高橋源一郎さん
岩波書店の「図書」1月号に、高橋源一郎さんが「読んじゃいなよ」という新書を出した経緯について書いていました。 この本には「明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミが岩波新書を読む」という副題がついていて、最初は、そういう題の予定だったらしい。 いまの若者は本を読まないと言われ、実際、学生たちに、いろいろな作家の名前を挙げても知らないという答え。 読んでいるという子たちは、主にライトノベルを読んでいるらしい。 「本が売れない」といわれるが、新書は売れている。 本当に深く読む層、というのは、昔と同じくらいいる。 学生たちは、時代が変わっても、そんなに変わっていない。リテラシーもある。それが感じられないとしたら、彼らのものの見方、感じ方が違うのかもしれない。 高橋ゼミでは新しいゼミ生に自分の好きな岩波新書を読むように、という課題を出し、それが理解が深く、相手に読んでもらいたいというものだったので、本にしてもらうことにした、そうです。 マイケル・サンデルの白熱教室ばりに、著者を招いてのディスカッションも。 ・鷲田清一さんの哲学教室。 ・長谷部恭男さんの憲法教室。 ・伊藤比呂美さんの人生相談教室。 サンデルの本が面白いのは、読者との応答になっているからだと思う。 本・読書というのは、そのものが、何よりコミュニケーションの場所、なのではないか。 漱石の小説が100年後も読まれているのは、漱石の小説の中に読者が入っていって、漱石とディスカッションできるから。だから古びない。 ほとんどの作家はモノローグしているだけなので、時代から離れると面白くなくなる。漱石と太宰治は、読者が対話できる作家。 「読んじゃいなよ!」が、漱石全集と一緒に出る。 ある意味、漱石は不動の恒星、いつまでも光っている北極星みたいな存在。でも、ひどい話、ほとんどの現役作家よりも、いまだに毎年売れている。= ☆高橋源一郎さんの「読んじゃいなよ!」=明治学院大学高橋源一郎ゼミで岩波新書を読む=は、980円です!長谷部恭男先生の白熱講座には、SEALD,sの奥田くんが参加して大激論の模様なども書かれているらしい。 皆さま、ぜひどうぞ!