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カテゴリ:フランスワイン
「あんまりソワソワしないで~」
ソワソワはしていないんだけど、ゴソゴソしていた姉男です。
「せっかく美味しそうなラムを食べるんだから...」と、 セラーでワインをあさって、ごそごそ...。 気分的には果実味のあるボルドーが飲みたい...と出てきたのが、コレ。 Chateau Fourcas Hosten (シャトー・フルカ・オスタン)2005 ご存じエルメス所有、今は無き表記の幻の格付け、メドックのクリュ・ブルジョワ・シューペリュール(※1) 去年の秋あたりに飲んだ時、果実味リッチだけど太り過ぎていなくって、美味しかったんだよな~。
以下詳細情報 ●ChateauFourcas Hosten (シャトー・フルカ・オスタン) 収穫年:2005年 生産国:フランス(ボルドー地区AOCリストラック・メドック※2) (格付け:クリュ・ブルジョワ・シュペリュール) 生産者:シャトー・フルカ・オスタン 輸入元:株式会社ホクレン通商 購入店:大丸札幌店(ワインフェア) 購入価格:3307円 アルコール:13% ブドウ品種:メルロー45%、カベルネ・ソーヴィニョン45%、カベルネフラン10% (フレンチオーク12か月熟成、新樽割合3割ほど)
色: 暗く濃いガーネット(グラスの底が見えないくらい)。煉瓦のニュアンス。エッジから少しグラデーション。粘性は中。
香り:抜栓直後は腐葉土、枯葉、タバコ、なめし皮、杏、ドライイチジク、ドライハーブ、干しかかった肉、しおれた花、鉄系金属。 5分後にドライプルーン、プラムジャム、馬の汗も。20分後に黒コショウ。 1時間経つとチーズの風味も。 抜栓直後は果実香は少なく、直線的に上がってくる茶色系ニュアンスの熟成香とスパイシーさが中心だったが、徐々にジャムとドライ果実が入り混じった温かみのある果実香が柔らかく香ってくる。時間ごとにめまぐるしく香りの姿を変え、複雑。 ただ、昨年秋に飲んだ同ビンテージのものよりも熟成香が出過ぎている印象。
味わい:厚みがあるが落ち着いてやわらかい果実味。アルコール由来のホット感とスパイシーさあり。タンニンはやや丸みあり、こなれてきているものの、まだ渋みを帯びて豊富。しなやか酸で、味わいはクール。ドライでミディアムアッパー。 やはり抜栓直後は果実味が出てこず、スパイシーさが目立っていたが、10分経つとプラムジャムのようなフルーツが一斉に前面にでてきて、バランスが良くなった。肉が欲しくなる、やや筋肉のしまった味わい。アフターに、ヴァニラとコーヒーが溶け込んだであろうココア風味も出る。 リーデルのボルドーグラスだと、香りが一層温かみのあるものになるが、味わいは涼しげで心地イイ(リーデルグラスでは1時間15分後に香り、味わいとも本領発揮)。 単体で飲むと気にならなかったかもしれないが、やはり昨年秋の同ビンテージと比較すると、少々熟成が早い印象。本来、あと3年位大丈夫だと思っていたけれど、今年中かな? (前回のもっとリッチでふくよかな印象とはちょっと変わったなぁ。)
でも思惑通り「ラムチョップの香草パン粉焼き」に合わせると、バターの香りがふくらみ、ローズマリーの風味と相性ピッタリ。 落ち着いた果実味がラムの味をさらに引き上げてくれてました。
今日は満月、月に向かってワォーンな満足感はあり、でした。
※1クリュ・ブルジョワ・シューペリュール~ フランスのボルドーの左岸、メドック地区にある8つのAOCのうち、グラン・クリュ・クラッセ(Chラフットやムートン、ラトゥールなどの第一級から第五級までの61シャトー)以外の格付け。 公的には2000年にフランス農業省が承認。2003年に見直しが行われ、「クリュ・ブルジョワ」の公式格付けとして247シャトーを承認(また、クリュ・ブルジョワにさらに3等級に格付けされ、上からクリュ・ブルジョワ・エクセプショナルが9シャトー、クリュ・ブルジョワ・シュペリュールは87シャトー、クリュ・ブルジョワが151シャトー)。 つまり、2005年当時にはクリュ・ブルジョワのなかで「2番目にいい等級ですよ~」ということ。 (以降は余談ですが...) にもかかわらず、2007年に裁判により公式格付けが無効になり、2007年ヴィンテージからは『クリュ・ブルジョワ』という表記は禁止に! その後の2009年、政令により新しい「クリュ・ブルジョワ」が認められ、2008年ヴィンテージからは「クリュ・ブルジョワ」という表記が復活しました。 ただし、前回のような等級格付けとしてではなく、あくまで優劣のない横並びの認証(Reconaissance de crus bourgeoisルコネッサンス・ド・クリュ・ブルジョワ~日本語では「クリュ・ブルジョワ認証」)として復活 (それによって前回クリュ・ブルジョワ・エクセプショナルとして認められていたシャトー『プジョー』『シャス・スプリーン』などの9シャトーは、「もうクリュ・ブルジョワは結構です」と自主的にクリュ・ブルジョワを抜けてしまいました)。 また、前回の格付けとしての性質が違い「クリュ・ブルジョワ認証」は、シャトーに与えられるのではなく、ビンテージに対しての認証。なので、表記したいシャトーは毎年、審査に合格する必要があるのです。 ちなみに最新では2009年ヴィンテージ。246シャトーの銘柄が認証されています (2010年ビンテージの認証リストは、2012年・今年の秋以降発表予定)。
ですから、クリュ・ブルジョワ・シューペリュールという表記は「今は無き...」なんですね。 ちょっと、ややこしいですね(笑)。
※2リストラック・メドック~メドック地区のAOCサン・ジュリアンとマルゴーの間、ジロンド川より少し奥まった西側のコミューン。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年06月07日 15時45分27秒
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