委託栽培してもらうことによって、最大５割り増しの収穫を見込んでいるというのだ。　そして10年以内に自社製品のプラスチック部品の３割をポリ乳酸に置き換え、さらに'20年には年産2000万ｔ体制を築き、同業者はもちろん異業種にも販売して、ポリ乳酸だけで売り上げ２兆円を達成しようと目論んでいるという。いやはや、トヨタ恐るべし、である。　ＣＤＰとトヨタが生産競争を繰り広げれば、そう遠くない将来、ポリ乳酸のコストは石油由来のプラスチック並に低下することも不可能ではないだろうし、原材料の自社生産化によって、供給量の問題も解決できそうである。ならばポリ乳酸の将来はバラ色で、廃棄物問題も石油枯渇の問題も解決に向かう……と手放しで喜ぶ前に、懸念される点をいくつか指摘しておきたい。　まず、「生分解する」と言っても、実は完全に分解してなくなるまでには、イメージ以上の歳月がかかるということ。特に強度の高いポリ乳酸は分解しにくく、数ミリ厚の素材を単に土中に埋めただけでは、５年経っても「何かの残がい」と明らかに解る程度にしか分解されない。素材によって活性を示す微生物も異なり、埋めた場所にその微生物がいるかどうかはわからないという問題もある。　すなわち早期に分解させるためには、破砕処理してコンポストなどの発酵促進器に入れ、その素材に高い活性を示す微生物を投入してやる必要があり、ただやみくもに埋めただけでは、現状の廃棄物問題が「多少はマシ」という程度にしかならないことも考えられるのである。　倫理観にかかわる問題もある。「生分解」というイメージが独り歩きしてしまうと、不法投棄が増える可能性も否定できない。例えばもし、飲料用ボトルに採用されたら、ポイ捨ては間違いなく増えるだろう。　原材料が農産物であるというところにも、いくつかの問題点が内在している。　特にトウモロコシの場合、世界で生産されている約80％が、遺伝子組み換え農産物である。トウモロコシ由来のポリ乳酸を使うということは、おのずと遺伝子組み換え農産物に頼らざるを得ないということなのだ。　トウモロコシの遺伝子を組み換える目的のひとつは、除草剤耐性を強化することである。除草剤を撒いても枯れにくくすることによって収量を上げることが目的だが、現実にはそうはなっていないらしい。除草剤に強いから、農家は安易に除草剤を撒くのである。　トウモロコシではなく大豆の例だが、遺伝子組み換え大豆の畑は除草剤使用量が数倍になり、収穫量は10％前後減少しているという報告が、アメリカの複数の大学から行われている。除草剤が多く撒かれれば、近くを流れる川が汚染されたり、それを通じて周囲の生態系にも影響を与えるようになる。　また、農地の無秩序な拡大も懸念される。　例えば東南アジアでは、日本向けのクルマエビ（ブラックタイがー）の養殖場を作るために、沿岸部のマングローブ林が伐採され、魚の産卵場所が奪われるなど生態系の破壊が起きて問題になったことがある（現在もなっているところはあるだろう）。あるいは、大手ハンバーガーチェーンのミートパティを作るために、アマゾンの森林が伐採されて牧場にされているという現実もある。　もし、ポリ乳酸の市場争奪戦が激しさを増したら、それらと同じことが起きる可能性は、決してゼロではないのである。　さらに、農家がその取引先を１社のみに依存するようになると、いくら買いたたかれても文句が言えなくなってしまう。実際に、大手ハンバーガーチェーンとフライドポテト用のジャガイモ供給で契約した農家の中には、その買い取り価格の低さに泣いているところもあるという。いわば合法的な植民地構造ができてしまうわけだ。　農産物である以上、生産量が天候に左右されるというのも、懸念材料のひとつだ。世界的な天候不順で農産物の生産が落ちたことは、過去にも何度かある。そのようなときにポリ乳酸の供給が止まらないように、少なくとも１年分の製品か材料をストックしておく必要が出てくるだろう。　あるいは、政治的な力関係の変化も考えられる。現在の産油国と同じ立場に、農業国が座る可能性が出てくるのである。となればアメリカとフランスの対立は、一層深まることにもなりかねないのだ。　ＢＭＷ社の構造強度・材料開発部ディレクターであるルドルフ＝シュタウバー博士は、「ポリ乳酸は今のところ、ＢＭＷ社の自動車用素材としては将来的にも選択肢には入れていない」という。素材として満足できるものが開発されていないということが第１の要因ではあると思うが、これらの問題も視野に入れてのことではないかと考えられる。　ポリ乳酸に代表される生分解性プラスチックは現在発展途上であり、高い可能性を持っていることは間違いない。今後の開発に期待したい技術だということに異論を挟むつもりもない。　しかし、「プラスチック」という単一の物質の問題としてではなく、二次的問題発生の可能性を常に考え、巨視的で広範囲な観点から開発を進めていかないと、ほとんど効果がないか、新たな問題を引き起こしてしまう可能性があるのも事実なのだ。この技術に携わる人たちには、技術者にありがちな視野狭窄に陥ることなく、ときには一歩下がって俯瞰的に捉え、検証を加えながら開発を進めて欲しいと思うのである。（おわり）

  Feb 18, 2008

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• 「バイオ燃料はエコではなかった」という当たり前の話(1)

  みなさん、こんにちは(^^)/。　先ごろ、アメリカのScienceという雑誌に、バイオ燃料に関するプリンストン大学と自然保護団体「ネイチャー　コンサーバンシー」の研究論文が発表されました。それによると、化石燃料と比較した場合のバイオ燃料のCO2排出量は、前者の研究では２倍、後者のそれは17から420倍になるとのことです。　またぞろ「バイオ燃料はエコではなかった」という論調が幅を利かせそうですが、この研究はどうやら、現在の化石燃料をすべてバイオ燃料に置き換えた場合を想定したものらしく、量を賄うために新たな耕地を開墾することを想定しているようです。そうすれば環境負荷が高まるのは、あったりまえのことですね。　このニュースを読んで、昔書いた原稿を思いだしました。燃料の話ではありませんが、問題の構造は同じなので、ご紹介しておきましょう。初出は「Car In & Out（芸文社・休刊）」'03年10月号です。（１万文字を越えますので、２回に分けます）・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「人口増加や環境悪化、資源の消費などが現在のまま続けば、１００年以内に地球上の成長は限界に達する」　世界の科学者や経済学者によって組織される民間団体”ローマクラブ”から『成長の限界』と題されたレポートが発表されたのは、１９７２年のことだった。彼らの指摘から30年が過ぎた現在、それが日に日に現実味を帯びてきていることは、何びとたりとも否定できない事実である。　地球温暖化やオゾン層の破壊など、地球規模での焦眉の問題がある一方で、地域規模の問題の筆頭といえば、廃棄物である。　石油化学工業の発展によって、化学繊維や合成樹脂が大量に使用されるようになって以来、自然環境中では長期間分解されず、焼却処分にも適さないものが激増した。廃棄物問題を解決する大きなポイントは、これらの石油化学製品をどう処理していくかにかかっていると言っても過言ではないだろう。　アプローチの仕方は２種類ある。ひとつはリサイクルで、もうひとつは、生分解性プラスチックの開発である。前者については今さら説明するまでもないだろう。　後者の生分解性プラスチックとは、微生物などの生命体によって二酸化炭素や水といった分子レベルまで分解が可能で、しかもその分解速度が生命体のスケールに収まる合成樹脂を指す。微生物によって分解できるということは、埋設処理をしても数年のうちには無くなってしまうから、埋め立て処分場を際限なく作る必要がなくなるわけだ。　しかもその原料を石油に依存せず、植物由来のものにすることができれば、循環可能なサイクルができあがる。排棄することによって生分解性プラスチックは二酸化炭素と水に分解され、原料となる植物がそれらを取り込んで光合成をし、成長することによって再び生分解性プラスチックの材料となる。この循環が繰り返されるかぎり、資源の枯渇も廃棄物問題も発生しなくなるのである。　そこで現在、植物を原料とした生分解性プラスチックの開発が盛んに行われており、一部はすでに実用化されている。　現在、開発が進められている生分解性プラスチックは、微生物系、天然高分子系、化学合成系の三つに大別される。　微生物系は、体内でポリエステルの一種を生成するという特徴を持つ細菌を利用するもの。ポリエステルは炭素と酸素と水素からできているため、分解すれば生命体のエネルギーとして利用できる。すなわち、われわれがエネルギー源として体内に脂肪を蓄えているのと同様に、ある種の細菌は、生命維持のためのエネルギー源としてポリエステルを体内に蓄えるのである。　生産方法は比較的単純で、余剰穀物などをエサにポリエステル生成菌を培養し、一定量に増えたところで精製し、ポリエステルを取り出す。システムとしては高分子化学というより、畜産や養鶏に似ているといえるだろう。　言ってみれば、木綿や羊毛などの純天然素材と同様のもので、しかももともとが、微生物がエネルギー源として分解しやすい分子構造を持つため、木綿や羊毛などの天然素材よりも速く分解されるという特徴を持つ。もちろん、生分解性プラスチックの中でも最速である。　微生物系のポリエステルはバイオポリエステルと呼ばれ、英国のケミカル会社ICI（現在のゼネカ社）が、世界初の生分解性プラスチックとして、'82年に「バイオポール」という名前で商品化に成功。その後、数社から商品化され、現在はシャンプーやリンスのボトル、使い捨てカミソリの柄などに利用されている。　天然高分子系は、植物から採取したでんぷんやセルロース、甲殻類などから採取したキトサンやタンパク質を利用したもの。でんぷんやたんぱく質、キトサンなどは、天然の高分子材料なのである。　でんぷんといえば片栗粉で、水で溶いて加熱すれば中華あんかけにトロみがつき、さらに加熱すればパリパリに固まるから、なんとなくプラスチックの代わりになりそうなイメージが持てる。が、現実はそれほど単純ではなく、材料となる天然高分子の組成を変えたり、他の生分解性材料と混ぜ合わせたりするなど、高分子材料工学の技術を使って、石油系のプラスチック同と等の機能性を与えているのである。　現在、最も期待されているのが、化学合成系の生分解性プラスチック。とりわけポリ乳酸（ＰＬＡ=Poly Lactic Accid）には期待が集まっており、トヨタ・ラウムのフロアマットとスペアタイヤカバーとして、すでに製品化されているほか、パソコンメーカーや家電メーカーも、近い将来、採用することを発表している。　最初のポリ乳酸製品は手術用の縫合糸で、体内でも分解されることから、内蔵の縫合に使っても抜糸が不要な糸として製品化された。さらに、”溶ける釣り糸”などの製品にも展開されている。最近では、封筒の透明窓にもポリ乳酸のフィルムが使われるケースも出てきている。　製造方法は、植物原料を発酵させることによって乳酸を生成させ、さらに高分子材料工学の技術（重合）を使ってポリ乳酸を得る。主要な原材料はでんぷんだが、乳酸発酵するものなら何でも材料になりうる。でんぷんを多く含む穀物や根菜類はもちろん、雑草や間伐材、生ゴミなども原材料として利用可能だ。　ポリ乳酸は名前から受けるイメージとは異なり、エンジニアリングプラスチックとして知られるポリカーボネート並の剛性を持つ。透明度もトップクラスである。　一方で、純粋なポリ乳酸は耐熱性が低く、58℃で熱変形を開始するほか、金型での成形が難しいなどの問題点もある。そのため、ケナフや竹の繊維を補強材としてＦＲＰ（繊維強化プラスチック）化したり、ケイ酸塩などを混合して耐熱性を向上させるなどの技術が開発されている。　耐熱性の問題を克服しつつあるポリ乳酸は、自動車用のプラスチック素材としても非常に有望視されている。将来は石油由来のプラスチックに取って代わることが期待されているが、そうなるために克服すべき課題は２つある。ひとつは、既存のプラスチックの３～５倍とコスト高であること。もうひとつは、必要な量が安定的に確保できるかどうかということだ。（つづく）

  Feb 18, 2008

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• ガソリン税の暫定税率維持のまやかし

  みなさん、こんにちは(^^)/。　いやはや、今度はミュージカルに５億３千万ですか(^_^;。いよいよ暫定税率も道路特定財源も説得力を失ってきましたね。 ここはひとつ、安藤も政府与党の主張のデタラメぶりの一端を指摘しておきましょう。　政府与党は「地方にはまだ道路が必要」「地方ほど自家用車の依存度が高い」「道路特定財源を高速道路料金の値下げに振り向ける」などと言っていますが、これらはまったく、つじつまがあっていません。　まず「地方にはまだ道路が必要」ですが、道路特定財源でなければ道路を造ってはいけないなんてことはありません。それは「国防特定財源」が無くても自衛隊が維持できることを考えれば、簡単にわかるはずです。　また、「地方ほど自家用車への依存度が高い」ならば、燃料費を下げた方が、むしろ喜ばれるはずです。一方で、高速道路を値下げしてもらったところで、日常の足としてクルマに依存している地方の人には、ほとんど無関係ではないかと思います。　さらに「受益者負担」を言うなら、高速道路利用の少ない地方の人から徴収したガソリン税を、高速道路料金の割引に利用するべきでは無いはずです。そもそもすでに、ETC利用者にはさまざまな割引が実施されていますが、地方在住で日常の足としてクルマを使っている人のほとんどは、そんなもの装着していないでしょう。 　暫定税率を廃止して燃料代を下げれば、税収は減ります。ならば、高速道路料金を値上げして、高速道路建設費用に充当すればよろしい。高速道路を利用して商売している物流業界には負担になりますが、運送業の支出に占める割合で最も多いのは燃料費ですから、値上げ幅を暫定税率廃止による燃料代値下げで相殺できる程度に納めれば、業界の負担も変わらなくなるはずです。そうすれば「受益者負担」という観点からも、高速道路建設代金を高速道路利用者が負担するというように、より明確になるはずです。　仮に、運送業者の負担が増えたとしても、競合する業者間に平等な増加ですし、経営が厳しくなるなら価格に転嫁すればよろしい。それで物価が上がったとしても、それは「高速道路を使った物流を利用した商品を購入する者の受益者の負担」となるわけです。　逆に、高速道路を使わずに運ばれている地場もの野菜は、燃料代が下がった分、安くなるはずで、地産地消の促進にも効果があるはずです。　安藤の基本的な主張が「自動車関連諸税は項目も金額も抜本的見直し＋一般財源化」にあることは変わりませんが、短期的にそれができないのなら、「ガソリンも軽油も暫定税率廃止。代わりに高速料金値上げ」を行うべきだと思います。　ぼくは職業柄、高速道路利用が多いので、高速料金の値上げは正直言って痛いです。でもね、理窟から言ったら、そうじゃなきゃおかしいんですよ。でなければ「高速道路完全無料化＋暫定税率・特定財源廃止＋消費税の値上げ＝道路建設費用の一般財源からの支出」とするのが次善の策なんじゃないかと思いますよ。

  Feb 15, 2008

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• 国交省の交通需要予測のずさんさ、ようやく国会で明るみに

