婚活ブログ　ニッポンの婚活ビジネス（元）最前線

[ちょっとした仕事術] カテゴリの記事

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• カットされにくい発言のコツ習得中。「私の何がイケないの？」

  12月は「余裕！」のはずが、けっこう予定が次々と入ってくる。昨日は午後から夜まで、TBS「私の何がイケないの？」の収録。収録時間のうち、実際にオンエアされる部分は全体の1/3以下だと思う。取り上げられないやりとりや発言が大半。初めのうちは、どこで何をどう言えばいいのか手探り状態。で、回数を重ねるにつれ、取り上げられる発言、カットされにくい発言をするのは、そう難しくはないかもと思い始めている。全体の流れを見ながら、編集後に実際放映される番組の構成を意識し、ディレクターさんたちがどのように展開してどう締め括りたいかをイメージする。その流れの中で、まだ欠けているピースは何かを考える。特に、「So What?」的な締め括りコメントは、誰も発言していないことが多いので、早い段階でどうコメントするか仮説を練っておく。流れの中でも少しずつ修正する。あとはタイミングを見計らい、ぶつけるだけ。さらにデリバリーに際しては、質問投げかけ調などで話し始めて、司会の有田さんの注意を引き付け、カメラがこっちを向く数秒の猶予を与えることも大事（と、昨夜の打ち上げでTBS高野アナから教わった）。・・これって、御立さんがHBSでベイカー・スカラー（成績トップ10%優秀者賞）を取ったコツを著書で紹介されてたのと同じ。議論の流れに引きずられすぎず、事前に講義のシラバスを見たり複数回の講義の構成を見て、今回の講義のラーニングポイントを想像する。そこに焦点を絞った質問や発言をピンポイントで行う。これは、英語で不利な日本人のB-スクールでのサバイバル術。私も、番組での瞬発力や切り返しでは勝ち目ないし、キャッチ―なフレーズの生成能力も低いので、考えて準備するしかない。なんて、えらそーに言ってますが、実際には「飲み会の雑談」に近い感じの収録現場なのであります。ではまた。

  2011年12月17日

• 頭のいい子のノート拝見。President Familyより

  婚活とは関係ないトピックです。息子がまともに塾に通い始めたので、タイトルのような本をつい手に取って買ってしまった。カシコイ子どもがどんなノートを取るのかという特集号。これが、なかなかどうして、仕事、ビジネスに大いに通じる中味でびっくり。キーメッセージをいくつか記しておきます。・「ゴチャゴチャ」がミス誘発！「スッキリ」が大原則。→　筆算は丁寧すぎるくらいに書く。縦方向をきちんと揃えることでミスのリスクを減らせる。・マンガや吹き出しは理解の証し。→　歴史の事象や、貿易と物価の関係などを、チャート、矢印で表現し、そのうえ人の絵を描いて吹き出しで言葉を入れる。「物が少ないから仕方がありません」と書くことで、インフレの仕組みをきちんと理解できる。・全体像がわかっていれば、怖いものなし。専門用語は単品で覚えない。→　ひとつひとつはなかなか覚えられなくても、関係図や表にすれば「絵」として記憶できますだと。そのとーり。・成績が伸びるのは「いま間違えてよかった」と思える子。→　深い。。いやー、受験ってこっちも勉強になりますね。私は中学受験は受けたもののろくな準備をしなかったので、とても新鮮。コンサル時代、とてつもなく優秀だと思った人たちの、灘・筑駒といった中学受験最高峰の比率が高かったのが、今さらながら理解できる。ではまた。

  2011年04月14日

• プレゼンで緊張しないために。「お見合い」から応用

  プレゼンの場で、ビジネスの交渉の場で緊張するという人。けっこういらっしゃるのではないでしょうか。「お見合い1勝99敗」（吉良友佑さん/PHP新書）にて、お見合いの場で緊張しない工夫を紹介されていたのが「お、これ参考になるかも」、と思ったのでご紹介。お見合いは、初対面だし緊張する。そこで両方がカチカチにならないよう、少なくとも自分については「相手のために、自分が何をしてあげられるかに神経を集中する」そうだ。相手の女性のみならず、仲人さんも含めて何をしてあげられるか。別に大したことでなくてもいい。「何か質問されたら、その真意を理解して的確に答えてあげるようにする」。相手が会話に窮したら、こちらから話題を提供してあげる。エレベータに乗ったらボタンを押してあげる・・こうした小さな「してあげる」を積み重ねると、自分の気持ちに余裕ができてくるので、リラックスできる。相手や仲人さんに気持ちを集中できるので、場の空気の読みも鋭くなる。なるほど。緊張したり上がったりするのは、注意が自分自身に向かってしまっているということですね。「かっこよく見せたい」「堂々と振舞いたい」「スマートにこなしたい」・・・なんて自分を意識してるとどんどん緊張してしまう。相手や聞き手のことをひたすら考えていれば、あがるヒマもないということ。結果として、相手も好印象を持ってくれるので、お見合いもビジネスもプレゼンもうまくいっちゃったりするわけですね。ではまた。

