野宮商店そろそろ開店します
公演が終わり、新しい気持ちで仕事をしようと思ったのもつかの間、いろいろな問題に見まわれてブログ更新さえできない日々が続きました。見にきてくださった方々、本当にごめんなさいね~。今日あたりから少しずつ回復して開店していく予定です。じつは、詳しくは書けないのが残念なのですが、金銭にまつわるトラブルが身近で起こってしまいました。私自身にはまったく身に覚えの無いことだし、公的な第三者に入ってもらいこちらの潔白は証明していただいたものの、トラブルのもとなった本人の方がいない・・。いなくなってしまったのです・・。関係者からは、野宮の知り合いだから探し出すようにといわれ、しかしあちこち手を尽くしても見つからず、そうこうしているうちに新たなトラブルが発覚したりして、眠れない日が何日か続きました。関係者にしてみれば、一番悪いのが野宮でないのは百も承知なのですが、目の前に犯人がいない以上怒りの矛先は私に向かうよりなかったのです。またどんな形であれ責任をとってほしい、あやまってほしいと思うのも人情、しかし私が支払ったり謝ったりするすじではないし・・・双方苦しい時間がずいぶん続きました。何件かの催促が(貸したほうとしては仕方ないのでしょうが)、私のところにくるのにもとても困りました。本当に怖かったのです。なんとか説明や説得を繰り返し、おとといの深夜、やっとほとんど片付いたのですが、しかし今度は心身症とでもいうのでしょうか、体調ががっくり崩れてしまったのです。解決したというのにものが食べられない、無理に食べるとぜんぶ吐いてしまう(昨日の夕食もすべて消化できず・・もったいないっす)。立ちあがれないほどめまいがひどくなる。また催促におびえていたこともあるのですがメールも電話もただただ怖く、ほとんど対応ができない。トラブルの処理にあたっているあいだに、さまざまな仕事に遅れも出ていて、その申し訳無さにも、どうしていいかわからなくなりほとんどパニックでした。パニックになってはいけないと思いつつ、ただただパニック(恥)。頭では「悪いのは自分じゃない、仕事の遅れも不可抗力、あんな災難の中でどうしようもなかったし、なんとかやることはやった」とは思うのですが、しかしそれをこれまた何の罪もない、私の仕事を待っている方々に懇切丁寧に伝える気力が沸いてきません。申し訳無さが先にたち、自分を切り刻みたいような気持ちになります。仕事相手のみなさんが良い方なのは、やさしいのは知りつつも、思考はどんどん悪いほうに行きます。・・何を言っても言い訳に聞こえるんだろうな、もしわかってくれたとしても、ご迷惑をかけたことには変わり無いし・・・。「甘えている」と切り捨てられるのがおちだ、プロなんだから・・。次第に消え入りたいような、ずっと眠っていたい気持ちになってきました。起きている間中胃が痛く、めまいがとまらないところまできていました。今朝、あまりにもやばいと思い、胃をおさえつつ日曜ですが知り合いの病院に行きました。吐く、めまいがすると言うと「おっ、はやりのノロウィルスでは」なんてにやにやされましたが、結局神経性胃炎と過労、それに一時的な神経症だろうと。メニエールではないとのこと。薬を何種類かいただきました。お医者さんは「災害で怪我したランナーに、あんたプロなんだから走れとは誰も言わないよ。大体作家なんて書くくらいしか能がないわけでしょ。金銭とか、社会的なことなんてどうせできないんだから。できるだけのことをしてあとは神様にお任せしな」と。知り合いの看護婦さん(超毒舌)からも「死んでお詫びしたって誰も喜びませんわ。私たちは好かれようと、嫌われようと、仕事するだけなんですよ。医療関係者なんてミスのたんびに死んでたら、命が千あってもたりないのよ~これは冗談ですけどね。とにかく電話だけでも誰かに出てもらうこと。よく寝る、無理しない。一人で全部やらないこと」と早口でまくしたてられ、励まされて帰ってきました。「野宮さん、一回目の公演だっけ?? 俳優さんが病気で降板してもそれでその人を恨んだりしなかったでしょう。逆にみんなで心配したでしょう。事情はいつかわかってもらえます。もう少し休んで、そしたら元に戻れる」帰りがけに老先生(たぶん私より病気がち)にそう言われました。なんとか笑うことができました。そして思ったのです。うーーん、そうだ。つらいけど、ブログ書こう。で、頭を整理して、そしてその上で関係者の方に説明しよう。立ち向かうよりほか無いではないか。自分のことは、自分なりには十分罰したとも思います。危機管理ができていなかった、トラブルへの対処も下手、アシスタントを雇っておくべきだった・・。そしてこれらについて具体的に傾向と対策も考えました。精神的にも反省しました。もちろんご迷惑をおかけした方々にはこれからたくさん叩かれるかもしれない。でもそれは仕方ない。だってその方々が私のためにお困りになったのは確かなのだ。それについては心から申し訳なく思っているし。だから、説明して、それでもお詫びすべきは全員にお詫びしよう。どんなトラブルの渦中にあっても、書く時間がなくても芝居についてのアイデアだけは頭の中でひらめいていた。仕事がしたくないわけではない。仕事は、とてもしたいのだ。だからこそ、精神的につぶれてる場合じゃない・・。すぐに本格始動は無理かもしれません。電話もメールもぼちぼち受けていくことになると思います。まだどうしても恐怖が消えないのです。体調も、上向いたり、うつむいたり、いろいろです。が、仕事は原稿を書いたり、少しずつ復帰していきます。ほんとうによわっちい、こわがりの、未熟者ですが、ここでやめるわけに行かないので。またどうぞよろしくお願いします。※多少事情を知っている人から言われたこと。「あんまり人をうらまない方がいいよ。自分も含めてね。あんたどうせその人より自分を恨んでるだろうし。あのね、殺人事件の犯人には昔レイプされた過去があった。そのトラウマが事件を起こさせたとしたら、レイプ魔が一番いけないのか。いや、強姦するような人はやはり心に傷があるわけで、その傷を作ったのは・・とかやっていくと犯人探しはきりがないの。要は必要なときはうらんで、だけどそのあとは目の前の仕事をきちってやっていくこと、忘れること」あ、そうかドロ中の蓮の花になればいいんだ~。気づかせてくれて、ありがとう・・。さすが2時間ドラマのアシスタントをしているだけあって、たとえに説得力がありました。