  みなさん、こんにちは(^^)/。　ようやく始まった衆議院予算委員会で、今後10年間で59兆円を投入する”道路整備の中期計画”の根拠となっている国交省の交通需要予測について、民主党の馬淵澄夫議員が追求しました。国交省は「交通量は２０２０年まで増え続ける」としているのに対し、実績では’０３年を境に減少に転じており、’０６年にかけて減少傾向が続いています。　１３日にはこれをもとに、笠浩史議員（民主党）が根拠を追求したところ、冬柴国土交通大臣（公明党）は「女性や高齢者の運転が増える」「軽乗用車の保有台数が増えている」などの理由を述べたそうです。　実はこれ、安藤がすでに２年前にこのブログで指摘したことでして、それがようやく国会論戦の場に上がってきたことに、苦笑いを禁じ得なかったりするわけですが(^_^;。　詳しくはそのときに書き込みに譲りますが、女性や高齢者の運転が増えたからと言って、高速道路の需要が高まるとは思えませんし、高速道路を積極的に利用したいなら、軽より登録車を選ぶのが適した選択と言えるはずで、計画のほとんどが高速道路建設で占められている”道路整備の中期計画”を補完する理由にはなり得ないでしょう。 　それに、交通需要予測には原油価格の推移なんかも視野に入れるべきであって、その点も国交省の推計からは抜け落ちており、「最初に結論ありき」の感がありありです。　 こんな牽強付会な理由で作られた道路は、もはや”姑息道路”と呼ぶほかは無いでしょう。 

  Feb 14, 2008

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• 「飲酒運転できないクルマ」の画期的なアイデア

  みなさん、こんにちは(^^)/。　柿沢都議（柿沢弘治衆議院議員の長男）が飲酒運転をして首都高速で自損事故を起こしたそうで、なんともはやであります。飲酒運転は初めてじゃないんでしょうね。辞職願いを出したそうですが、まあ当然と言えるでしょう。 　さて、先日、新型クラウンの取材のため、トヨタの東富士研究所に行ってきました。新型クラウンにはさまざまな運転支援デバイスが付いており、昼食時の雑談の中で、「究極は自動運転になるのか」とか、飲酒運転防止装置についての話などが出ました。　後者については「電気的にアルコールを検知する装置では、だます方法はいくらでもある」「全車義務づけでは、一般の人の負担が多すぎる」などの点で意見の一致を見たのですが、話をしているうちに、画期的なアイデアを思いつきました。両者を融合させれば良いのです。　すなわち、「検知装置に息を吹き込み、アルコールが検知されると自動運転装置が起動する」というものです。自動運転は、経路を限定すれば技術的には既に可能ですし、自動運転なら暴走事故の可能性は（システムがフェイルしない限り）ありません。飲酒したいドライバーにもインセンティブになりますから、「飲酒運転防止装置の付いたクルマに、どうやって常習者を乗せるのだ」という問題も解決できます。　というのは半ば冗談で、自動運転は技術的には可能ですが、実際の道路交通の中で安全に運行できるかどうかは未知数ですし、「自動運転なら免許は不要では？」など法規的な問題もありますし、何よりコストがベラボーに高いですから、今すぐ実現するようなものではありません。　が、飲酒運転の防止をハードウェアでどうにかしようと思ったら、こうした逆転の発想が必要になるのではないか、というのは間違いないと思いますよ（また「不謹慎だ」とか怒られるのかなぁ(^_^;）。 

  Feb 12, 2008

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• 燃費向上（を謳う）グッズ16品目に排除勧告

  みなさん、こんにちは(^^)/。　すごい雪ですねぇ。我が家のまわりは、すでに積雪10cmぐらいありますよ。明日の朝は凍結しそうですから、運転にはくれぐれも注意して下さいね。特にみんながブレーキをかける交差点の手前は、タイヤで磨かれて極端に滑りやすくなっていることが多いですから、十分手前から減速するように心がけて下さい。　さて、表題の件、盛んに報道されているので、ご存知だと思いますが、クルマの「燃費向上」を謳ったグッズ16品目に対して、公正取引委員会が排除勧告を出しました。対象となったメーカーは、えらいことになっていると思いますが、これらの商品を褒めちゃった雑誌やライターさんも、戦々恐々としているんじゃないでしょうか(^_^;。 　安藤はといいますと、この手の商品の紹介は、商業誌には一度も書いたことがありません。駆け出しで仕事が無かったころに、何度か持ちかけられたことがありましたが、すべてお断りしていたせいか、いつのまにか依頼すら来なくなりました。 　断った理由は、別にそれらの商品が「いかがわしかった」からというわけではありません。まがりなりにもメーカーで設計の仕事をしていましたから、「効果が判断できるデータを取るには、完全に同じ条件が再現できる設備上で比較するか、実走行試験なら最低でも１０００km以上、走らなければわからない」と考えていたからです。　それとですね、雑誌で取り上げる場合、広告出稿とバーターに近いものがありまして（バーターそのものであることも）、本当のことが書けないというケースも少なくないんです（とか書いちゃうと、また雑誌の仕事が減るかもなぁ(^_^;）。 　このブログでは過去に、バッテリー延命機「のび～太」とイリジウムプラグ、それにエンジンオイルのモービル１を紹介しましたが、いずれもそれなりに公正なコンディションで比較し、効果と見て良さそうな範囲と限界を紹介するようにしています。 　それはともかく、今回の商品の中には、いわゆる「アーシング」が含まれていないのは意外な感がありました。実は安藤は、専攻が機械要素設計で、電気は専門外であるせいか（言い訳ですね）、こいつの理窟がイマイチ良く理解できていないんです。 　だって「プラグにスパークした電流を効率よくバッテリーに戻す」といったって、電子はマイナスからプラスへ流れるわけだし、スパークプラグに火花を飛ばす数万ボルトレベルになると、わずかな電気抵抗の違いなんか、無視できるレベルになるはずですから（雷級の電圧になると、電気抵抗よりも帯電しやすい形状を選んで放電することからもわかります）。点火コイルのマイナス端子に直結するなら、多少の効果はあるかも知れませんが、シリンダーブロックとバッテリーのマイナスをつないだところで、体感できるような差があるのかどうか。　とはいえ、ちまたであまりに流行っており、職業上「まったくわからん」というわけにも行きませんので、自分のバイクとクルマに施してみました（４年前ぐらいのことでしょうか）。もちろん市販品などではなく自作です。無酸素導線なんて１mあたり数百円ですし、端子も１個数円の世界ですから、３～４カ所作っても千円程度でできちゃいますから（電気は専門外と言いながら、電気工作は好きなんですよね。LEDのストップランプやウインカー程度なら自作しましたし）。　我が家では、エクストレイル（T30）とジムニー（JA22）とゼファー750（C8）を使っているのですが、下記の通り施工してみました。エクストレイル：シリンダーブロック２カ所とオルターネーターのマイナス端子と、ヘッドランプまわりのアースがボディへ落ちているところ。ジムニー：インテークマにホールド２カ所とヘッドランプまわりのアースがボディへ落ちているところ。ゼファー：セルモーターの近くとオルターネーターの近く、シリンダーヘッド２カ所と、ハーネスのヘッドランプ系回路のマイナスアースが落ちているところ。　いずれもエンジンまわりだけでなく、充電系かヘッドランプ系にも施しているあたりに、エンジン性能に関する効能への疑いが現れていますね(^_^;。ともあれ、いずれもシリンダーブロックとバッテリー間の抵抗値は半減していることを、マルチテスターで確認いたしました。　で、効果ですが、ありましたとも、バッチリ。特にジムニーとゼファーは、ヘッドランプが明るくなりました。エンジン性能ですか？　そんなもん、体感できるほど変わるわけないじゃないですか……というのは「逆プラシーボ効果」でしょうか(^_^;。　まあ、それはともかく、今回の一件で気になるのは、「科学的根拠の無い物に、効果などあるわけが無い」という声が 多いことです。あくまで一般論で、今回の品々を擁護する意図ではないことはお断りしておきますが。　科学とは、そもそも「はじめに現象ありき」であって、それがなぜ起きるのかについての仮説を立て、検証して理論付けすることによって発展してきたものです。だから「（現在の）科学では説明できない」ということをもって「非科学的だ」と決めつける態度こそ、もっとも科学的ではないということになるはずです。（コペルニクスの地動説だって、当時はたいへんに「非科学的」だったはずです）　だから今回の16品目だって、理論的に説明できなかったとしても、疑念を差し挟む余地が無いような比較実験で一定以上の確率（まあ75％ってとこでしょうか）で再現性があれば、公取委だって排除勧告を取り消さざるを得ないはずです。　え？　「そんなもの、あるわけないだろ！」って？ 　まあ、そう言わずに(^_^;。 

  Feb 9, 2008

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• 道路特定財源の暫定税率は本当に高いのか？

  みなさん、こんにちは(^^)/。 　期限切れを３月に控え、いちだんと議論がかまびすしくなってきた道路特定財源の暫定税率廃止議論ですが、暫定税率って、本当に高いのでしょうか？　もちろん「暫定」という約束で始めたんですから、役割を終えたら止めるのが当然です。が、ここでは少し視点を変えて見てみたいと思います。　暫定税率の中でも、割り増し度合いが最も大きいのが自動車重量税で、本来ならば車重０．５トンあたり２，５００円のところ、６，３００円と２．５２倍も税金がかかっています。　次に多いのが揮発油税で、本則税率が２４．３円であるところ、４８．６円と２倍の税金がかかっています。　こうして見ると、「なんて高いんだ」と思われるかも知れません。が、税「率」と言いながら、実際には百分率ではなく、税「額」であることに注意していただきたいと思います。これが「額」ではなく「率」だったら、現在はいくらになるのか、大卒初任給をベースに計算してみましょう。　自動車重量税が導入されたのは、１９７１年のことです。この年の大卒初任給は、約４３，０００円でした。現在の大卒初任給を２０万５，０００円として計算しますと、自動車重量税は０．５トンあたり１万１９１９円でもおかしくないことになります。　同様に揮発油税で計算してみましょう。揮発油税の本則税率が２４．３円となったのは１９５２年。大卒初任給は約１万３，８００円でしたから、現在の水準に直せば揮発油税はリッターあたり３６１円でもおかしくないことになります。　所得税や消費税など、ほとんどの税金が百分率で課税され、所得（または物価水準）の増加に比例して増えて行っているのに比べれば、実は自動車関連諸税の暫定税率は、安く抑えられていると言えるのではないでしょうか？　もちろん、これを根拠「暫定税率は延長すべきだ」というつもりはありません。あくまで計算上の遊びであり、社会背景などを考慮した物ではありませんから。では、何が言いたいのかと言えば、いかに現在の議論が、実態に合わない空虚な物であるか、ということです。　ついでに言っておくと、揮発油税はそもそも「一般財源」としてスタートしたものです。「そもそも論」で「暫定税率は本則税率に戻せ」というのなら「揮発油税は一般財源に戻せ」と主張しなければ、つじつまが合いません。が、不思議なことに、「クルマの税金は高すぎる」と主張する人の多くは、道路特定財源の一般財源化に反対なんですよね。 「受益者負担」を主張されるかたが多いようですが、ならばクルマを使用することによって発生する負の要素、交通取り締まりから救急救命、大気汚染や温暖化対策などにかかる費用も、受益者が負担する必要があるはずです。そこをうまく調整するために財務省があり、予算折衝が行われるわけですから、この一事を持っても、すべての財源は一般財源に組み入れ、優先度の高さに応じて再配分したほうが合理的であることがわかるはずです。　だいいち、自動車交通の「受益者」は「自動車所有者」に限りません。クルマを持たない人だって、物流の恩恵にはあずかっているわけです。そうしたことまできちんと加味して、自動車関連諸税の項目および金額の適正化や、それ以外の税（または通行料金）などを改めて行く必要があるはずで、「暫定か、本則か」「特定か、一般か」という議論に矮小化されて終わってしまったら、国民にとってすごく不幸なことになると思います。　いずれにしても、政府与党も野党も自動車ユーザー団体も、自分周辺の狭い範囲の権益ばかりを考えて議論しているのには辟易します。国家財政全体のことを考え、１００年後の国民の幸福を考えて政策立案してくれる為政者や官僚の出現を期待するのは、無理なんでしょうかねぇ。 

  Feb 8, 2008

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• ガソリン高騰時代を乗りきる切り札は、実はハイオクガソリンだった!?・第２幕

  みなさん、こんにちは(^^)/。 　原油高もようやく一段落したようで、ガソリンもちょっとだけ値下がりしたかと思ったら、２月に入ってまた少し上がるようですね。需給バランスで価格が上がるのは仕方ないとしても、投機目的で値段を吊り上げるのだけは勘弁してもらいたいものです（昨年末の１バレル１００ドルはそうだったらしい）。　さて、表題の件。　ちょうど１年前に、同じタイトルの話を書きました。そのときの話の詳細はそちらを見てもらうとして、概要は「ノックセンサーでノッキング限界ギリギリを探りながら走っている最新のガソリンエンジンなら、レギュラー仕様でもハイオクを入れれば燃費が良くなるのではないか？」という話でした。結論は「クルマによっては２％ぐらいは良くなる可能性はあるが、価格差（６％強）を埋めるには至らない」というものでした。　そこで「それじゃあ最初からハイオク仕様で設計したエンジンなら、同じエンジンをレギュラー仕様で設計したものより燃費は良くなるはずで、それは価格差を埋めるぐらいの差はあるのではないか」という疑問が湧いて当然で、雑誌（主に三栄書房「○○のすべて」シリーズ）の取材があるたびに、エンジン担当者にその疑問をぶつけていました。　異口同音に返ってくるのは「トルクやパワーは上がるかもしれないが、そこまでの燃費向上は望めない」ということでした。が、確かに燃料消費率曲線(g/kWh)で考えれば、そういう結論になるかもしれませんが、トルクアップした分、ギヤレシオやシフトスケジュールを最適化してやれば、車両としての燃費は価格差を跳ね返すぐらい向上させることができるはずです。　それを裏付ける事実はちゃんとあり、昨年11月、日本自動車工業会は石油連盟に対し、強化の続く燃費基準を達成するために、レギュラーガソリンのオクタン価を現在の90から95へと向上させてくれるよう申し入れを行っているんですね。　根拠となっているのは、ＪＣＡＰ(Japan Cleen Air Program・燃費と排ガスの将来を見据えた自工会と石油連盟の共同研究組織）による研究結果で、レギュラーガソリンのオクタン価を95に上げることにより、モード燃費が３～４％改善されるとしているんです。　ならば圧縮比や点火マップ、シフトスケジュールなどを最初から１００オクタン専用に設計にすれば、６～８％の燃費向上は見込めるはずで、現在６％強ある燃料価格差には十分に見合う効果は期待していいはずです。仮に収支がトントンでも、ユーザーの負担は変わることなく、航続距離が伸びてＣО2が減らせるんですから、デメリットは何もありません。　さて、既述の通り、日本自動車工業会は石油連盟に対し、レギュラーガソリンのオクタン価を現在の90から95へと向上させてくれるよう申し入れを行いましたが。これを石油業界が飲むはずはありません。なぜなら、欧州のレギュラーガソリン（95オクタン）を前提に設計されているがために日本ではハイオク指定となっている輸入車がレギュラーに移行してしまい、売り上げが減るのは目に見えているからです。　ならば自動車メーカーがとるべき手段は、日本向けのガソリンエンジンをすべて１００オクタン前提で設計し、90オクタンを入れた場合のモード燃費を併記して、どちらのガソリンを入れるかはユーザーに委ねるということです。そうすれば、自動車メーカーは燃費基準の達成が容易となり、石油業界にとって利益率の高いハイオクがたくさん売れ、ユーザーは金銭負担を増やすことなく航続距離が延ばせ、CO2排出量まで減ることになり、みんなが得をするはずです。　ぜひどこかのメーカーで本気で取り組んでいただきたいですし、石油会社は「CO2排出量を減らしたい。だから私は、ハイオク仕様車を選びました」ぐらいのキャンペーンをやってもいいんじゃないかと思います。