  2011年02月17日

• 恋愛、婚活。考え続けると解は似てくる。

  昨日のエントリ、「自分磨きは、ほどほどに」。コメント欄にて、論旨が「婚活バカ矯正講座/嶋啓祐」（小学館）の内容とのご指摘。私は違う雑誌記事を読んでて着想し、「普通に考えて」書いたんですが、嶋さんの本は以前に読んでたので、頭の中にパターン認識が残ってたのかも。著者の嶋さんからは、同じコメント欄でご快諾いただいたので、よかったです。＊追記）いま、過去の講演したときの資料を見たら、こちらの本の出る前から「ワインスクール」「ネイル」「女子ウケ」というキーワードおよびストーリーを話していたことが判明。オリジナルです。（ｷﾘッ）で、せっかくなので、「普通に考えて」同じ論旨をたどった理由を考えてみた。著者の嶋さんと私は、キャリアや環境に共通点が多い。以下、共通にたどったであろう思考の道筋を想像。・世の中には、「なんかおかしい」けど、そのまま通っていることがたくさんある←この場面では、まったく男性にウケない自分磨き。女性はみんな明後日の方を向いて頑張ってしまっている。「それでほんとにいいのか？」と、漠然と疑問に思っている。・そうした実際の「痛い」事例に触れる場面がたくさんある←「んなことやってる場合じゃないだろー」と突っ込みたくなる場面が多数。そのたびに、勘違いを指摘してさしあげる。嶋さんは、本業はコンサルタントでありワインの会の主催者。たくさんの独身女性の婚活相談に乗る場面が多い。私も、セミナーの場での独身女性たちやオーネットの会員さん、アドバイザーたちの声を通して、現場に触れ続けている。・たくさんの事例から、どんな罠に陥ってるのか共通性を抽出し、因果を考える←「ああ、またきたか」。なぜこんなことに？直接的な理由は？心理状態は？背景は？何がそうさせてる？・・・現場情報を抽象化したり構造化するのはコンサルタントの基本スキル。恋愛や結婚は、世の中の人はあんまりマジメに突き詰めて考えたり議論をしたりしていない分野。考え続けることで、原因の因果関係が見えたり、根っこの真因にたどりついたりする。たとえば、「なんかおかしい」ことは、単純に「オトコ」と「女」という違う生き物の違う本能に起因していたりする。・抽出してきた真因や法則を、わかりやすい言葉や事例に落とし込んで伝えるのもコンサルタントのスキルセットの一つ。←抽象度を高めたら、今度は具体の事例やメタファーで人にわかりやすく伝える。違う業界や違う世界の話に喩えてみる。違うアプローチとしては、曖昧なもの、レベル感が見えないものを数字に落とし込んでみる。←違う業界分野に解決のヒントを探す。「戦略論」「マーケ」「社会心理学」「教育」「コミュニケーション」などなど、既に確立されている分野の応用ができないか探す。当てはまりそうなキーワードはないか考える。・・・て、かんじですね。これまで出ている婚活系の本で、「しっかり書かれてるなあ」というものはこの流れを踏んでいるものが多い。嶋さんは現場ネタも豊富なコンサルタントで歯に衣着せず、かつIT業界出身なのできっと左脳も強い。この思考の流れは「普通」であろう。で、この国や独身者、このままではマジやばい、という認識も同じなのでありました。。ではまた。

  2011年01月19日

• 土曜の朝に、何かが閃く仕組み

  土曜日の朝は、いつもと違う考えが閃くことが、ときどきある。それまでもやもやしていたことが構造化されたり、時間軸でのより大きな流れが見えたり。＊今朝の内容は、内緒である。企業秘密。人間の頭の中の海馬（脳の記憶中枢）は、寝ている間に頭の中の記憶の枝葉の部分を整理したり、意味ありそうなものをつなぎ合わせたりしてくれる。だから、まとまった睡眠時間は重要、というのは茂木健一郎さん、池谷裕二さん、三谷宏治さんもよく書いている。＊思うに、twitter、無料ゲームと、時間消費型ではまるもの、情報のインプット量がどんどん増えてる世の中では、みんな睡眠不足と情報過多のダブルパンチで海馬の機能が低下してはいないか？だから、政治も含めて、目先のこと、対症療法になってるんじゃないか？PCだって、長く使っているとどんどん動作が重くなりますしね。いらないものはどんどん忘却しないと。一方、たくさん寝さえすればいい、リラックスすればいい、というものでもない。まとまった量の体験やインプットをアタマに放り込んでおく必要はある。リアルな実体験ほどいい。読むよりも、実際に見て、聞いて、会って、会話して。なので、休みが連続する日曜の朝は弛緩しすぎていて、閃き現象は起こりにくい。まー、でてきた考えは、さらに一日置いて自分突っ込みしてみると実は大したことなかったりするんですけどね。少しずつ、進化であります。ではまた。

  2010年11月20日

• 資格取得準備と婚活の共通点。ユーキャンの方と。

  昨日は、オーネットHP上の婚活成功体験者に聞く口コミサイト、「婚活ほんとのところ」作りでお世話になってるベンダーさんのセミナー兼懇親会。花王、小学館、ヨネックス、アスキー、ポーラ（敬称略）・・・といろんな業界のマーケティングの方が一堂に集まってる。なかでも、私が着目してて、お話したいと思っていたのは、ユーキャンさん。なぜかと言うと、彼ら資格取得支援ビジネスと、我々結婚情報サービスは、実はマーケティングの視点がそっくりなのである。たとえば、こんな共通点。・自分を変えたい、今を変えたいという動機付け・ほんとにモノになるかどうか分からないものに、ある程度まとまったお金を払う・不慣れな分野なので、競合同士のサービス比較がどうすればいいのかわからない・信頼できる口コミがほしいが、どこのどんな意見を参考にすればいいのかよく分からない・気持ちが盛り上がるタイミングは、ふとヒマになったとき。何かの節目。なので、彼らは我々の書き入れどきと同じ年始に、ヘビーなキャンペーンをやる。今年の正月もみなさんご記憶にあるのでは？「フミダス」と称して、蒼井優やはんにゃ、佐藤隆太や友近などを使ったテレビCM。ファンキーモンキーベイビーズの歌が耳に残ってる方も多そう。そこで使われているメッセージ、ストーリー性、実はすべて結婚に置き換えが可能。実際、現実の生活でも、「将来不安だし、資格でも取らないとまずいかなあ・・でもそれより先に婚活かなあ・・」というつぶやきは多いはず。特に女性。なので、ユーキャンの方に、「実は、競合だと思ってウォッチしてるんですよ！（笑）」と話しかけると、「なるほど！学習系だけを競合だと意識してました、おもしろいですね」とのこと。まあ、競合も協働も表裏一体だったりします。またお会いして議論させていただこう。ではまた。

  2010年10月02日

• 数千人向け英語プレゼン。「できない人」向け準備のチップス共有。

  今朝は楽天全体の朝会にて、英語でオーネットの紹介やお願いごとのプレゼンをした。英語を使いこなせない人間として、本日置かれていた状況と、手前でどんな努力をしたか共有しておきましょう。（状況）●割り当てられたのは２分間。1分45秒時点で、チンベルが一回鳴る。2分でチンチーン。それを聞くと真っ白になってしまうかも。●伝えないといけないことはたくさんある。なので、スライドは5枚も作ってしまった。●日本語と違って、アドリブが効かない（日本語でも苦手だが）。言葉に詰まったら探すのが大変だし、ちょっとズレた言葉を見つけてしまったら、その後のフォローも大変になる。●朝会は、その場に数百人がぎっしり入っている。さらに日本中や海外の会場に中継されている。●朝会発表は初めて。なので、画面の端末の操作方法とか、マイクの使い方を知らない。壇上に立つと、どんな風景が広がるのかも知らない。・・・と、まあ緊張を促す要因には事欠かないわけである。どうするか、どうしたか。自分で形式知化しておこう。----------------------------------●説明スライドは、基本は自分で作る。少なくともファイナライズは自分でする。他人が作ったものだと、微妙に流れない。この「微妙」な違和感が、短時間プレゼンでは命取りになりうる。●読み上げメモは、もちろん作る。これも自分の言葉で。直訳しようとして辞書で不慣れな言葉を引っ張ってきたりしないこと。これまで聞いたことない言い回ししか用意できないなら、元のメッセージを修正してでも自分の言葉に置き換える。●メモは、言い出しに詰まりそうな「キーワードだけ」をハイライト。どうせ、実際には読み上げることはできない。ただの安心材料。それでも、ぱっと見れば単語が飛び込んできて救われるはず、という安心感の下支えが大事（実際、見なかった）。●練習するときは、声に出して。ストップウォッチを使って。アイフォンのボイスメモ機能はいいかんじだった。時間を測れるし、口元に持ってしゃべることでマイクを持つ擬似演習になった。どこをどう端折ると何秒くらい短縮できるのか、言葉に詰まると何秒オーバーするのか、その触れ幅のボラティリティを読んでおく。すると、「２ヶ所くらい言葉に詰まっても、せいぜい5秒しか変わらない」と分かって安心する。逆に、「思いついたよけいなことをつい挟んでしまうと、簡単に10秒単位でオーバーする」ことも分かるので、自制しなきゃいかんと自覚する。●早めに会場に行く。まだ人がいないうちに演壇に立ち、どんな風景が広がるのかイメージしておく。モニター画面の位置、キーボードの押しやすさ、マウスの形状をチェックする・・こんなかんじかなあ。結局、何をどう話したか覚えていない。まあ多少はウケを取れてたようなので良しとしましょう。ではまた。