  Feb 2, 2008

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• レクサスIS-Fに乗ってきた。

  みなさん、こんにちは(^^)/。　レクサスIS-Fの試乗会が幕張で行われ、安藤も呼んでもらえたので行ってきました。実は昨年末にもFISCOでやった試乗会にお招きいただいていたのですが、忙しくて行けなかったんですよね。　会場が公道、しかも幕張の市街地ということもあり、同業者の中には「あんなところで乗っても、何もわからない」とおっしゃるかたもいましたが、逆に安藤としては「特別なハイパフォーマンスモデルが市街地でどんな振る舞いを見せるのか」ということに興味津々でした。　で、結論から言いますと、きわめてフツーに乗れます。ハイパフォーマンスモデルの中には、フツーに流していてもトルクに「これ見よがし感」があり、ステアリングの応答性なんかもやたらとシャープで、「もっと踏め。速く走れ」と言われているような「せかされ感」のあるクルマも少なくありません。そういうクルマだと「踏めないストレス」を感じてしまうのですが、このクルマにはそういう感じはまったくありませんでした。　それどころか、事前に何も知らされなければ、423馬力もあるエンジンが乗っていて、そのままサーキットを走れるほど強靭な足回りが入っているとわかる人は少ないんじゃないかと思います。乗り心地なんか、レガシィのGT Spec.Bあたりより良いくらいで、街中の工事跡なんかを踏んでも不快感はほとんどありません。IS350に比べて、バネレートも減衰力も大幅に高められているそうですが、バランスが良いせいか（クルマも重くなっていますけど）、むしろ乗り心地は良いんじゃないかと感じました。　アイドリングの排気音は静かで、GT-Rのような「いかにも感」はありません。アクセルレスポンスも意図的に落とされており、微小開度時の応答性などはIS350のほうがナーバスな感じです。しかも常識的な速度の範囲では、車内は「レクサスならではの静けさ」に包まれています。　聞けば、ベースとなったLS600hのエンジンに対し、スロットルボア径を変えなかったとのこと。最高出力を上げるには、大きなスロットルバルブを使うのが手っ取り早いのですが、そうするとアイドリングからちょっと開けたあたりの面積変化が大きくなりすぎて、扱いづらい特性になっちゃうんですね。　それでも５Lの大トルクをまともに使ったのではナーバスになりすぎることを気にしたらしく、このクルマには、アクセルレスポンスや変速スケジュールを変更できるモードコントロールスイッチが付いていまして、ノーマル／スポーツ／スノーの３つの特性が選べるようになっています。　が、ノーマルでは初期応答を落とし過ぎのきらいがあり、５Lだからと思ってソロリと踏むと前に進まず、「あれれ」と思ってジワリと踏んでもまだ進まず、グイっと踏んでから意図より加速してしまうフィーリングがあり、リニアリティという点ではかえって違和感がありました。　しかもスポーツモードでも発進時の飛び出し感は無く、流れに合わせて加速するのも自然にできますし、レブリミットまで変速しないというようなことも無いので、むしろ「これがノーマルでもいいんじゃないの？」と思えるくらいでした。　で、まあ公道ですから、トップエンドのエンジンフィールまで試すわけには行きませんが、短時間の全開加速程度は試してみました。いやー、音の演出が面白いですわ。　1,200回転ぐらいの低速巡航からアクセルを全開にすると、まず吸気音が甲高くなり、続いてメカノイズが響き、間髪入れずにエキゾーストノートが響き渡るというふうに、１秒程度の間に音が３段階に変化します。 　しげの秀一風に表現すると、「カコォ…ギャイィ…ゴバァー！」といったところで(^_^;、吸気音が聞こえて「お？」と思い、メカノイズが聞こえたあたりでリヤサスの沈み込みを感じ、エキゾーストノートが聞こえたと同時に強烈に背中を押されるといった感じですね。で、「うひょー、面白れー」と言い終わらないうちに法廷速度を超えてしまい、アクセルを戻さざるを得ませんでした(^_^;。 　もうひとつ感心したのがブレーキで、剛性感が非常に高く、通常のブレーキングではほとんどストローク感がありません。効きも非常にリニアです。　それだけに残念なのが、エンジンブレーキのフィーリングです。停止直前まで速度が落ちるとエンジンブレーキが効かなくなるのはやむを得ないとして、５Lのクリープでグイグイ押してくるため、一定の踏力を維持したまま止まろうとすると、狙ったところで止まれず、停止直前に少し踏み増す必要があるんですね。　もちろん、エンブレが効かなくなった段階でニュートラルに入れてしまえば良いのですが、あのへんを、もっとフュエルカットを粘らせるとか、ATの疑似ニュートラル制御を使うとか、エアコンのアイドルアップより停止のフィーリングを優先するとかで改善してくれると、もっと良くなるんじゃないかと思いました。　あとですね、これはIS全体に言えることなんですけど、乗車定員を４人にするほどドライバーコンシャスにしたのなら、センタークラスターをドライバー側に向けるという演出も欲しかったし、逆に、まがりなりにも後席にドアを付けたのだから、前席下への足入れ性を改善して、後席乗員の快適性にもう少し配慮があっても良かったんじゃないかと思います。ひざ元空間はそこそこあるのに、足置きの自由度が低いため、後席は実際以上に狭く感じちゃうんですよね（これが販売低迷のひとつの理由だと思います）。 　ともあれトヨタはレクサスを通じて、剛性と精度をきっちり仕上げれば欧州車以上のクルマが作れるということを学習したはずで、次のモデルが楽しみではあります。　願わくば、レクサスの日本お披露目があったときに申し上げたように、日本発の高級車を主張するなら「天然ケヤキの拭きウルシ仕上げ」とか「木曽ヒノキ四方柾柿渋仕上げ」とか「輪島塗仕上げ」とか「箱根寄木細工」などを使った木目パネルや、西陣織や大島紬、加賀友禅などを使ったインテリアトリムなんかを採用していただけたらと思います。 　数が確保できないのなら、限定生産でいいんです。「お待ちいただいております」というのだって、プレミアムカーとしてのステイタスになるんですから。 

  Jan 26, 2008

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• トヨタはついに燃料電池車を見限ったか？

  みなさん、こんにちは(^^)/。   　北米デトロイトショーで、トヨタがプラグイン・ハイブリッド車を2010年までのなるべく早い時期に市場投入することを発表しました。パナソニックと共同開発していたリチウムイオン電池に量産のめどが立ったからとのことですが、先日、フォレスターの項で書いた安藤の予測は、またも的中しましたね(^^)V。 　この時期に発表できるということは、実際には東京モーターショーのタイミングでも発表可能だったんじゃないかと思うんですが、あえて北米ショーを選んだのは、「プラグイン・ハイブリッド＝家庭で充電＝家と駐車場が隣接していないと無理＝日本より北米市場の方が現実的」という判断が働いたからじゃないかと思います。   　さて、表題の件。 　先日、トヨタから渡辺社長の「年頭所感」が郵送されてきたのですが、それで気づいたことがあります。トヨタは「サスティナブル・モビリティ」を掲げていますが、その中核をハイブリッド技術に置き、次にバイオ燃料の話が来ているんです。そして最後まで、「燃料電池」の「ね」の字も出てきません。 　このブログでも何度か書いている通り、安藤は燃料電池をクルマに搭載することに対して疑問を投げかけてきましたが、ついにトヨタも燃料電池自動車を諦めたのでしょうか？ 　……と考えるのは、もちろん早計なわけで(^_^;、燃料電池自動車というのは、実際には「燃料電池と二次電池のハイブリッド」、すなわち、燃料電池のほかに充電可能な電池を搭載しており、その２つの動力源を使い分けるハイブリッド車であり、渡辺社長の言う「ハイブリッド技術」の中にはそれが含まれている可能性があるわけで、「やめちゃった」ってことは無いと思います（東スポみたいでゴメン(^_^;）。 （なぜ燃料電池をハイブリッドにして使うのかと言えば、燃料電池はレスポンスが悪く急加速などへの対応が難しいことと、せっかく電気で走るのに減速時に発電機を回して回生＝電池に充電して再利用しないのはもったいない＝10・15モードで12％ぐらい変わるからなんです） 　が、それはともかく、数年前のモーターショーでは燃料電池車の模型を何台もブッ立ててデモンストレーションしていたのに比べると、はるかに扱いが小さくなってしまったことは事実でして、開発のプライオリティが下げられたのではないかという予想は、成り立つんじゃないかと思います。   　念のため、改めて書いておきますが、安藤が燃料電池車の大衆化に懐疑的な理由は２つあります。ひとつは、「生成するのが水だけ＝内部に滞留した水が凍結すると再始動できない＝真冬日に１週間ぐらい放置しておいても再始動できなければ商品にならない」ということ。もうひとつは「触媒に白金を数百gも使うようでは、いつまでたっても大衆車価格にはならない」ということで、これはベンツがnecar3を日本に持ってきた1997年（だったかな）以来、言い続けていることです。   　それはともかく、トヨタはインドネシアにサツマイモ畑を作ってメタノール系バイオガソリンの開発に着手していますし、バイオディーゼル原料のヤトロファ畑にも、そのうち手を出すんじゃないかと思われ、燃料電池よりバイオ燃料による内燃機関存続のほうに軸足を移すんじゃないかと思われます。 　ホンダは近々、リース販売に乗り出すと言っていますが、燃料電池は「搭載性の良い形状とガス流れ効率の良い＝白金触媒が節約できる形状は異なる」という問題なんかも抱えているわけでして、研究開発として技術を蓄積したいという意図はあっても、本気で大衆化に乗り出すという意図はないんじゃないかと思います。  

  Jan 17, 2008

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• 後席ヘッドレスト義務化の要望書、回答来る

  みなさん、こんにちは(^^)/。　前回の飲酒死亡事故判決の件、実に「法の文言に忠実な判決」ではあるのですが、文言に忠実が最良ならば、今後は機械化できてしまうわけで、難しい司法試験をパスしなければならない裁判官には、文言以上にその法律が作られた背景や目的まで斟酌した上での「大岡裁き」が求められるんじゃないでしょうか。　いずれにせよ、交通事故を裁くすべての裁判官には、缶ビール１本飲ませた後で、ドラシビングシミュレーターを行うという経験を義務づけするべきじゃないかと思いますよ。　さて、表題の件。交通事故問題を考える国会議員の会で事務局長をされている細川律夫衆議院議員に要望書を送っておいたところ、さっそく国交省に問い合わせて下さいました。それによると、回答は下記の通りだったとのことです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 交通政策審議会より、１８年の答申でヘッドレストの世界的に統一基準をつくる動きに積極的に参加するべき、という事項があり、近々に基準が策定されるので、それに沿って運用をはかっていく。しかし、欧米でも後部座席については義務化になってないし、こうした状況でわが国だけ、メーカーに義務づけるということにはならない。今後、被害の状況等や海外の動向を見ながら、必要に応じて問題提起をしていきたい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 　いやはや、実に日本の官僚的答弁ですね。端的に言えば、「外国じゃやってないから、日本もやらない」「死人が出て問題化するまでは動かない」　ってことですわ。　欧州で義務化されていないのは、メーカーが率先して装着しているからその必要がないためで、欧州車はコンパクトカーでも、少なくとも後席に乗降用のドアが付いているクルマなら、たいていは後席ヘッドレストが付いているんですね。　一方、日本の場合、軽自動車は最上級グレード以外、後席ヘッドレストは省略されるケースが少なくないわけで、しかも軽自動車の販売台数が全乗用車の３分の１に達しているなど、欧州とは状況がまったく異なるわけです。　すなわちこの件に関しては、外国の事例を伺って対応するのははなはだ不適切なわけですね。　しかも日本の軽自動車の場合、 低価格をひとつの売り物にしており、そのためにはABSでさえオプションにしてしまうということが平気で行われるわけですから、メーカー任せにしていては、後席ヘッドレストの全車標準（またはオプション）設定なんてのは、まず実現しえないことなんですよね。　また、頻度が少ないから放っておいて良いということにはなりません。当事者にしてみれば、「その１回」が問題な訳ですから。　というわけで、今後もこの問題に付いては発信を続けて行くつもりでおります。 

  Jan 12, 2008

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• 福岡３児死亡事故を裁いた川口宰護裁判長をあえて批判する

  みなさん、こんにちは。　福岡県「海の中道大橋」で飲酒運転のクルマに追突され、３人の幼い子どもが死亡した事故の 一審判決が、本日、言い渡されました。ある程度、予想されていたとはいえ、危険運転致死罪は適用されず、業務上過失致死と酒気帯び運転／ひき逃げによる最高刑・懲役７年６月という判決になりました。　確かに、死亡した直接の原因は「海に落ちたこと」であり、４駆とはいえ２トンそこそこのクルマを受け止めることのできないガードレールしかなかったという状況は、被告の責任とは言えません（この点で道路管理者の責任が問われないのが不思議です。現場に設置されていたのは、「歩行者自転車用柵(転落防止用Sp種)というもので、クルマの衝突に耐えられるようなものではありませんでしたが、その外側が海である以上、せめて制限速度の50km/hで2.5トン程度の乗用車がぶつかっても容易に破れることの無い程度のものを設置してしかるべきではなかったでしょうか）。 　が、危険運転致死傷罪を適用しなかった理由が、「酒酔いの程度が相当大きかったとは認定できず、飲酒の影響で正常な運転困難だったとは認められない」という点には大いに異論があります。飲酒をしたという事実があり、その結果、追突事故を起こしている以上、「飲酒の影響で正常な運転が困難だった」と認めるべきではないでしょうか。判決では、被告の「脇見が原因」という主張を採用していますが、注意力を散漫にし、脇見を起こさせた要因が飲酒にあることは、容易に推認されるはずです。　さらに川口裁判長は、危険運転致死傷罪を適用しなかった理由を「事故前に蛇行運転や居眠り、衝突事故などはなかった。水の持参を頼んだ言動などから、判断能力を失ってはいなかった」としています。 が、現場から逃げた上、水を持ってこさせたということは、被告は「飲酒運転である」ということを自覚しているわけで、そこには「未必の故意」を認定すべきであり、上記行為は危険運転致死罪の構成要件であると判断するべきだったのではないでしょうか。 　ちなみに、法律（刑法）の上では、下記のようになっています。  （危険運転致死傷）第二百八条の二 　アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。 　　ここで問題となるのは、「正常な運転が困難な状態」が、具体的にどういうレベルであるのか、ということですが、呼気にアルコールが出てくる状態で正常な運転＝まったくシラフと同等の運転ができるということは、ありえないんじゃないかと思います。　　当然、上級審まで行くとは思いますが、おかしな判例だけは残していただかないよう、切に願う次第です。