  2010年09月13日

• インタビューの技。結婚の経緯の深掘り場面にて

  日曜日に、過去のグロービスのクラスで結婚が決まったカップルの記者会見（クラスのみんな向け）ランチがあった。内容そのものはここで書く話ではないが、その盛り上がりは何とか伝えたい。そこで、私自身がインタビューするときのスタイルや考え方、コツを形式知化する内容にしてみた。まず、切り出し。いくら馴染んだ仲間とはいえ、当人たちは硬いに決まってる。二人で「勝手なこと言ったら承知しないわよ」とプレッシャーをかけ合っている。この段階で、いきなり「プロポーズの言葉は？」なんて質問を投げかけてもダメ。まず引き出すのにとても苦労するし、聞いたところであんまり感動もない。表面的なやりとりで終始してしまう。なので、最初はある意味アイスブレイク。答えやすい質問、記憶が鮮明な質問で、かつ、みんなで共有できて盛り上がりやすい質問から投げる。なので、直近のメーリングリスト上で、二人が結婚を発表したときのことについて質問する。参加者もつい最近のことだし、全員がMLを追って共有してるので、誰も仲間はずれにならない。「初めて目にしたときの反応」、「誰は限定的な情報ですぐに察したか」、「誰は鈍感でダメダメだったか」などなど、盛り上がる。じゃあ、あったまってきたから、次は、プロポーズ話？いや、まだまだ。次。時系列で追いかける。聞く参加者にとってはあっという間の1.5年だが、当人たちには人生が変わった1.5年。どんな盛り上がりカーブを描いたのか、紆余曲折があったのか、聞き手と当人たちの認識ギャップが大きすぎる。しかも、当事者は二人。それぞれの盛り上がりカーブにだって差があって当たり前。これでは、準備なく話を聞いても、心から共感できない。ということで、時間軸で丁寧にイベントを追いかけ、ファクトを積み上げる。初めて二人だけで食事に行ったとき。経緯、きっかけ、それぞれの心の準備レベル、食事の場や支払いの場面でどんなやりとりがあったのか、具体的に、写実的に。これも、ファクトベースなので当人たちは答えやすい。しっかりやりとりまで思い出してくれる。ついでに、感情も口にしてくれるようになる。次のイベントは？その次は？・・・聞き込むイベントの回数が積み上げるうちに、二人の温度感の上昇が見えてくる。では、明確なティッピングポイントがあったのか、なし崩し的に盛り上がったのか。ここを解明したい。ティッピングポイントは、あった。あるとき男性が、「つきあってください」と明言した。女性は意表を突かれつつもシンプルに「はい」。「いまどき、こんなにハッキリ言ってくれるなんて、折り目正しくて好印象だった」とのこと。彼のほうは、「明確にすることでダメになるリスクもあると思った。でも、はっきりさせないと嫌だったし、ダメならまあいいかと割り切ってた」。もう、あとはとんとん拍子。聞くまでもない。もはやプロポーズや、ご両親への挨拶はセレモニーである（いや、大事ですけどね）。ちなみに、聞いてるときにもうひとつの頭で、「何がキーワードなんだろう」「何が重要なイベントで、要因だったんだろう」「メッセージは何か」「他のケースにも普遍化できないだろうか」ということも、考えつづける。インタビューは、綿密に設計してシナリオ立てて進めないと、おもしろい成果は得られない。今回のように、秘密裏にコトが進んで予備知識が限られるときはなおさら。なので、流れに沿わない他の質問を遮って止めたり（ごめんなさいね）、ときには本人が恥ずかしくて答えにくい質問はその場にいたEnglish speakerに英語で質問してもらう（当事者女性は英語が堪能なので）など、テクも織り交ぜてみる。・・・まあ、途中からみんな酔っ払ってきたので制御不能になっちゃいましたけどね。それもまた楽し、ということで。あらためて、おめでとうございます。日曜の一番のキーワードは、新婦が言った、「先生、やっぱり、結婚っていいものですね」にしましょう。あ、彼女がいつこう思うようになったのか聞くの忘れた。次回の楽しみにとっておこう。ではまた。

  2010年08月03日

• プレゼンでの「いい」アドリブの作り方。

  少し前に、プレゼンするときのアドリブのコツについて書くと言っててそのままだった。プレゼンテーションのアドリブ。これが自由自在にできれば、こんな楽なことはない。いきなり、アドリブにすべて頼りたくなってしまう。大昔、それで大失敗した経験もある。私の意識するコツは、二つ。（書いてみて、実は前回の「緊張しないために」のエントリで書いてることを言い換えただけだったりすることに気づく。凡人は、基本動作の積み重ねしかないということを自分で再確認）●アドリブ部分以外を徹底してルーティン化いいアドリブは、緊張して頭がパンパンになった状態からは生まれない。いいアドリブが出るときのアタマの状態は、「発想力」と同じな気がする。京大の哲学の道。初めて通る人には、何もひらめかない。通ったことないのできょろきょろするし、今どの辺を歩いているのか気になる。食事やお茶を飲む場所はどこにあるのか、トイレのあるなしも不安。毎日毎日、同じように歩いていて、何も考えずにいられるから、頭の中がぽっかり空いている状態になる。だから脳は自由気ままに動いてくれて発想が生まれる。アメックス時代の上司の副社長が同じことを言っていた。彼女はクルマ通勤だったが、荻窪のアメックスから多摩の自宅に帰るとき、「仕事で煮詰まって『やーめた』って帰るとき、環八の高井戸あたりでひらめくのよね」と。長年通っている道なので、クルマとはいえ、ほとんど何も考えずにハンドルを握ることができている。なので、いいアドリブをするためには、本来の流れについては徹底してルーティン化しておくこと。不慣れな内容であれば、準備を重ねること。何回も口に出して。●アドリブのための材料仕込みそれでも、材料がからっぽだと何も出てこない。聞き手にとってカスタマイズ感や即興感を与えるアドリブは、今の聞き手に「私たち向け」と感じるメッセージ。なので、聞き手特有のバックグラウンド、業種や職種の特性、そこに参加している目的意識、そのときどきの時事トピック（その日のニュースくらいの時事性。背景解説がまだされてないようなものならパワフル）、地域性・・こういったものを、事前に仕込む。5分でいいから、主催者側にヒアリングして、頭の隅に置いておく。大前研一さんは、講演会に向かうタクシーの運転手さんから現地ネタを仕込むとどこかで書いてた気がする。前述のアメックスの副社長の例でも、ポイントは「煮詰まったら、帰る」こと。まずは材料を仕込んでいることが、閃きやアドリブの大前提である。・・・私のプレゼンや、グロービスの講義で、一見アドリブっぽく見せているもののうち9割以上は準備しているもの。本物のアドリブは、60-90分のプレゼンの中で2-3ヶ所あるかないかなのであります。コツはあるけど、近道はない、という当たり前のお話でした。ではまた。