  Jan 8, 2008

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• 飲酒運転抑止に「飲酒者マーク」の導入を！

  あけましておめでとうございますm(__)m。　今年もマイペースながら、世の中を少しでも良い方に転がすための情報発信をしていきたいと思っております。 　さて、外出先でお酒を振る舞われることの多いこの季節、飲酒／酒気帯び運転は、絶対にしないで下さいね。「正月ぐらいは」なんて、ダメですよ。むしろ、お屠蘇気分で歩いている人が多いんですから、酒気帯びでそういう人を引っ掛けてしまっただけでも、相手はもちろん、あなたの人生に大きなダメージを与えてしまいますからね。　飲酒運転の防止については、このブログでも何度か話題にしておりますが、「飲酒運転のできないクルマ」の開発に懐疑的な姿勢は変わっておりません。この件については、長いことアルコール・インターロック（アルコール検知装置）の研究を続けている北欧の某メーカーのスタッフに非公式に聞いたところ、やはり「法人や業務用など、クルマの使用者と管理者が異なる場合には効果があると思うが、個人については限界がある。免許を受けている以上、基本的に個人が責を負うべきだ」という見解でした。　日産はアルコール検知から、運転行動の特徴を捉えて飲酒運転を判断するフェイズに移ったようですが、これも、そうした装置をすべてのクルマに義務化できなければ効果は期待できないわけで、確信犯および常習犯の抑止にはつながらないでしょう。　ハードウェアによる対策というのは、かくも難しいわけで、しかも運転免許が公的機関から与えられる資格である以上、ハードウェアによる対策だけに過大な期待をかけるというのは、アプローチ方法として間違っているわけですね。 　幸い、昨年の厳罰化によって、２～３割の抑止効果があったとされていますが、そこで思いついたのが、表題にある「飲酒運転者マーク」制度の設立です。飲酒／酒気帯び運転で検挙されたら、その場でこのマークを、クルマの前後左右に貼られてしまう。デザインは初心者マークや紅葉マークなんかより、はるかに目立ってかっこわるいほうがいいでしょう。かつて胃腸薬のCMにあった「飲み過ぎシール」みたいのがいいかもしれませんね。　こうすれば、誰からみても「あの人は飲酒／酒気帯び運転をしたことのある人だ」ということがわかってしまい、ご近所に会わせる顔は無くなるでしょうし、買い物に行くのも恥ずかしい想いをするでしょう。交差点に止まっているだけで、「針のむしろ」状態でしょうね(^_^;。　現状では、仮に飲酒／酒気帯びで検挙されても、公務員とか著名人でなければ、その事実が不特定多数に知られることはありませんし、免停／取り消しになったことがバレても「いやー、スピード違反で」とか言ってごまかすことも可能ですが、この制度ができれば、そういうわけには行きません。　そうそう、スーパーとか高速のサービスエリアなんかに「飲酒／酒気帯び運転経験者用駐車枠」というのを設けて、できるだけ不便なところに設置するのもいいかもしれませんね。 　マークは、はがすと跡が残るような接着剤か、リベットで打ち込んでしまいます。そして、５年間無事故無違反を続けたら、晴れてはがすことができるようにします。その間、１年に１度は出頭して、勝手にはがしていないことを確認する義務を負わせます。（いや、抜き打ち検査の方がいいかな） 　ステッカーなら１枚のコストは数百円で済むでしょうし、リベット止めにしたって、せいぜいその数倍程度と、コストもきわめて安上がりです。 　無論、悪質な確信犯／常習犯は、何か抜け道を考えてしまう可能性はありますが、少なくとも「このくらいなら」という軽率な飲酒／酒気帯びを抑止する効果は期待できますし、それが重なって常習化することも、抑止できるのではないかと思います。　最初は冗談のような思い付きと自分でも思っており「新年早々、笑って読んでもらえたら」という程度のつもりで書き始めましたが、もしかすると意外に効果は大きいかも知れませんよ(^^)。 

  Jan 1, 2008

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• 新型フォレスター、デビュー！

  みなさん、こんにちは(^^)/。　昨日は夕方から渋谷で、スバル・フォレスターの発表会があったので、行ってきました。スバル味はだいぶ薄くなっちゃいましたけど、クルマそのものはとても良くまとまっています。道具感ではエクストレイルに、オフロード性能ではエスクードに譲りますが、バランスの取れた作りはむしろ万人向けと言えるんじゃないでしょうか。走りの方は、ちょっと操舵力が軽すぎることと、初期応答過敏気味なところが気になりましたが(^_^;。　その席で社長が言っていましたが、縦置きエンジン用のCVTの開発が進んでいるようですね。トヨタとの提携でGOの見通しが立ったのかも知れません。どんなレイアウトにしているのか楽しみです。　電気自動車の市場投入も１年前倒しになるようですが、こっちもトヨタとパナソニックが共同で開発を行っているリチウムイオン電池がモノになりそうだということじゃないかと思います。 　さて、発表会が終わった後、久しぶりに代官山の居酒屋○楽（えんらく）に行ってきました。 駅から少し歩いた住宅街にある小ぢんまりとした店ですが、お酒の種類も豊富ですし（ワイン除く）、料理も上品な良いお店です。麦焼酎の寿福絹子が飲める店は、都内でもそんなに多くないんじゃないでしょうかね。 お値段は、個人経営居酒屋の平均ぐらい、大手チェーン店よりはさすがにやや高めですが、内容を考えれば納得の範囲でしょう。　今回、初めて執筆した「フィールドライフ（えい出版）」のY編集長 を誘ったら、レイドゴロワーズ（アドベンチャーレース）に日本人隊が初めて参加したときの隊長のHさんを帯同して現れ、久しぶりの再会に楽しい時間を過ごすことができました。安藤はそのままY編集長の家に泊まったのですが、Hさんは無事、帰れたのかなぁ(^_^;。 　まあそんなわけで、 本日はあまり内容が無いのですが、(^_^;、三栄書房「新型フォレスターのすべて」は１月８日発売ですので、どうぞよろしく買うて下さい。

  Dec 26, 2007

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• 軽乗用車のリヤシートにもヘッドレストを！

  みなさん、こんにちは(^^)/。　自分のクルマの買い替え検討をきっかけに、軽自動車には後席ヘッドレストを装備していないクルマが非常に多いことに気づいた安藤ですが、ジャーナリストとしては、こういうことを放置しておくわけには行きません。そこで、さっそく行動に出ることにしました。 　まず、法律上は、どうなっているのかといえば、道路運送車両法の保安基準に、下記のように規定されています。 （頭部後掲抑止装置等）第二十二条の四自動車（車両総重量が三・五トンを超える自動車（専ら乗用の用に供する自動車であつて乗車定員十人以下のものを除く。）、二輪自動車、側車付二輪自動車、大型特殊自動車、農耕作業用小型特殊自動車及び最高速度二十キロメートル毎時未満の自動車を除く。）の座席（第二十二条第三項第一号から第四号までに掲げる座席及び自動車の側面に隣接しない座席を除く。）のうち運転者席及びこれと並列の座席には、他の自動車の追突等による衝撃を受けた場合において、乗車人員の頭部の過度の後傾を有効に抑止し、かつ、乗車人員の頭部等に傷害を与えるおそれの少ないものとして、構造等に関し告示で定める基準に適合する頭部後傾抑止装置を備えなければならない。ただし、当該座席自体が当該装置と同等の性能を有するものであるときは、この限りでない。 　ひとことで言ってしまえば、「前席以外は、ヘッドレストは付いてなくてもいいよ」　ということですね。 　ところが、事故形態の中でも追突事故は約３分の１といちばん多く、さらに頚椎の損傷は軽い速度でも発生しやすいことを考えると、明らかに不合理であることがわかります。特に、軽くて小さいクルマほど、当てられたときの加速度は大きくなるわけですから、小さなクルマにほど必要なはずです。　そこでこの法律は、下記のように改正すべきではないかと考えました。 自動車（車両総重量が三・五トンを超える自動車（専ら乗用の用に供する自動車であつて乗車定員十人以下のものを除く。）、二輪自動車、側車付二輪自動車、大型特殊自動車、農耕作業用小型特殊自動車及び最高速度二十キロメートル毎時未満の自動車を除く。）の座席（第二十二条第三項第一号から第四号までに掲げる座席及び自動車の側面に隣接しない座席を除く。）のうち運転者席及びこれと並列の座席には、他の自動車の追突等による衝撃を受けた場合において、乗車人員の頭部の過度の後傾を有効に抑止し、かつ、乗車人員の頭部等に傷害を与えるおそれの少ないものとして、構造等に関し告示で定める基準に適合する頭部後傾抑止装置を備えなければならない。それ以外の座席については、運転者席と同等の性能を有する頭部後傾抑止装置を備えるか、使用者が容易な方法で装着できるようにしておかなければならない。ただし、当該座席自体が当該装置と同等の性能を有するものであるときは、この限りでない。 　お気づきかと思いますが、あえて「全席義務づけ」ではなく、「後席のヘッドレストは人数分を標準装備するか、少なくともオプションで用意しておくこと」としています。理由は、必要のない人にまで負担を強いることが無いようにということと、メーカーの負担を少しでも減らし、同意を得やすくしたいというところにあります。　しかもそうなれば、標準装備するかしないかはメーカーの判断、選択するかしないかはユーザーの判断に任されるわけで、安全意識が問われるという点でも、強制するより良いのではないかと思います。 　法改正には国会決議が必要になるわけで、さっそく要望書を書いて「交通事故問題を考える国会議員の会」に送っておきました。（会員のひとりで、交通遺児の支援に奔走されていた山本たかし議員がガンで逝去されました。ご冥福をお祈りします） 　３点式シートベルトの人数分標準装備化も確かに大事ですが、優先順位からすれば、こっちのほうが先ではないかと思います（費用対効果も大きいはず）。  

  Dec 24, 2007

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• ジムニー買い替え計画、座礁中

  みなさん、こんにちは(^^)/。　前回の書き込みの通り、安藤家ではジムニーの買い替えが中ぶらりんになっております(^^;。　まあ機関は今のところ調子いいので、水まわりとクラッチと触媒を交換して乗り続けるというのも、選択肢のひとつではあるのですが、いかんせん、ボディまわり（特にドアとボンネットのヒンジ）に錆が出て来ているんですよね。　それでもプライベートで乗るだけなら気にはしないんですけど、メーカーの試乗会とか取材に出かける際には、やっぱり多少は気になるわけでして、それなら下取りの値段が付くうちに手放したほうがいいのではないかと考えているわけです。　それはともかく、新車で売っているジムニーがそんな状態なので、別の選択肢も考えてみました。オフロードの取材はエクストレイルで行けばいいし、軽はかみさんがメインで乗るようにするという方法もあるわけだし。　問題なのは、かみさんが「マニュアルトランスミッションでなければいやだ」と言っていることなんですね。これでまず、選択肢は大幅に狭くなります(^^;。安藤も基本的にマニュアル派なのですが、最新のCVTの優秀さを知っているし、おしゃべりを始めるとシフトチェンジしなくなるかみさんには、ATに乗ってもらったほうが何かと良いのではないかと思ったりもするのですが。　さらにかみさんの希望として「あんまりかわいいのはイヤ」というのと、安藤の希望である「ハイトワゴン系はゲタがわりには無駄が多いから避けたい」というのを上乗せしまして、マニュアルトランスミッション設定モデルを調べてみたのですが、困ったことに、マニュアルトランスミッションを設定しているモデルは軒並み廉価グレードであって、そういうグレードには、ほとんど後席にヘッドレストが付いていないんです(^^;。両方あるのは、ジムニーと三菱・eKワゴンだけでした。　で、ジムニーは前回、書いた通り、色がつまらんということで、そうなるとeKワゴンしか無くなってしまうわけですが、ここでまたかみさんが「せっかくeKワゴンにするなら、スライドドアがいいでしょ」とか言い出しまして(^^;。　ところがeKワゴンのスライドドア車って、MTの設定が無いんですよ(^^;。というわけで、これもダメ。息子はもうリヤシートには乗らないし、軽なら幅が狭いんだから、スライドドアじゃなくてもいいと思うんですけどねぇ。　というわけで、これだけ多くのメーカーから豊富な軽自動車が出ているにも関わらず、安藤家の要望を満足するクルマはどこにも無いことが判明してしまいました(;_;)。　となれば、要望のどれかを落とす必要が生じるわけですが、絶対、外せないのが「後席ヘッドレスト」、可能なかぎり外したくないのが「ハイトワゴンは避ける」です。「ATでも可」とした場合、安藤はダイハツのCVTを高く評価しておりまして、そうなるとミラかミラ・カスタムということになるのですが、ミラはどのグレードも後席にヘッドレストがありません。後席の広さを売りにしているのに、信じられませんね。最低でもオプションで選択できるようにしておくべきでしょう（と、先日、開発のかたに文句言っときました）。　ならば自動的にミラ・カスタムになるのですが、こいつはリヤシートがスライドする機構が付くおかげで、車重が30kgも重くなってしまうんです。そんなものいらない安藤としては、これがまた気に入らないんですねぇ。　いっそあと２年、我慢して、i-MiEVにでも行っちゃいましょうか、などと考えてもみたのですが、航続距離160kmじゃ、取材で良く行く”ツインリンクもてぎ”までたどり着けないんですよねぇ(^^;。　それにしても、自分のクルマを買い替えるのに、こんなに悩まなければならない原因は何だろうか？　と考えて思い当たったのが、「後席ヘッドレストを備えない軽自動車が多すぎる」ということでした。これについては、また後日。

  Dec 23, 2007

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• ジムニーよ、どこへ行く？

  みなさん、今日は(^^)/。 　我が家のセカンドカー、スズキ・ジムニーも１２年目に突入し、走行距離ももう少しで９万kmというところまで来ました。９月に車検を受けた際「水回りとクラッチが、そろそろヤバいねぇ」と言われたので、買い替えを検討することになりました。　ぼくが「ジムニーキング」という雑誌に寄稿していることもあり、 さらに「ランドローバーマガジン」にも寄稿していて、湖岸や河川敷のロケなんかもあったりするため、「やっぱまたジムニーかな」と思ってカタログを入手しました。　ところが(^_^;。　ボディ色が、白・銀・メタリックブルーの３種類しか無いんですね。そこでかみさん曰く、「白とか銀なんて、平凡すぎてつまんなーい。（ファーストカーの）エクストレイルが青だから、 同じ色っていうのもねぇ」　至極ごもっともなので、毎年恒例の冬の限定車「ランドベンチャー」の登場を待つことにしました。夏の限定車「ワイルドウインド」と並んで、特別塗装色が毎回、用意されるんですよね。　で、そんな話をモーターショーのときに、スズキ広報の某氏に話しておいたところ、気を利かせてカタログを送ってきてくれました。　が、ワインレッドのメタリックがあったところまでは良いのですが、それ以外の「特別仕様」がいただけません。シート生地がアルカンターラ（スエード調合皮）、センタークラスターの化粧パネルが黒の木目調なんです。　一般ユーザーには、そのほうがいいのかも知れませんが、ジムニーを「国産車最後の道具グルマ」と思っている我が家にとって、泥水染みが気になるようなシートや、高級車コンプレックス丸出しのニセ木目などはお呼びではなく、そんなものにお金を払う気にはならないんですよ(^_^;。  　その後、近所のディーラーで、１年前のランドベンチャーの在庫車を発見。こちらは撥水加工した布のシートと、ハニカム調のパネル（それでもいらない）だったし、以外やMT車だったので「これにしちゃおうか？」と思ったのですが、リヤシートにヘッドレストが 付いていませんでした。　乗せる機会が少ないとはいえ、後席にヘッドレストが無いというのは安全上、困ります。特にジムニーの場合、後席の後ろはすぐにリヤウインドウですから、追突されたらガラスに頭を突っ込むことになるでしょう。　若いセールスマンに「リヤシートだけ交換できないの？」と聞いたら「２０万円ぐらいかかります」だって(^_^;。安藤の持っている情報では、部品代だけなら約６万円のはずで、１年間の長期在庫車なんだから「タダでやらせていただきます」って売っちゃったほうが、諸手続きの手数料だけでも稼げるからいいと思うんですけどねぇ。 　それはともかく、販売てこ入れのための特別仕様車といっても、豪華路線に走るのは、ジムニーとしては、どうなんでしょうか(^_^;。　というか、カタログモデルの色設定が何とかなって、下のグレードにも後席ヘッドレストが選べれば、まったく問題ないとも言えるんですけどね。 　かつてはワインレッドのメタリックがあって、売れなかったから廃止したというのはわかりますけど、３色中、無彩色が２色というのはいただけません。競技車両の需要やコストから、白は外せないでしょうけれど、銀だってほとんど売れていないわけで、それならワインレッドを残すか、かつて限定車にあった緑系統や薄いブルーグレー（この色は良かったのになぁ） を設定しておいてくれたら、迷わずそっちを選んだんですけどねぇ。　何もジムニー専用色じゃなくてもいいんです。アルトとかワゴンRに設定のある色なら、塗料は共通化できるし、同じ段取りのときに一緒に塗れば、コストアップにもならないはずです。 　ジムニーが豪華でもぜんぜん嬉しくない我が家としては、ぜひ「シンプルな特別仕様（後席ヘッドレストは必須）」か、カタログモデルの色設定変更をお願いしたいところです。 