  2010年05月30日

• あるIT系リサーチ会社にて。一人三役をやってみた。

  二晩連続でセミナー実施。昨夜は、某IT系リサーチ会社さんのみなさま、30人。事前に興味関心の在り処を聞くと、婚活、マーケティングに加えてプレゼンテーションそのものも、と盛りだくさん。したがってこちらも一人三役（マーケティング職、プレゼンテーション講師、婚活伝道師（？））を同時進行でやってみた。1-2枚プレゼンをし、いったん止め、今の一枚を分析・説明するときの狙いや勘所、工夫をお伝えする、という進め方。自分で同時に複数のアタマを使うので、幽体離脱して自分を客観視するいい訓練になった。自分で自分がやっている工夫を言語化するプロセスが有効。人に説明しようとしてあらためて、「あ、そうか、オレ、無意識にこう考えてやってたんだ」という気づきがあったりする。これはなかなかいい体験である。今やってる婚活系のプレゼンは、この半年で何十回もやってるので、聴衆の反応を織り込んだりすることで進化しており、熟している。その進化の過程や細かい工夫の積み上げをラーニングとして抽出し、きちんと言語化することで、他のプレゼンに応用が利くようになる。でも、聴いてたみなさま、私、たぶん昨日お話したチップスの類は、話したとたんに忘れてしまっているので、ぜひ逆共有していただけますと幸いです（爆）。。ではまた。

  2010年05月28日

• docomo渡辺謙CMの着信音は、マーケティングに示唆深い。

  最近のドコモのCMで、渡辺謙が出演してる中で、携帯のバイブ着信音が3回ほど鳴る。これまでもう3-4回、自分のが鳴ってると思って、ドキッとさせられた。ほんと、いいかげん勘弁してほしい。この前は、珍しくちゃんとテレビ画面を見ていたので、「お、そろそろ鳴るな」「あー、鳴った鳴った。こんな場面なんだ」と安心して見ることができた。いまどきテレビ、特にCMは、ながら視聴。考えてみれば、これまで驚かされたときは、大抵PCを開いていたり、新聞や雑誌をめくりながらというタイミング。CMの画面に集中していることは、まずない。家族は比較的ちゃんと見ているので、「あーパパ、またびっくりした」と指摘される。一方で、制作側、スポンサー側に立ってみると、「携帯のCMかどうかは見りゃー分かってんだから、バイブ着信音が鳴るのは当たり前じゃん」という前提。視聴者が驚くなんて想定外。「有名タレントを使って高い金と手間をかけて作ったうちのCMをちゃんと見てないだなんて、そんな失礼なやつはいない」ということか。SBの「お父さん」CMだと、フルートの音が流れるので「あ、見てないバージョンだったら見とかなきゃ」と、顔を上げるんですけどね。なんか、いろいろヒントがある。他山の石にしよう。ではまた。

  2010年05月21日

• プレゼンと「緊張」。悪い緊張をなくすには

  昨日に続いて、「笑い」を取る話と、その裏腹ともいえる緊張の話をしてみる。笑いを取ると、セミナーで話してて、とっても楽になる。グロービスの講師のときも同じ。特に、初対面の初クラスで、笑ってもらえると、お互いに緊張が解け、実に楽になる。受講生やセミナーの聴衆の方々も何かしら緊張している。で、「とてもそんなふうに見えない」と言われるけれども、実はこちらも緊張している。緊張には良い緊張と、悪い緊張がある。良い緊張は、集中力を高める。神経を鋭敏にする。全体に目配りができ、自分を客観視することができ、咄嗟の判断力が効く。時間配分もぴったり合わせられる。金曜の夜の悪女学研究所での話も、「最後５分でまとめます」と宣言してぴったり５分で締めることができた。グロービスでは３時間たったチャイムが鳴っているときに終了できることもしばしば。悪い緊張は、よくないサイクルにはまり込む。これは不安が主因。ヘマしたらバカにされる、詰まって沈黙したらみっともない・・。こうした不安が、言葉を震えさせたり、どもらせたりして、さらにそれを自覚してしまうことで、緊張を一層募らせる。そうなると、聞き手が見えなくなる。沈黙をマネージできる自信がないため、しゃべり続けていないとますます不安。結果として、話が冗長になりがち。時間がオーバーしたり、尻切れトンボになる。その場はしゃべり倒して何とか乗り切ってほっとしたような解放感を感じているが、たぶん後から自己嫌悪。聞き手にも大したインパクトを残せていないはず。かつて、私もそうでした。人前で、しかも知らない人たち何十人を前に話すなんてありえないくらいの苦手意識。では何で乗り切ったか？私は自分の記憶力も、アドリブ能力も、信用していません。なので、つまんない答えですが、入念な準備。いくつか披露。●イメージトレーニングする。それも、口に出して言葉にしてリハーサルする。字面だけ見てしゃべれるような気になっていては、実際にはしゃべれない。備忘のため、一瞬手許を見れば思い出せるようなキーワードを準備しておく。他人が作った資料は、自分で手を入れて、自分の言葉に置き直す。（英語だと、自分で四苦八苦して作った資料を手直しされて、実にやりにくかった）けっこう役に立つのは、スライドからスライドへのつなぎの言葉。話しているスライドを締めるときに、次への導入の一セリフだけでもはさめると、すごくスムーズなプレゼンに見える。「なぜでしょう？理由があります」「もうちょっと具体的に見てみましょうか」「違う切り方をしてみました」・・・●聴衆を、できるだけ事前に理解しておく。反応を予測しておくグロービスであれば、受講生の方たちの職業・職種・職歴バックグラウンドで雰囲気はつかめる。これはコンサル時代の経験を含めていろんな業界を見てきているので、けっこう勘所がある。一方、婚活のセミナーは難しい。性別、年齢層だけでは、聴衆の反応は読みきれない。一番知っておきたいのは、ユーモア（ブラックめのもの含む）の受け入れ許容度。これが難易度が高い。でも、場数を踏み、仮説検証を積むと、けっこうわかってきた。判断する要素は・・・内緒。想像してみてくださいませ。次回は、アドリブ力について触れてみます。ではまた。

  2010年05月09日

• 「ことば」は難しい。だからこそ工夫の余地が大きい

  言葉、日本語。いつも使っているので、そんなに難しくないように見える。でも、ちゃんと伝えようとするとこんなに難しいものはない。ブログを始めてみてもうすぐ5ヶ月。ちょっとした言い回しや表現、選ぶ言葉によってずいぶん印象が違ってくる。いま、何となく自分で使っているルールは、自分の独白調のところでは「である」を用いる。一方、読み手に語りかけるとき、呼びかけるときは「です・ます」。アルファブロガーの方たちでこういう使い分けをしてる方が多く見受けられ、読んでて読みやすいと思ったから。他にも、意識・無意識に使っているルールがあるので、せっかくだからこの際、言語化しておこう。たとえば、こんなこと。・文章は、できるだけ短く切る。・可能な限り、「音」にしたときのリズム感も考えておく。・読点の位置は、長さ、見やすさ、リズム感などの要素で決めていく。・あいまいな言葉、抽象度の高い言葉、丸める言葉の頻用は避ける。・漢字変換は、変換してくれるからといってやりすぎない。　例）今日のエントリだと、ここまでのところで「随分」「折角」「曖昧」はあえ　　てひらがなにしている・一方、多様な読み手にある程度配慮するため、例外解釈ができる余地は残す。・「　」はうまく使いたい。でも多用しすぎはうざいので注意。・Bold（強調）も同様。時間の余裕のあるときは試したりもするが、やりすぎると、読んでほしいことをこちらが指定しているので、押し付けがましく見えるような気がする。こんなかんじかなあ。日々進化させていきたいですね。ではまた。

  2010年04月03日

• 座席のレイアウトに思う、ワークスタイルや要求の変化

  かつて日本の金融機関に勤めていたとき。座席のレイアウトは、長ーい島に同じ部署の人が向かい合わせに座る。島ごとに部署が分かれており、その端っこにその島のリーダーが座る、というのが通常の構図。今の日本企業の大多数がこうだと思う。これは、部署の単位が見えやすいという点においてはたしかにわかりやすい。でも、机越しの対面の会話は、画面や手元を共有できず、けっこうやりにくい。これが仕事上で成り立つのは、コンパートメント型のオフィスと同様に、・チームの仕事が基本的にそれぞれ独立しており・いろいろな前提が共有され、かつ共通理解がある・メールの文章力や対面の会話力に長けていて、簡にして要を得ているといった場合。IT化でメールがコミュニケーションの中心になると、メールだけでしっかり意思疎通するのは実は難易度は低くない。メールなかりし時代、手書きの紙だけで意思疎通を図っていくのは難しかった。メールはそれが電子化されただけ。もちろん打ちやすい分、情報をいろいろ付け足すことはできる。だからこそ、より高い情報伝達能力・処理能力が双方に要求されるようになる。なので、ちょっとした立ち話、画面をのぞきながら、紙に何か書きながらの小まめな意思疎通ができるかどうかは、チームの生産性を大きく左右する。数人のチームを束ねるリーダーは、メンバーと向かい合わせで座っていると、結局電話しているのと同じレベルの情報量しかないため、意思疎通の密度が薄くなる。歩きながらふと画面をのぞくことによる小まめな進捗チェックや、あさっての方向の作業をしてないか、スタックしてないかどうかといったチェックもできない。メンバー側も、ちょっとした相談や報告がやりにくい。・・ということを、オフィス引越し一週間にして実感。まもなく同じ建物の中でフロアーが変わる予定なので、そのときには背中合わせ形式にしようと思っている。背中合わせなら、椅子をくるっと回すだけでミニミーティングが可能。同時に数人と意思疎通をすることができる。何事も、やってみないとわからないこともありますね。今の組織のいいところは、こういう合理性に基づいた朝令暮改がすぐにできるところ。ではまた。