  Dec 23, 2007

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• モービル１の省燃費効果はホンモノか？

  みなさん、こんにちは(^^)/。　年末の締め切りラッシュも、今日で一段落です。　さて、今年も冬恒例の梅の剪定に、和歌山まで行って参りました。いつもは１２月の上旬に行くのですが、今年はぼくの仕事とかみさんの旅行の都合で、１５～１９日で行ってきました。 　時期が時期だし、中央道を使う可能性もあったので、用心してスタッドレスタイヤに履き替えて行きました。当然、燃費は悪くなるはずで、どの程度悪くなるのか、なかば楽しみにしていたのですが、なんと帰りは１３km／lちょうどと、昨年の同じ時期に夏タイヤで走ったときと比べて、2.5%しか悪くなっていませんでした。しかもスタッドレスタイヤは手持ちのホイールに付けたため、夏タイヤよりサイズが１インチ大きく、それだけで3.6%は悪化する計算ですから、むしろ燃費は良くなっていることになります。 　そこで、昨年とは何が違うのか、考えてみました（思えば昨年は、イリジウムプラグ初導入で、過去最高燃費を記録したのでした）。　思い当たったのが、エンジンオイルです。１１月にオイル交換した際に（毎年、この時期に交換してる）、店員からモービル１を勧められ、割引中だというので、思い切って入れてみたのです。いつもは３０００円ぐらいのオイルしか入れていないので、割引中でも６０００円ぐらいしていたモービル１を入れるのは大奮発でした。 　交換してすぐに「あれ、ずいぶん静かになったなぁ」と思ったのですが、古いオイルから新しいオイルに変われば、多少、静かになるのはあたりまえですし、オイルが冷えていて粘度が高ければ、静かになるのは当然です。が、しばらく乗っていても、やはり以前より静かになった感じは続いていました。　で、今回のこの燃費です。やはりこれは、オイルの違いによるものと考えるのが妥当なのではないかと思うんですね。　スタッドレスタイヤの転がり抵抗 と、直径の差によるメーター誤差を考慮すると、少なめに見積もっても燃費は２％ぐらいは良くなっているのではないかと考えられます。安藤はこのクルマだけで年間２０万円ぐらいガソリン代を使いますから、投資したぶんは十分に回収できる計算になります。　ぼくは、かつてクルマの開発に携わっていた経験から、「オイルなんて純正相当のものを入れておけば良い。それ以上、高いものを入れても、費用対効果はプラスにはならない」と思っていました。なにしろ性能試験も耐久試験も、工場で充填される純正オイルでやりますからね。　でも、今回の一件で、考えを改める必要がありそうです。銘柄にもよるとは思いますが、１００％化学合成の高価なオイルには、価格に見合うだけの性能は十分にあるのではないか、と（断定しないのは、経験値が少なすぎるから(^_^;）。　みなさんもオイル交換の機会に、１度、高級なオイルを試してみてはいかがでしょうか。 　ひとつ問題なのは、モービル１がエクソンモービルグループの製品だということです。ジョージ＝ブッシュ米大統領の支持母体であるこの会社の製品を、安藤は極力、買いたくないんですよねぇ(^_^;。 

  Dec 21, 2007

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• 日本自動車研究者ジャーナリスト会議(RJC)サイトを引っ越し

  みなさん、こんにちは(^^)／ 　表題の件、１１月からこっちのサイトに引っ越しになった模様です。　今年のカーオブザイヤー情報も載っておりますので、行ってみて下さい。 

  Dec 21, 2007

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• 日産ＧＴ－Ｒは「スーパーカー」か否か!?

  みなさん、こんにちは(^^)/。　年末進行の嵐が吹き荒れる中、レイアウト待ちで「忙中、閑あり」なので、ちょっと書いてみます。　日産からいよいよGT-Rが発売となりました。安藤も三栄書房「GT-Rのすべて」の取材でエンジニアのみなさんから詳細をうかがってきましたが（８日既刊です）、非常に興味深かったのは、前モデルR34よりも、いわゆる電子制御デバイスの数が少ないことですね。それで、あれだけの性能を出したという事実が意味するところが、これからの日産車に反映されるとしたら、日産車のレベルは確実に１ランク上がるはずです。　さて、詳細は上記雑誌をお買い求めいただくとして(^^;、話題になっていることのひとつが、自ら「スーパーカー」を名乗っていることですね。　となれば当然、そこには賛否が飛び交うわけでして（ホンダがNSXを出したときもそうだったよなぁ）、安藤としても一応は「どうなんだろ」と考えてみるわけです。　ＣＰＳ（チーフ　プロダクト　スペシャリスト）を務めた水野さんは、「スーパーカーの定義は、人の数だけあっていい。GT-Rは私が考えるこれからのスーパーカーです」とおっしゃっていました。それも一理あるのですが、いわゆるスーパーカー世代からすると、違和感を禁じえないんですね。　パフォーマンスという側面からすれば、GT-Rはまさしく世界の最先端を行くスーパー”パフォーマンス”カーには違いありません。ただ、そのコンセプトのひとつである「誰でも、どこでも、どんなときでもスーパーカーライフが楽しめる」というのが、引っかかったりするわけで。　「誰でも」とはいえ、777万円の新車価格が払えて、車検ごとに100万円、タイヤ交換に60万円払える経済力が無いと、維持していくことはできません。一方、ドライビングスキルや運転モラルに関わらず、誰でも超絶パフォーマンスが発揮できるとなると、お金があるだけでクルマの価値が良くわからない人でも走れちゃうわけです。　それに、ドライビングスキルがそれほど必要無いとなると、手に入れた段階で、やることが無くなっちゃうんですね（サーキットにでも通いだせば別ですが）。　それに引き換え、911系のポルシェなんかは、乗り方のコツを掴まなければ、速く楽しく走らせることはできません。300系のフェラーリなんかは、騒音・振動・乗降性の点で、かなり我慢を強いられます。　ところがそれは、むしろ「特別なテクニックを体得した自分」とか、「一瞬だけ味わえる性能のために、快適性を我慢している自分」に陶酔し、ナルシズムを満足させるという点では、クルマ好きには必要なスパイスでもあるわけで、「並みの覚悟じゃ、とても乗れない」という側面があればあるほど、スーパーカーの”スーパー”である部分が際立つんじゃないかと思うんですよね。　もっともこれらは、いわゆる”スーパーカー世代”の安藤が持っている個人的なスーパーカー像であって、それ以外の価値観を否定するものではありません。　が、変な例えかもしれませんが、誰でもイチローになれるグローブがあったとしたら、イチローの価値は無くなってしまうわけで、スーパースターが常識を超越した憧れの存在であるように、スーパーカーもそうした存在であって欲しいな、などと思うのであります。

  Dec 12, 2007

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• 横断歩道の歩行者優先、守っていますか？

  みなさん、こんにちは(^^)/。　カーオブザイヤーの解説は、とりあえず後回しにしまして(^_^;。　先日、自転車で買い物に出かけた際、信号の無い横断歩道をわたろうと待っていたのですが、通るクルマがまったく止まってくれる気配がありません。しばらく待っていると、自宅近くの自動車教習所の路上教習車が見えたので、「これは止まってくれるだろう」と思って期待したら、減速すらすることなく通り過ぎて行きました(^_^;。　中をのぞくと、教習生は若い女の子で、白髪まじりの男の教官が、だらしない顔で談笑しているのが見えました。　この教官、こういう法律があるのをご存じないんでしょうか？道路交通法第三十八条 　車両等は、横断歩道又は自転車横断帯（以下この条において「横断歩道等」という。）に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車（以下この条において「歩行者等」という。）がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前（道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。）で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。　教習所で教えないんじゃ、一般のドライバーが止まってくれないのも無理ありませんよねぇ(-_-;。　いつぞやなんか、自動車運転中に横断歩道で止まったら、後続車が追い抜こうとして車線をはみ出した（その段階で歩行者に気づいて急ブレーキをかけた）なんてこともあったくらいですからねぇ(-_-#。　えっ、「お前は必ず止まるのか」って？　もちろん、可能な限り、止まるようにしていますよ。ただし、なかなか「必ず」というわけにはいかず、歩行者の発見が遅れて急ブレーキになりそうなときや、歩行者が渡る気があるのかないのか判断できないようなときには、止まらないこともあります。　あるいは、後続車が車間をつめていたり、後続のドライバーが明らかに注意散漫で、下手に止まると追突される恐れがあるときも止まりません（ということまで確認しているがために、空走距離が伸びて止まれないこともある(^_^;）。　それからもちろん、自分以外に走行車両が無く、明らかに通過した方が合理的（歩行者もそれを想定して待っている）な時も止まりません。　そうそう、エピソードをもうひとつ。　あるとき、某メーカーの試乗会で公道試乗している際、信号の無い横断歩道で小学生ぐらいの男の子が横断しようとしているのが、かなり遠くから見えました。しかしどのクルマも、まったく止まる気配がありません。そこで、とにかくぼくだけでも止まろうと減速すると、前から来たクルマも減速するではありませんか。　そのクルマは見覚えのあるクルマで、中をのぞくと、ドライバーはRJC（更新されていませんねぇ(^_^;）の先輩会員でした。　後で聞いたら、向こうはぼくだということに気づかなかったそうですが、にもかかわらず片手を上げて通ったところを見ると、きっと横断歩道では、いつもそうしているのでしょう。嬉しいと同時に、ちょっと誇らしくなりました。　ともあれ、皆さんも横断歩道に横断者が待っているのに気づいたら、なるべく止まってあげて下さいね。対向車が止まりそうにない場合、ヘドランプをパッシングするのがポイントです(^^)V。

  Nov 19, 2007

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• 2008RJCカーオブザイヤー開票速報

  みなさん、こんにちは(^^)。　表題の件、本日、最終選考会がツインリンクもてぎにて行われました。取り急ぎ結果をお伝えいたします。安藤は今年は思うところあって投票権を返上したのですが、開票集計ソフトを操作できる人が他にいないってんで、現場に呼び出されました(^_^;。2008RJC特別賞「最優秀SUV」（カッコ内は得票数）1.マツダ・CX-7(322)2.日産自動車・エクストレイル(292)3.トヨタ自動車・ランドクルーザー(277)4.三菱自動車工業・アウトランダー(210)5.本田技研工業・CR-V(184)6.フォルクスワーゲン・トゥアレグ(165)2008RJCテクノロジー・オブザイヤー1.フォルクスワーゲン･1.4L TSIエンジン(386)2.三菱自動車工業・スーパーAWC(327)3.レクサス・V8ハイブリッド＆AWD(226)4.三菱自動車工業・ツインクラッチSST(196)5.マツダ・自然吸気ミラーサイクルエンジン(167)6.アウディ・バルブリフトシステム(148)2008RJCカーオブザイヤー=IMPORT1.プジョー・207(474)2.フォルクスワーゲン・ゴルフ　ヴァリアント(269)3.メルセデス･ベンツ・Cクラス(259)4.シトロエン・C４ピカソ(182)5.ボルボ・C３０(151)6.BMW・ミニ(140)2008RJCカーオブザイヤー（1次投票で同点があったため対象車７台）1.マツダ・デミオ(403)2.本田技研工業・フィット(276)3.トヨタ自動車・マークX　ジオ(238)4.三菱自動車工業・ランサーエボリューションX(175)5.日産・スカイライン　セダン＆クーペ(140)5.ダイハツ工業・ミラ/ミラカスタム(140)7.富士重工業・インプレッサ＆WRX STI(103)

  Nov 13, 2007

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• 毎日新聞ETC報道の誤り

  みなさん、こんにちは(^^)/。　ようやく新型車ラッシュから解放されました。主に三栄書房「○○のすべて」シリーズの技術解説を書いておりました。（一方で、講談社のアウトドア雑誌「ソロー」では写真撮ってたりなんかもしてます）　さて、表題の件、14日の毎日新聞に、「ETC利用率70%突破、だが普及率は２割強」という記事が出ていました。ETCの問題を、試験運用が始まった当初から指摘していた安藤としては、「何を今更」という感じなのですが、明らかな間違いがありましたので、指摘しておきます。　記事中に「ＥＴＣカードの発行にはカード会社の審査が必要で、収入の少ない人などは持てないこともある。」との記述がありますが、現在は「ETCカードパーソナルカード」というのがあり、これを利用すればクレジットカード会社の審査は必要としません。　詳細はURLを参照いただくとして、道路事業者（旧道路公団）が共同で運用するカード決済システムなんですね。　で、このシステムができた経緯に、実は安藤が関わっているのですよ。　確かにかつては、今回、毎日新聞が書いたように、ETCを利用するにはクレジットカード会社の審査を受ける必要がありました。一方で道路公団は、ETC利用者に特化した料金割引サービスの整備を進めていました。　すなわち、道路使用料という公共料金の額が、民間会社の審査にパスできるかどうか（その基準は所得の多寡と安定度にあります）で異なってしまうという状況だったのですね。公共料金の支払い額を左右する部分に民間会社の判断が介在していることも問題ですが、それよりも所得の多寡で公共料金の支払額が異なる（しかも低所得者の方が高い）ということは、「法の下の平等」を規定した憲法１４条に違反することになってしまうのですよ。　そこで安藤は、当時参議院議員をしていた俳優の中村敦夫さんの事務所にお願いして、上記を糾す質問主意書を国会に提出してもらったのです。　国交省の返答は、要約「ETCの利便性に鑑みれば、この程度の差は容認されるべきもの」というものでしたが、一方でこそこそと「ETCパーソナルカード」なるものを用意して、'05年のモニター運用を皮切りに導入したのです。　しかし現実的に考えて、運用コストに見合うほどの利用者がいるとは思えず、１年ぐらい経ったら情報公開法を利用して税金の無駄遣いを暴いてやろうと思っていたら、道路公団が民営化されて情報公開法の対象から外れちゃったんですねぇ(^_^;。（これにはほとほと困っています）　ともあれ、毎日新聞の誤りを道路事業者や国交省が指摘した形跡がありませんから、下手に突っついて上記を突っ込まれたら困るというのが理由なのではないかと思います（ぜひ取材して下さい＞毎日新聞）。　そうそう、それと毎日新聞には「国交省は料金徴収ブースと人員が不要で設置費用も通常の約１０分の１の３億～８億円で済むスマートＩＣの本格的な整備に着手する」とも書いてありましたが、実際のETCゲートにはエラー＆不正通行対策要員が必要なわけで、完全無人化できないのはもちろん、新たに出入り口を作ればそこに要員を配置する必要があるんですよね。　しかも、出入り口を増やしたからといって利用者が増えるわけではないし、むしろ手前で降りられちゃったら減収になってしまうわけで、償還計画の達成ははますます困難になるんじゃないかと思います。（今回の重要な論点は、むしろこっち）　というわけで、取材と論点整理はもう少し綿密にやりましょうね。＞毎日新聞　