  2010年03月27日

• どうやら、私のアウトプットの芸風が変わったらしい。

  先週、オーネット転職前から会ってなかった友人たちと会った。このブログもときどき読んでいただいており、「西口さー、芸風、変わったね」と言われた。これは、褒め言葉ととっておこう。実は自分としては、あんまり変えてる気も、変わってる気もしていない。でも外に対してのメッセージの表現のしかたで受け止め方って違ってくるんだなあという当たり前の発見。むしろ、表現方法という点で、いちばん変化があったと自覚しているのは長銀からA.T.カーニーに移ったとき。初めの1-2ヶ月。「人様からお金をいただくコンサルタントとして」、どんなアウトプットを出せばいいのか皆目見当がつかず、まったく手が動かせずにいた。苦悶しているうちに、当時のマネージャーや先輩コンサルタント（年は5つ以上も下）の方たちに、気づかせてもらった。なーんだ、コンサルタントって、思ってること、考えてることを、そのまま素直にホワイトボードやスライドに表出していけばいいんだ、ということ。大事なのは、カッコつけた四字熟語や漢字やカタカナ言葉で煙に巻くのではなく、どれだけ「平たく」「平易に」伝えるか。簡単に言うが、実はこれって勇気がいることである。だって、平易にものごとを伝えた瞬間、中身があることを言ってるかどうかが一目瞭然になってしまうから。私が前職金融機関にいたときの最大のストレスは、こういった表現技法を全て封印されてしまったこと。社内向けの資料は英語という巨大な障壁があるし、たまに日本人の顧客向けに何か日本語で資料を作ろうとはりきってみたら、「全て」、事前のコンプラチェックが必要だった。これでは、創作意欲はゼロ。こんなブログを企業名や肩書きを出して書くなんてこともありえない。いろんな本を読んだり人と会う気力も萎えた気がした。「表現の自由」の大切さを実感した、とも言えますね。「表現」ができないと、「考えること」も、「情報を取ること」もやめてしまうんだ（少なくとも私のような普通の人間は）ということも知った。ある意味で、これは収穫。もしある国が独裁政権を作ろうと思ったら、情報遮断＋思考停止の二つの意味で、表現の自由を制約すると効果的なんですね。なるほど。おかげで、今はのびのびやらせてもらってます。ではまた。

  2010年03月01日

• 仕事のスピードを上げる原始的な方法（２）。紙選び

  昨日のエントリーでは、仕事のアウトプットのスピード上げるためにペンにこだわることを書いた。ペンといえば、紙も大事。Vコーンと相性が合ってサラサラ書ける紙質でないといけない。私（たぶん多くのコンサルタントも）のお気に入りはオキナのA4版方眼紙であるProject Paper。A.T.カーニーはコクヨのSection Pad。BCGはオキナかなあ。いずれも、作りは同じ。オーネットは経費にとっても厳しいので自腹で楽天市場にて買っているが、これは手放せない。この手のA4方眼紙がいいところは、●一枚単位で切り離せること。関連するトピックごとにクリアフォルダに入れておくことができるし、終わったものはどんどん捨てられる。一冊のノートを通しで使っているとそうはいかない●横書きが基本として使える。タテに使うよりもアタマに右脳的な広がりを持たせることができる●方眼紙なので、枠や矢印、箱などの絵をキレイに描きやすい。物事をマトリクスで整理するのにも便利●かつ、よく滑る紙質まで要求すると、私はコクヨのよりもオキナの方が好き…といったところでしょうか。・・でも、自分で買うとけっこう高い（1冊定価は500円）んだなー。コンサルやその他外資時代よりも、ずっと大事に一枚一枚を使ってます。ではまた。

  2010年02月07日

• 仕事のスピードを上げる原始的な方法（１）。ペン選び

  仕事のスピードを上げるには、けっこう原始的な方法も効く。アタマで考えるスピードと、アウトプットするスピードをできるだけ同期させること。これができると、思考速度を阻害することなくアウトプットすることができる。オーネットの社長の島貫は、タイピングのスピードにこだわる。太い指で弾丸のように打ち続ける。いまでも、ときどきタイピング自体の練習をして努力を怠らないらしい。ワタクシといえば‥タイピングはちゃんと習うともう少し速くなるのかもしれないが、完全に我流。でも、書くものにはちょっぴりこだわる。例えばペン。コンサルタントのお気に入りは直液式の100円Vコーン。よくThink!などのコンサルタントの記事で、彼らの仕事風景が紹介されているが、洒落たオフィス、高そうなスーツに、見た目はかなり不釣合いな青いVコーンを持っている姿が写っていることがしばしば。これが投資銀行業界だったらみんなモンブランとかカルティエなんかなのだが、最大の理由は書き味、かつ書くスピードだと思っている。このVコーン、インクの出っぷりが実にいい。たいへん滑らかにインクが出るのである。一方、出過ぎるので、トラブルもいろいろある。ミーティングからバタバタ引き上げて、はっと気がつくとキャップをしないままシャツの胸ポケットに入れて真っ青に染め、家内に怒られたこと数知れず。飛行機出張のときも要注意。気圧が下がると液漏れが発生する。いつも機内で仕事をせざるをえないコンサルタントは心得ていて、「国内線だと大丈夫だが、国際線（特に距離の長い米州、欧州線）は高度が高いので液漏れが発生する」というのが業界の常識である。　…ちなみに、BCGからアメックスに転職し、出張の飛行機の中で映画を見れたときには、人生の至福を感じたものであった。なーんて、自分でアウトプットしながら、実は自分が選択して使い続けているものにはそれなりの理由があるんだなーと再発見できてたりする。これはこれでブログの効用と言えますね。明日は、そのペンに合う紙について書いてみます。ではまた。

  2010年02月06日

• 「間（ま）」。プレゼンを上手そうに見せるコツ

  一昨日、楽天グループ社員100名近くにプレゼンして好評いただいたのですが、プレゼン技法自体にもお褒めのフィードバックをいただいた。思うに、マイクを使えたので、「間（ま）」をうまく演出できたのではないかという仮説。大人数相手のプレゼンでは、ちょっとした「間」や空白を使いこなせると、とても楽になります。よくある日本人のスピーチ。「○○のですね、えー、△をですね、えー」と、「ですね」や「えー」をたくさんはさみこむ。また、少し年代層高めでよく聞くのが、母音を引っ張る言い方。「○○でして、えーー、以下のことを、をーー、行うのに、いーー」というパターン。日系大企業のシニア、政治家で多いかな。いったん気になり始めるとすごく気になる。これらを総称して、filler（fillするもの、空白を埋める詰め物の意だと思う）と呼ぶ、とアメックス時代の社内英語教師だったJulieに教えてもらった。これ、本人の心理では、言葉に詰まってるように見えるので、「沈黙」「静寂」に陥ることが恐いので多用してしまうんじゃないですかね。実は私は、あるときから逆手にとることに成功した。言葉に詰まったら、そのまま空白にすることが平気になった。準備を積んでいて（これ重要。準備が足りてないと、やっぱこわい）、冷静ささえ失わなければ、どんなに言葉を捜しても空白は通常5秒を超えることはない。いったんこういう空白を恐れなくなると、今度は能動的に「間」を使えるようになってくる。注目させたいとき、インパクトある言葉を言いたいとき、意識をこちらに向かわせたいとき。例）・彼は20年という片思いの期間を経て、、、フランス人の彼女と結婚した。・彼は、、、、20年という片思いの期間を経てフランス人の彼女と結婚した。てなかんじで、空白の次の言葉はパンチ力を持つ。前者は「フランス人」、後者は「20年」。間の置き方しだいで、どちらを強調したいか、印象に残したいかをコントロールできる。こういうのは、やっぱりEnglish Speakerは圧倒的にうまい。アメックスには上手な人が多かったが、上に行くほどレベルが高かった。一番すごかったのはやっぱりCEOのKen Chenault。せっかくYou Tubeなどで一流のしゃべりが見られる時代。ときどき有名どころの人のスピーチをのぞいてみては？言葉はともかく、リズム感を見るだけでもためになると思います。ではまた。

  2010年02月05日

• BCGの秒速メールと、余ったお弁当

  昨日、ライフネット生命の岩瀬さんと会った話で、久しぶりにBCGを思い出したので、ネタを一つ。（注）BCG（ボストン・コンサルティング・グループ）では、社内では自社のことをBCGと呼び、一般に用いられがちな「ボスコン」という略称は使われないBCGでは、メールのレスが速い。「分」ではなく、「秒」の単位。私もそれなりに速い方だと思ってましたが、BCGではぜんぜん人並みの部類でありました。その、一例エピソード。ときどきランチどきのミーティングでまとめ買いしたお弁当が余ることがある。で、お弁当手配の担当者であるAさんは社内にメールを送る。「お弁当三つあります。ほしい方はご返信下さい。早い者勝ち」。これは、秒単位で売り切れます。私がありつけた率は２－３割くらいかなあ。問題はそのあと。Aさんからの「売り切れました」メールが遅れると、その数分間に十数通とメールが積み重なる（ランチ難民が多い？ランチどきも仕事をしてて食べ逃してる人が多い？）。そうすると、申し込んだ人は自分が先着3名に入ったかどうかわからないので、Aさんは個別対応が必要になってしまう。（あなたは間に合いました、あなたは間に合いませんでした・・みたいな）これを避けるため、Aさんは、先に「売り切れました」メールも準備しておくのである。送信ボタンさえ押せば送れるように。こうしておけば、Aさんは３通の先着メールを確認した瞬間に「売り切れました」メールを１クリックで送ることができる。これ以降の人は、「ああ、間に合わなかった」と自分でわかるので、フォローする手間はかからない。・・・と、まあ、こんなかんじですね。こういう秒単位の効率を競って、かつ深夜3-4時まで毎日働く人たちと一緒に仕事するのは、けっこうたいへんな日々だったのでありました。ではまた。

  2010年01月15日

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