  Oct 16, 2007

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• ダイハツの新・燃料電池技術を斬る！

  みなさん、こんにちは(^^)/。　相変わらず忙しくて時間が取れないのですが、重要な情報なので、殴り書き的に流しておきます。　先日、ダイハツから新しい燃料電池技術が発表になり、たいそう話題になっておりました。この技術は、触媒に白金を使わないことと、燃料を水素ではなく「水加ヒドラジン」としたのが新しいところです。　安藤はダイムラークライスラーがNecar3を日本で公開した1997年（だったと思う）以来、「生成する水の凍結対策ができるまでは、製品にはならないし、触媒に白金が必要なうちは商品にはならない」と指摘してきましたが、この技術は触媒に安価なコバルトやニッケルを使用する上、電解質幕を酸性からアルカリ性に変えることにより、プロトン（＋イオン）の移動ではなく水酸基（－イオン）を移動させることにより、燃料極側に水を生成するため、膜上で水が凍結する心配が無くなりました。　で、「ようやく『真の実用化』への端緒に付いたかな」と思ったのですが、どうもやっぱり「まだまだ」のようです。　まず、「水加ヒドラジン」という燃料がヤバい。これは、発泡スチロールなどの発泡剤には一般的に使われており、かつてはロケットの燃料に使われたこともある物質なのだそうですが、皮膚に対する攻撃性が硫酸並みに高いため、劇毒物に指定されているんです。　こうした物質は、一般に取り扱いに資格が必要だったり、買うときにも身分証明書の提示や捺印が必要だったりするのですが、それがガソリンスタンドで普通に売られたり、セルフスタンドで一般ユーザーが給油することが可能になるのかどうかを、まず考えなければなりません。　セルフスタンドにサンダル履きで行って、足にたらしたら薬品やけどをしたとか、ノズルから飛んだ飛沫が目に入って失明したとかいうことが起きる可能性は、確実に排除しなければなりません。　もしこれがクリヤできなければ、「技術はできても使えない」という事態に陥るはずです。　また、水加ヒドラジンは燃料タンク内でポリマーに吸着させ（要は紙おむつの原理）、衝突時の漏れを防ぐのだそうで、そこに60℃のお湯を加えることにより、ポリマーから取り出して使えるようになるということなのですが、現状では25℃の温水でも溶け出してしまうそうです。となれば、雨天時の事故でも真夏ではヤバかったりもするわけで、せめて「40℃なら絶対に大丈夫」という水準まで持って行かないと、危なくて使えないということになります。　また、お湯をかけなければ燃料が出てこないということは、始動時には水を積んでおいてお湯を沸かす必要があるはずで、積んでおく水の凍結対策が必要になるのでは？　と質問したところ、「始動用に少量の水加ヒドラジンを液体のまま安全なタンクに積んでおくことを考えている」ということで、この点は何とかなりそうでした。　一方、高温側にも依然として課題を残しており、陰イオン交換膜の耐熱温度がプロトン交換膜のそれと変わらないため、現在の運転温度は80℃とのこと。これを120℃ぐらいまで上げられないことには、ガソリン車の３倍のラジエーターが必要という縛りは解けないわけです。　これらのことから、ダイハツでも「まだ基礎研究の段階。車両への搭載時期は未定」としており、「将来が確実視されている技術ではない」という点では現状の燃料電池と少しも変わらない、ということが言えると思います。　ただし、もしもある日、突然「水加ヒドラジンと良く似た性質を持っているけど安全な化学物質」の合成に成功すれば、あるいは120℃運転を可能にする陰イオン交換膜材料の開発に成功すれば、一気に実用化に向かう可能性はあるわけです。　化学の世界では、一夜にしてそういうことは起こりうるわけで、ダイハツさんには今後も頑張って研究を続けていただきたいと思います。

  Sep 26, 2007

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• カーナビの地図更新に思う

  　みなさん、こんにちは(^^)/。　前回、書いたのは６月ですから、また３ヶ月も放置しちゃいましたねぇ(^_^;。何しろモーターショーイヤーの新車ラッシュで、目の回る忙しさなんですよ。　そんな多忙の合間を縫って、家族サービスなんかもしている訳で、館山にある知人の別荘に行ってきました。で、そこでも炭起こしやら「焼き方」やら大忙しだったりして(^_^;。　さて、表題の件。　我が家でもようやくカーナビなるものを付け、それを使って館山まで行ってきたのですが、今月、買ったというのに、７月に開通している館山道に対応しておらず、変な道を案内しようとするんですね。　まあ地図の更新は１年ごとなので、仕方が無いとは思うんですが、ぜひひとつ提案しておきたいことがあります。　特に高速道路などは、数年前からだいたいの開通時期はわかっているはずですから、カーナビの地図にはそれを仮表示しておき、一度でもその道を走ったら、ナビが「開通済み」と認識して、表示を「生き」に自動変更するなんていうことはできないでしょうか？　それをすると、地図更新ソフトの売れ行きが下がるという懸念もありますが、今のように全国版一括で３万円近くしたのでは、そもそもそんなに売れていないと思うので、大きな影響は無いんじゃないかと思います。　あ、それと、地図更新ソフトも全国一括版だけではなく、１０エリアぐらいに分けて１エリア３０００円ぐらいで用意してくれると嬉しいし、もっと売れるんじゃないかと思いますよ。　＞サンヨー殿

  Sep 24, 2007

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• スバル・インプレッサに乗ってきた

  みなさん、こんにちは(^^)/。　月曜日に箱根で試乗会があり、スバル・インプレッサに乗ってきました。実は先月、すでに葛生のテストコースで乗せてもらっていたのですが、コースで乗るのと公道で乗るのではけっこう印象が異なることが多いんですよね。　結論から言いますと、「いやー、いいですわ、このクルマ」。　インプレッサというとこれまで「走り屋御用達の特別なクルマ」というイメージが強かったのですが、ノーマルグレードがすごく良くなっています。　着座位置は最近のトレンドからは少し低めに感じますが、前後左右の視界が良く、ボンネットの可視面積が広いため、取り回しに苦労することはありません。後退駐車も試みましたが、左ドアミラーでけっこう最後まで白線を見ることができるので、一発で枠の真ん中に納めることができました。　懸案だった後部座席も広くなり、181cmあるぼくがドラポジを合わせて、そのまま後席に座っても、膝の前にはゲンコツが縦に１個入るくらいのスペースができます。しかも見た目の割に頭上が広くて快適です。　走りも素晴らしく良くなりました。旧モデルのSTIのように、挙動を抑える方向のチューニングではなく、ロールやピッチングを許しながら、荷重のやり取りをスムーズに行わせることによって４輪をバランス良く接地させ、乗り心地と操縦性能の両立を図って行く方向のチューニングで、ぼくがかねてから「量産車、斯くあるべし」と言ってきた方向性が、ターボも含めた全グレードに貫かれているんです。　エンジンは1.5lと2l、それに2lのターボ付きがあり、一通り乗ったのですが、ベストバランスは2lの自然吸気ですね。　1.5lはエンジンそのものというより、ATが4速というのがネックです。燃費を稼ぐために4速を高めにしているせいで、２速と3速の間が開いているため、上り坂では適切なエンジン回転数が維持できないシーンがありました。道を譲ってくれたクルマを追い越す際にも、思ったより加速してくれなくて少々焦るシーンもありました。コーナリング中にアクセル戻したらシフトアップしちゃったという制御もいただけません。　しかし逆に言えば、シティユース中心なら問題無さそうですし、そうでない人でも１～２人乗りが多いなら1.5lの5MTという選択も面白いんじゃないかと思いました。下りになると「別のクルマになったんじゃないか」と思わせるほどのスタビリティを見せる２面性も、また楽しからずやです。　2lはどんな回転数からでも必要なトルクデリバリーが得られ、発進・追い越し・登坂のいずれのシーンでも、4速ATで不足を感じることはありませんでした（とは言っても燃費を考えると５速は欲しいですけどね）。　乗り心地も、むしろ1.5lより良いくらいで、燃費を稼ぐためにタイヤの空気圧を上げている1.5lよりも硬さ感が少なく、タイヤやブッシュも含めた全体のバランスが取れているように感じました。（1.5lを買った人は空気圧を2~2.1kg/cm^2ぐらいに落とすといいと思いますよ）　一方、コーナーを攻めたときの楽しさも失われていません。限界の高さを求めると、不満を覚えるかも知れませんが（そういう人は秋に出るSTIを待ちましょう）、スキール音が出てからのコントロール性が絶妙で、クルマと対話しながらドライビングを組み立てることを楽しむには最適の特性が与えられています（特に素晴らしいのは、こうした傾向が1.5lを含め全車共通の軸上にあるということです）。　ターボ車の足は自然吸気より若干、締まっていますが、基本的にはしなやか系で、ごく普通のユーザーがごく普通に乗れます。クルマのことを知らない女性や高齢者を同情させても、乗り心地の面で苦情を言われることはまず無いでしょう。　動力性能に不足がある訳はなく、圧縮比が高いこともあって低回転からトルクも十分。3,000rpmから上には、別の世界が存在します(^_^;。　ともあれ、「落ち着いて長く乗れるまともなクルマが欲しい」という人、「速さはどうでも、楽しく安全に運転をしたい」という人は、ぜひ試乗してみることをお勧めします。ディーラーでの試乗だけでなく、レンタカーを借りてじっくり乗ってみれば、きっと良さがわかると思いますよ。

  Jun 27, 2007

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• つながる圏央道の効果的利用法（つづき２）

  皆さん、今日は(^^)/。　22日の続きです。　料金の件、ほんとに所要時間で判断しているのか、ちょっと疑問です。というのは、「微妙な距離の場合、どうするんだ？」という問題があるからです。　例えば、松本から東京へ向かった場合、中央道経由の場合でも、諏訪湖SAで温泉にでも入っていたら、関越まわりと同じぐらいの時間がかかる訳ですし、東京方面から長野にスキーに行くような場合でも、SAから出ずにアクセスできるスキー場「佐久スノーガーデンパラダ」に寄って半日滑ってたら、中央道を回った料金を課金されてしまうことにもなりかねないわけで、ETCで通っちゃったら気がつずに申告できないなんてことも起こりうるわけですね。　となると、時間を加味して判断するケースを限定する必要が出てくるはずで、それはどの範囲にするのか、時間のしきい値はいくらにするのかなど、複雑な問題がインターの数の組み合わせぶんだけ出てくる訳で、本当に可能なのかという疑問が出てくるんですね。　先日の電話は一般ユーザーとしてかけましたので、どうも「その場しのぎ」の対応をされたような気がしてなりません。いずれ実験してみようと思います。　それはさておき、圏央道で関越と中央道がつながったわけですが、実際に国道16号線を川越から南下するクルマ（特に大型トラック）には、八王子ICから中央道利用／横浜方面行き／厚木から東名高速利用の３パターンがあるわけで、八王子から厚木までつながらないと（この間に高尾山トンネルがあります）大きな効果が無いようにも見えますが、実は東名方面に行くには良いルートが、すでにあるんです。　圏央道から八王子で中央道に合流したら、大月を経由して河口湖に抜け、東富士五湖道路を通れば、須走まで高速国道が利用できるんですね。そこから東名御殿場ICまでは10km足らずですから、橋本から１２９号線を南下して厚木から東名に乗るより、はるかに短い時間で御殿場まで行くことができます。　問題は、東富士五湖道路の通行料金が高いこと（乗用車1040円／特大車3780円）なんですが、圏央道を経由した緑ナンバー車に限って割引料金を設定するというロードプライシングも十分あり得る訳ですね。　さらに、須走から御殿場まで高速国道で結んでしまえば、高尾山にトンネルを掘ってまで圏央道八王子～厚木区間をつなぐ必要は無くなることも考えられます。なにしろこの区間が開通したとしても、八王子から横浜方面に向かうクルマは相変わらず16号を利用するしかないわけで、東名に向かうクルマさえはけてしまえば、この区間の圏央道の必要性は大幅に減る訳ですから。　日本を代表する観光地にトラックを誘導するのもどうかという問題もありますが、実際、すでに河口湖ICから富士山の西を回って富士ICから東名に入るクルマもけっこういるわけで、むしろそうした一般道を通る大型トラックを自動車専用道に誘導できるメリットも勘案すると、それなりに効果の期待できる対策だと思います。　どなたか協力してくれそうな国会議員に……と思ったら、以前、協力してくれていた皆さんはすでに前回の選挙でみんないなくなっちゃってたりして(^_^;、７月２９日の参議院選の様子を見て、脈のありそうな人に頼みに行こうと思います。

  Jun 26, 2007

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• 続・東京大気汚染裁判・国交省の対策案を検証する

  みなさん、こんにちは(^^)/。　表題の件、１２億円という和解金が提示されましたね。被害者の医療費や生活保障、これまでの苦痛に対する慰謝料などを勘案すると、なかなか「和解する」とは言いにくい数字かも知れません。　トヨタは「高い」と言ったそうですが、営業利益２兆円を受けて役員報酬を１．４倍にできるくらいなんですから、度量の大きいところを見せていただきたいものです。　さて、アクアラインの料金割引ですが、国交省の対策案の選択肢には入っているんですねぇ。　ただし問題は、その金額です。湾岸線と館山道が合流する宮野木JCTまでは「どちらを通っても同じ金額」としない限り、大きな効果は期待できないでしょう。

  Jun 23, 2007

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• つながる圏央道の効果的利用法（つづき）

  みなさん、こんにちは(^^)/。　表題の件、せっかくですので、NEXCO中日本に電話してみました。　結果は、「所要時間で判断しますから、どちらを通ったかわかります」　とのこと。　あきる野～八王子間の最短距離では約20kmですが、長野道回りなら400数十キロあるので、所要時間が長い場合は長野道回りとして料金を請求されるのだそうです。（所要時間のしきい値が何時間かは聞き忘れました）　しかし、もしも最短距離で走ったとしても、途中で仮眠を取ったり、故障で時間がかかったりすることもあり得るわけで、その点について聞いてみたら、「その場合はお客様から申告していただきます」　とのことでした。　そこでさらに、申告の信憑性はどうやって担保されるのか聞いたところ、「お客様を信用するしかありません」　だって(^_^;。　確かにあきる野～八王子間にはSAやPAはありませんから、「仮眠してた」というのは不自然かもしれませんが、現実には西八王子バス停でETCの割引時間帯待ちをするクルマがたくさんいる訳で、「あそこで仮眠してたら寝過ごした」って言われちゃったらどうするんでしょうか。　ともあれみなさん、ウソついて料金踏み倒しちゃダメですよ。

  Jun 22, 2007

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• つながる圏央道の効果的利用法

  みなさん、こんにちは(^^)/。　また２ヶ月も放置してしまいました。昨日、仕事が一段落して手帳を見たら、５月９日から休まず働いていたことがわかりました(^_^;。　さて、表題の件。明日２３日１５時に、圏央道あきる野～八王子間が開通し、関越自動車道と中央高速がつながることになりました。八王子城趾の下にトンネルを掘ってしまった件については、いろいろ思うところもありますが、今回はその点は置いておきます。　圏央道は外郭環状道路とは異なり、中央道・関越道との乗り継ぎの際に、料金所がありません。ということは、以下のような利用方法が考えられるということです。　例えば、東京から松本に、荷物を運ぶことを考えてみましょう。　松本行きの荷物を積んだトラックAを、あきる野ICから関越道を通って走らせます。一方、東京行きの荷物を積んだトラックBを、豊科インターから高速に乗せ、梓川SAに待機させておきます。　そして梓川SAで両者を合流させ、お互いの荷物を積み替えます。　さらに、豊科から高速に乗ったトラック（東京発松本行きの荷物が積んである）を松本ICで下ろし、東京からやってきたトラック（松本発東京行きの荷物が積んである）は、中央道を経由して八王子ICで降ろします。　すると、Aのトラックは豊科から松本までしか高速を利用していませんから、料金は350円（小型）、Bのトラックは青梅から八王子まで利用したことにしかなりませんから、こちらも最低料金で済むことになります。　なぜそんなことになるのかといえば、現在のICのほとんどは、集約された料金所を通過してから、上り線か下り線に分かれるようになっていますから、実際にどちらまわりで行ったのかは、わからない仕組みになっている（利用時間が不自然ではありますが）んですね。　これが違法行為にあたるのかどうか、正確に調べていないからわかりません（※）し、あくまで可能性を書いたものであり、お勧めしているわけではありません。荷物の積み替えコストも勘案してメリットを考える必要もありますから、見合うかどうかもわかりません。※：荷物の積み替えを行わず、運転手同士がチケット交換を行えば、明らかにキセル行為になります。　ともあれ、いずれ高速道路会社は、何らかの対策を迫られる（また余計なコストがかかる）ことになるのではないかと思いますよ。

  Jun 22, 2007

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• 東京大気汚染裁判・国交省の対策案を検証する

  　本日午後、東京大気汚染裁判の和解案が東京高裁から出されることになっています。同原告団からは、以前「東京都のディーゼルNO作戦を総括してくれ」と講演依頼されたこともあり、この裁判に関する情報は、なるべくウォッチするようにしておりました。　先日、高裁の和解案に先立って国土交通省から今後の対策案が出されたので、ちょっとこれを検証してみようと思います。その内容は、毎日新聞の報道によれば下記の通りです。　国土交通省は交通円滑化のため、首都高速中央環状線など３環状道路整備に加え、首都高速と国道でボトルネック解消やバイパス整備、交差点改良を進めるとした。湾岸部へのロードプライシング実験、自転車利用環境の整備なども掲げた。大気汚染の激しい個所を具体的に挙げ、大気観測局７カ所の増設や道路緑化の促進も提示した。　まず「３環状の整備」です。３環状とは、圏央道／外郭環状道路／首都高中央環状線の３つを指します。　確かに道路を整備して交通を円滑化すれば、不必要な滞留や加速が減り、排ガス汚染も減りそうなイメージがあります。しかし一方で、これまでの道路拡幅政策では、逆に潜在交通需要が喚起されて交通量が増え、大気汚染が増えてしまうという歴史の繰り返しでしたから、効果があるかどうかは疑問視したほうが良いでしょう。　一方で、現在は人口も減り始めており、潜在的な交通需要そのものがかつてほど多くはないと考えられますから、これまでの例をそのまま当てはめることはできないのも事実です。　ただし、ひとつ確実に言えることは、「いくら高速道路を整備しても、料金に見合った利益が得られなければ、そちらに誘導することは不可能」ということです。　これは国交省案の「湾岸部へのロードプライシング実験」につながる話なのですが、これは湾岸線の通行料金を安くして、都心を通るクルマをそちらへ誘導しようと言う政策です。　ところが現在、湾岸線は東京港トンネルで慢性的に渋滞しているという状況ですから、時間短縮のメリットは得られず、通行料金をタダにするならともかく、少し安くしたぐらいでは、誘導するのは恐らく不可能だと思います。　そこで活用したいのが、東京湾アクアラインです。ご存知の通り、通行料金が高すぎるため（対距離では通常の高速道路の約10倍）、利用台数がさっぱり伸びないのが現状です。　一方で、首都高湾岸線を通るトラックの中には、千葉市周辺の物流／工場地帯や成田空港へ向かうクルマが少なくないのですが、距離だけ考えれば館山自動車道とつながっているアクアラインを通るのは、むしろ合理的なんです。　つまりこの部分を、JRがそうしているのと同じように『どこを通ったかに関わらず、入り口と出口の最短距離で料金が決まる」というようにすれば、アクアライン経由で千葉／成田方面へ向かうトラックが増え、湾岸線の渋滞緩和に大きな効果があると思うんですよね。　ところが、これでは通行台数の絶対量が増える訳ではありませんから、アクアラインの料金を下げただけ、高速道路会社の収益は減ることになり、実施することは難しいでしょう（そうした意味でも、道路公団は民営化するべきではなかったのです）。　ボトルネック解消やバイパス整備、交差点改良などは、本来、高速道路の整備より先にやるべき施策だったはずですから、むしろ「遅きに失した」感が否めません。　気になるのは、いずれも「作る対策」であり、モーダルシフトによる交通量そのものの削減が、全く謳われていないことですね。物流をトラックばかりに頼るのではなく、鉄道貨物や船運を復活させて交通量そのものを減らして行かなければ、大きな効果は期待できないのではないかと思いますよ。

  Jun 22, 2007

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• 書評「交通事故はなぜなくならないか」

  　みなさん、こんにちは(^^)/　表題の本（詳細は下記）、先日、ようやく読了しました。題名：交通事故はなぜなくならないか副題：リスク行動の心理学著者：ジェラルド＝J＝S＝ワイルド訳者：芳賀　繁（立教大学心理学部教授）　内容は、ワイルド氏の提唱するリスク　ホメオスタシス理論の再検証が主であり、このブログの３つ前と４つ前の日記に書いてあることとおおむね同じですが、本書では「どうすれば事故を減らすことができるか」という部分にも踏み込んでいます。　そしてそれは、「各自のリスク受容基準を下げさせること」であり、それには「安全な行動に対して報償（インセンティブ）を設定する」ことが効果的であることが、実例を交えて述べられています。　が、本書の神髄は、実はもっと深いところにあるのではないか、と感じました。表面的に読めば、副題の通り、リスクに対する人間の行動パターンを解析した仮説の検証としか思えません。しかし行間を読みながらページをめくって行くうちに、これは非常に優れた哲学書なのではないかと感じるようになりました。　そしてそれが間違いでなかったことは、訳者あとがきの末尾に、きちんと結論付けられていたのです。以下、抜粋いたします。《P293より引用》「現在の価値が高ければ、時は金なりで、先急ぎをし、安全装置や予防措置を節約し（※１）、今すぐ欲望を満たそうとする。今現時点での充足のために、安全を犠牲にするだろう。反対に未来の価値が高ければ、将来もっと豊かになるために現在の楽しみを我慢し、明るい未来を守るための努力をする。したがって、行動は慎重になり、浪費より貯蓄を選ぶだろう（※２）」（第１２章）　最後に引用した文章は、「格差社会」と呼ばれる現在のわが国の世相を理解する助けとなるように思われる。犯罪、悪質な交通違反、幼児虐待の増加、マナーや社会的ルールを平気で無視する人の増加は、未来に希望を持てない人々が増えているからではないだろうか。犯罪や違反の取り締まり強化、罰則強化、監視カメラ設置、セキュリティー対策の技術よりも、未来に希望の持てる社会の実現こそが、抜本的な対策であろう。《引用ここまで》■安藤注※１：「安全装置や予防措置による効果を利益のために費やす」という意味であると思われる。※２：「安全マージンの浪費を避ける」ことを比喩的に（しかし同じ意味で）言っているものと思われる。　それから、いわゆる「偉人の言葉」が章ごとの見出し下に付けられているのですが、以下の言葉は、法律というものの本質を突いていると感銘を受けました。「モラルが無ければ、法律に何の力があろうか？（ホラティウス『歌章』）　「規制をしたいなら、法律を作ればいい」と言い放つ某IT関係者、「法に則って適切に処理している」と言ってはばからない某大臣と某首相に、ぜひ噛み締めていただきたい言葉です（理解できないかな(^_^;）。　というわけで、本章には専門用語や数式が出てきたり、翻訳本特有の読みにくさがところどころ出てきたりもしますが、わからないところを読み飛ばしても、得るものが多い本ではないかと思います。ぜひおすすめしたいところですが、玉にきずなのはその価格。3,500円もするんですよねぇ(^_^;。

  Apr 19, 2007

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• パジェロ3.8lの燃費

  　みなさん、こんにちは(^^)/。　先日、ご報告したi MiEVの取材の際に、東京から岡崎まで行く脚として、三菱さんがパジェロのロングを用意してくれました。そこでチェックした実用燃費をご報告します。　田町の三菱自工本社前から男６人が乗り込み、最初はSカメラマンが運転。ちょい渋滞の都内と首都高を抜け、追い越し車線をそこそこの（数値は想像して下さい）ペースで走って、海老名SAまでで6.5km/lでした（車載燃費計による）。　そこで、ドライバーを安藤に交代。取材開始時間まで余裕があったので、特に飛ばすこともせず、メーター読み100~110km/hでていねいに運転した結果、三方原PAでドライバー交代するときには8.0km/lまで伸びておりました。　その後もドライバー交代をしながら似たようなペースで往復したのですが（帰りの大和トンネルでは16kmの渋滞がありました）、最終的に三菱本社まで帰ってきたときの燃費も8.0km/l（総走行距離は約700km）。走行中には8.1が表示されることもありましたが、恐らくこのあたりがパジェロV6 3.8lエンジン車の遠出時の実用燃費ではないかと思われます。　　ちなみに、かつてGDI3.5lのパジェロ（ショート）で福島を往復した際の燃費が8.2km/lでした。このときは一人乗車で、車重の軽いショートという有利な要素と、途中で加速チェックをしたり、ワインディング走行をしたりという不利な要素がありましたから、単純に比較することはできないと思いますが、この値から考えても現行モデルの数値は「立派」というべきでしょう。　もうひとつおまけに、サードシートの乗り心地も報告しておきます。身長が180cm少々ある安藤では、膝を抱える「体育座り」になるため、脚部の重さまでお尻にかかってしまい、お尻が痛くなって１時間が限界でした(^_^;。　一方、同行した165cmぐらいの方は「これなら問題なく座れる」とおっしゃっていましたので、たぶん快適体形は170cmくらいまでなんじゃないかと思います。

  Apr 3, 2007

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• 三菱の電気自動車「i MiEV」に乗ってきた。

  　みなさん、こんにちは(^^)/。　三菱自動車が開発中の電気自動車「i MiEV（アイミーヴ）」に乗せてくれるというので、先日、岡崎まで行ってきました。i MiEVは軽自動車ｉをベースとした電気自動車です。　乗ってみてどうかといえば、走行性能的には「すぐ発売して！」というレベルでした。電気モーターはその特性上、回転数ゼロから回り始める瞬間に最大トルクを発生します。そしてその数値が180Nmと、1.8l車並みにありますから、加速が悪いはずはありません。むしろ「違和感が無いように、加速性能は抑えた」というくらいです。　雨のため最高速は試せませんでしたが、メーター読みで140km/hくらいと、ｉのガソリンターボ車同等とのこと。これは軽自動車登録を目指しているため、最高出力を自主規制上限の46kwに抑えているためで、最高出力が同じなら、最高速は同じになって当然ですね。　感心したのは、操縦安定性と乗り心地が大幅に向上していること。ガソリン車に対して180kgほど重くなっているのですが、それがホイールベース間の床下に搭載されているため、重心が下がってロール方向の安定性が高まっているのです。同時に、相対的にバネ下重量が軽くなっているため、乗り心地にも落ち着きが出ています。ミッドシップによるロングホイールベースとセンタータンクレイアウトを採用したｉというベース車のメリットが最大限に生かされていると言えるでしょう。　もちろん騒音や振動レベルは非常に小さく、モーター特有の高周波音こそ出ますが、そのレベルは極めて低いです。　電気自動車懸案の、航続距離（１充電あたり走行可能距離）と充電時間ですが、前者は130km、後者は急速充電で20分（80％充電）、家庭用200V３層交流で５時間ということです。　航続距離は10・15モードの値です。実走行で空調やオーディオ、ヘッドランプやワイパーまでフル稼働させた場合、恐らく最悪条件では60km程度になるのではないかと思われます。特にエンジン廃熱が利用できない電熱ヒーターの消費電力が厳しいようです。　で、問題は、この航続距離をどう考えるかなんですね。「60kmじゃ、これまでのガソリン車の代わりにはならないじゃないか」　と考えるか、「日常の脚として使うなら十分」　と考えるのか。　ぼくなら後者で考えます。　三菱の調査では、軽自動車の１日あたり走行距離は、多くても30km程度というデータもあるそうです。30kmはちょっと少ないような気もしますが、最悪条件で60km走れれば、実用上の問題は無いと思われます。　走行性能があまりに素晴らしいため、ファーストカーとして多くを求めたくなってしまいますが、それが達成できずになかなか世の中に出て来れないというのは、むしろもったいなく思います。特に電気自動車のメリットは、減速時にエネルギー回生できることや、走行中の排ガスがゼロであることです。高速走行時の効率は、最新のディーゼルもかなり高い水準にありますから、そこで比較するのは得策ではないでしょう。　ちなみに商品化目標時期は2010年までのなるべく早い時期、価格は200万～150万円を目標にしているとのことです。軽のターボ車が150万円くらいすることを考えれば、200万円の価値は十分にあると思います。　200万円じゃ利益は出ないでしょうけれど、仮に250万円の定価でも、政府からガソリン車との差額の半分が出ますから、ユーザー負担は200万円になります。走行性能からすれば「そのくらいなら、出してもいいな」と思える仕上がりでした。　また、　燃料代は、深夜電力を利用すれば、ｉのガソリンターボ車の１３分の１とのこと。年間8000km走行（片道15km通勤×22日×12ヶ月を想定）なら、約６万円、浮くことになりますから、８年乗れば元が取れてしまいます。　リチウムイオン電池のサイクル寿命が今後の課題となりそうですが、期待して待ちたいと思います。

  Mar 30, 2007

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• リスク　ホメオスタシス理論、ようやく翻訳される！その２

  みなさん、こんにちは(^^)/。　その１の続きを、以下に貼付けます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　こうした電子制御技術を駆使した新しい安全技術の開発は、国土交通省（中でも旧運輸省）の音頭取りでも行われている。ＡＳＶ（Advanced Safety Vehicle＝先進安全自動車）プロジェクトと呼ばれるものがそれで、'91年から第１期五カ年計画が始まり、'96年から第２期、'01年から第３期五カ年計画が進行中である。現在、国内13の自動車・二輪車メーカーと、複数の大学及び研究機関が参画しており、前出の技術の多くはその中から生まれたものだ。　ＡＳＶは、自動車と道路交通のインテリジェント化を行うＩＴＳ（Intelligent Transport Systems＝高度道路交通システム）の一環であり、最終的には旧建設省のＡＨＳ（Advancet Cruise Assist Highway System＝走行支援道路システム）と協調することによって、交通事故の大幅削減を狙おうというものである。　交通事故のほとんどは、ヒューマンエラーに起因しており、電子制御技術を駆使してヒューマンエラーを排除することができれば、それだけ交通事故は減らせるという考えに立っている。　では、電子制御による安全システムをどんどん増やしていけば、本当に交通事故は減るのだろうか？　安全装置は年々、進化しているにも関わらず、自動車事故発生件数は、普及台数の伸びを上回る速度で増加していることは、既に書いた通りである。　これはいったい、なぜだろうか？　ひとつの回答として考えられるのが、リスク・ホメオスタシス理論である。　これは'82年、カナダの心理学者、Ｊ・ワイルドが提唱した学説で、「人間は個々にリスクの目標水準を持っており、道具や環境が安全になっても、そのリスク水準を維持するように行動する」というものだ。　すなわち、ABSやスタビリティ・コントロール装置が装備されてクルマが安全になると、ドライバーはその安全マージンを、速く・安楽に移動することに振り向けてしまい、事故を起こす確率は変わらないというわけだ。　この理論は、オーストリアの心理学者、Ｄ・クレベルスベルグによって反論が試みられている。その内容は、「人間の持っているリスク水準は、訓練や教育によって良い方向へ向けられる（から、必ずしもリスク水準が維持されるとは限らない）」というものである。　しかしこの反論は、裏を返せば「訓練や教育を受けないかぎり、リスク水準は環境に関係なく維持される」ということになる。クルマの場合はどうかといえば、新しい安全システムが開発されても、一般ドライバーにはそれについて、訓練や教育を受ける場は与えられていない。　となれば、現在のクルマ社会や道路交通においては、リスク・ホメオスタシス理論は極めて信頼性の高い理論であるということができるはずである。　事実、ABSが普及し始めた時期の交通事故データを調べたところ、ABS装着車の事故は未装着車に比べて少ないどころか、逆に多かったのである。ABSに対する誤解があったことを割り引いても、もはや自動車安全技術を開発するものにとって、リスク・ホメオスタシス説は無視することのできない理論なのである。　実はこれを裏付ける事実が、既に実現されている安全技術に隠されている。　例えば、追突事故軽減ブレーキシステムである。追突事故「防止」ではなく「軽減」であることに注目されたい。　技術的には現行のシステムでも、ブレーキをかけ始めるタイミングを速めるだけで、追突事故「防止」は簡単に実現できる。ところがそれをやってしまうと、ドライバーに「追突する前に車が止まってくれる」という油断が生まれ、追突事故防止システムは、「携帯電話運転支援システム」や「過労運転支援システム」になってしまう恐れがある。　だから、「ドライバーが操作しないかぎり事故を起こしてしまうリスク」は残しておかなければならないのである。　車線逸脱防止補助装置にしても、高速道路のレベルなら、「補助」ではなく完全な逸脱防止にすることも、技術的には可能である。しかしそれをやってしまえば、「居眠り運転支援システム」か、下手をすると「居眠り運転誘発システム」にさえなりかねない。過剰な自動化は覚醒度を低下させてしまうのである。　このことは'88年に、ＮＡＳＡ（National Aeronautics and Space Administration＝アメリカ連邦航空宇宙局）の「自動化原則」として指摘されている。　ＮＡＳＡの自動化原則とは、作業を自動化する際に、「してはならないこと」と「すべきこと」を４項目ずつ列挙した原則で、前者（してはならないこと）は、１．作業者に特有のスキルが必要で、生き甲斐を感じていること。２．非常に複雑であるとか、理解困難な仕事。３．覚醒水準が低下する自動化。４．不具合が生じたとき、作業者が解決不可能な自動化。　であり、後者（すべきこと）は、１．作業者が豊かになるような自動化。２．覚醒度が上昇する自動化。３．作業者のスキルを補足し、完全なものにする自動化。４．計画の出発時点から、現場作業者を含めて検討する。　ということだ。後者の２が、果たして具体的に存在するのかどうかは疑問であるが、全体としては傾注すべき指摘であることは間違いない。　あるいは将来、ふいの飛び出しにも対応できるようなＡＳＶができた場合、「歩行者や自転車は必ずＡＳＶ装着車がなんらかの危険回避行動をとると思って、交差点などで注意を払わなくなる恐れがある」という指摘も、日本自動車研究所からなされている。そうした場合、仮に衝突は避けられるようになっても、交通の秩序はめちゃめちゃになるだろう。　このように自動車の安全技術は、もはや技術的な問題ではなく、人間にとってどこまで必要であるか、どこまでが本当に有効なのかを考える「心理学の問題」「哲学の問題」という領域に踏み込んでいるのである。　にもかかわらず、政府は技術開発に偏重したＩＴＳプロジェクトを相変わらず進めている。大きな理由は経済成長。政府は'00年から'15年までのＩＴＳ市場を60兆円と試算しているのだ。「安全」という錦の御旗の下、この国は国民の命を人質に、今世紀もまだ右肩上がりの経済成長を目指そうというのか？（初出「Car In & Out（芸文社／休刊）'03/11号」）

  Mar 12, 2007

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• リスク　ホメオスタシス理論、ようやく翻訳される！その１

  みなさん、こんにちは(^^)/　多忙モードを抜けたらたちの悪い風邪を引き、治りかけたところで撮影の仕事で山に入ることになり、「意外に疲れなかったな」と思っていたら、みごとに風邪をぶり返しました(^_^;。　さて、表題の件。　かねてから安藤が傾倒し、ことあるごとに主張してきた「リスク　ホメオスタシス理論」に関する著書が、ようやく翻訳されました。「交通事故はなぜなくならないか―リスク行動の心理学」という本がそれです。　リスク　ホメオスタシスとは、ぼくは「危険率の恒常性」と訳しております。簡単に言うと、「人は固有の危険率を持っていて、道具や環境が安全になっても、その危険率が維持されるように行動する」というものなんですね。すなわち、クルマに安全装置がつけばつくほど、人はその安全マージンを「速く」あるいは「安楽に」移動することに振り向けるようになるため、事故を起こす確立は減少しないというわけです。　肝心の訳本は、まだ注文したばかりで読んでいないのですが、同理論についてかつて書いた記事の抜粋を以下に貼付けておきます。（10000字に入りきれないので分割します）・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・タイトル：自動車の安全技術は「哲学」「心理学」の問題になってきた副題：「リスク　ホメオスタシス理論」が意味するもの　トヨタがセルシオで、日産がシーマで、ホンダがインスパイアで追突事故軽減ブレーキシステムを市販化し、クルマの安全技術も新たな領域へと踏み出し始めた感がある。クルマの安全技術は、いったいどこまで行くのだろうか？　そこで今回は、クルマの安全技術の効用と限界、さらには予想される問題点にまで踏み込んで、論じてみたいと思う。　クルマの安全性には３つの段階がある。ひとつめは、ぶつかってしまった後、乗員の被害をどれだけ軽減できるかという「衝突安全性」。ふたつ目は、危険な状態に陥ったとき、衝突を回避できるかどうかという「能動的安全性」。３つ目は、危険な状態に陥ることそのものを防止する「予防安全性」である。　前者から順に、「２次安全性」「１次安全性」「０次安全性」と呼ばれることもある。最近はこれに加えて、交通弱者に対する加害安全性を「３次安全性」として定義するメーカーも出てきている。　これまで市販化されてきた安全技術の多くは、衝突安全性に関わるものだ。ヘッドレストやシートベルト、衝撃吸収ボディやエアバッグなどがそれである。　これらの安全装備の普及は、確実に効果を上げてきたように見える。交通事故死者数は1992年以降減少を続け、'95年を最後に年間１万人の大台を下回り続けているのである。　しかし一方で、交通事故の発生件数と負傷者数は、'77年にいったん底を打った後は増加の一途をたどり、'77年には約46万件だった交通事故発生件数は、'01年には約95万件、負傷者数は約５万２千人が約11万８千人と、２倍強に増えている。　これらのことから、10年ほど前からクルマの安全技術の開発は、衝突安全性重視の段階から能動的安全性重視の段階へと進んできた。そこでまず、どんな技術が実用化されてきたかを振り返ってみよう。　'95年ごろから急速に普及が進んだのがＡＢＳ（アンチロックブレーキシステム）だ。　クルマに限ったことではないが、タイヤは転がっている間は向いている方向に進めるが、ロックしてしまうと、向きとは関係なく、慣性力の働いている方向に滑り出してしまう。ミニバイクや自転車で後輪をロックさせ、向きが変わらないはずの後輪が、あらぬ方向へ行ってしまった経験のある人は少なくないはずで、それはこうした特性が原因である。　クルマは一般に、前輪が先にロックするように設計されるのだが、そうなると全力制動したときに、前輪がロックしてハンドルが効かなくなる。そこで、ロックするギリギリのところでブレーキを解除し、タイヤが回りだしたらまたブレーキを強めるという動作を繰り返し、つねにタイヤの回転を維持してハンドルの効きを確保しようと考え出されたのがＡＢＳである。　だから「短い距離で止まれる安全なブレーキ」では決してないし、パニックにならずに最後まで冷静にハンドル操作ができなければ、装着されていても意味がない。しかも「左に歩行者、右に対向車」というように、ハンドル操作をしても逃げる場所が無いケースも少なくないから、過信は禁物である。　ＡＢＳを効果的に働かせる装置が、ブレーキアシストだ。　従来のクルマにも、ペダルの踏み込み力をアシストする真空倍力装置は付いていたが、ブレーキアシストは、ペダルの踏み込み力が一定値を超えるとアシスト量を増加させ、より軽い力でＡＢＳが作動するフルブレーキング状態に持ち込むことができる。　緊急時に全力ブレーキが踏めない人のための装備であり、筆者としては、そんな人でも免許が取れる制度に問題があるのではないかと思うが（自動二輪の試験には急制動があるが、クルマにはない）、各メーカーがこぞって採用しているところを見ると、神社のお札程度の役には立っているのだろう。　最近、急速に装着車が増加しているのが、スタビリティ・コントロールシステムだ。　オーバースピードでカーブに進入したとき、曲がりきれずにコースアウトしてしまったり、スピンしたりすることを抑制するシステムで、ＥＳＰ、ＶＤＣ、ＶＳＣ、ＶＳＡ、ＤＳＣなど、名称はメーカーによってまちまちである。　車速とハンドル角から、本来、発生するべき遠心力や回頭（向きを変えようとする）速度を計算し、センサーによって計測された実測値と比較。回頭速度が遅すぎる＝カーブを曲がりきれないと判断すると、内側のタイヤにブレーキをかけて向きを変えるアシストをし、逆に、回頭速度が速すぎる＝スピンする危険性があると判断すると、外側のタイヤにブレーキをかけてスピンを食い止め、安全にコーナーを走り抜けるためのアシストをする。　筆者もサーキットにおける試乗で、高速域からかなり乱暴な操舵をしてみたことがあるが、クルマの姿勢は破綻することなく、なかなか有効なシステムであることがわかった。　しかしこのシステムも、タイヤのグリップ限界以上のことはできないため、一定以上のオーバースピードには対処不能となるし、そうなったときの事故の規模は通常のクルマより大きくなるから、やはり過信は禁物といえるだろう。　そして現在は、クルマの安全技術はさらにステージを上げ、予防安全性の領域に踏み込み始めた。　広義の予防安全性というと、撥水フロントガラスや高輝度放電灯（ＨＩＤ）といった単純な視認性向上装置も含まれるが、本稿では電子制御技術を含むものに絞りたい。　少し前に話題となったものといえば、キャデラックが2000年に発表した「ナイトヴィジョン」だろう。　これは、軍用に普及している赤外線暗視技術を応用したもので、赤外線カメラで捉えた映像を、フロントガラスに設けた小さなスクリーンに映し出すものだ。発生する赤外線が強い物体ほど白く映るので、暗やみの中でも動物が発生する体温を検知して映像化することができる。到達距離は、ハイビームの約２倍に達する。　しかし日本においてこの装置が有効かどうかというと、疑問を持たざるを得ない。この装置は、障害物の無い前方にのみ有効であるのに対し、交通事故は見通しの悪い交差点の出合い頭等、側方から、あるいは至近距離の死角から出てくる車両や歩行者との間で引き起こされているものが圧倒的に多いからだ。　筆者も実際に夜間に試乗してみたことがあるが、街中では、日中に太陽光線で加熱された電柱や、前走車のマフラーやタイヤ面、自動販売機など、熱を発生しているものがやたらと映り込み、何が危険なのかわかりにくいという問題もあった。　アメリカやカナダなど、森林地帯のフリーウェイ走行中に、ヘッドランプの照射範囲外から飛び出してくる野生動物を発見するのには都合が良いかも知れないが、日本において交通事故統計の数字が動くほど効果のあるものとは思えなかった。　現在、注目が集まっているのは、冒頭に述べた追突事故軽減ブレーキシステムである。これは車間距離警報装置に自動ブレーキ装置を組み合わせたもので、追突の可能性があるときに警報で注意を促し、追突が避けられないと判断したら自動的にブレーキがかかる。「衝突前の安全性」ということから、プリ・クラッシュセーフティと呼ばれているが、予防安全性と能動的安全性を融合させた技術である。　しかも、同じ能動的安全性でも、ＡＢＳやブレーキアシストなどのようにドライバーが操作を行った後にアシストが行われるのとは異なり、ドライバーの操作以前にアシストが介入し、衝突そのものを軽減しようとしている。それが冒頭で「新たな領域に踏み出した」と書いた所以である。　特にホンダのそれは、警報にシートベルトの引き込みを使ったところが新しい。音声のみの警報だけでは、覚醒度が低下している場合には効果がないケースも考えられる。そこでシートベルトを２～３度引き込むことによって、体に直接、刺激を与えて注意を促すのである。　しかも、ほぼ心臓のある場所に、たたかれるような力が加わるから、効果は満点。よほど鈍い人でもないかぎり、それが警報であることに気づくはずだ。　ただし　このシステムにも懸念材料はある。ブレーキをかけるタイミングが、舗装された乾燥路面を前提に設定されており、制動距離が伸びる濡れた路面や雪道にはまだ対応できていないのである。これをドライバーが認識していないと、「追突事故誘発システム」になってしまうことも、十分考えられるのである。　また、乗用車３社から競うようにして出されたこのシステムだが、むしろ大型トラックに先に採用されるべきではなかったかという声は、筆者の周囲からも数多く聞かれる。　追突事故軽減ブレーキと同様に、ドライバーが操作を行う以前に介入を行うのが、車線維持支援システムである。道路に引かれた白線をカメラで読み取り、左右どちらかに寄りすぎると、車線を維持する方向にハンドルを切る力が自動的に働く。設定されたアシスト量では車線を逸脱すると判断すると、警報音を鳴らしてドライバーに注意を促す。（つづく）

  Mar 12, 2007

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