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6月の読書メーター
読んだ本の数:10冊 読んだページ数:2439ページ 史上最強の内閣 設定も月並みだし人物造型も類型的だし文章も決してうまいとは言えないが、今の政治家に対してこれでだけ言いたい放題言えるのはこのスタイルしかないかもしれない。たぶん彼らは読みもしないか、読んでも徹底的に揶揄されている無能さを自分のこととはつゆ思わないのだろうが。 読了日:06月26日 著者:室積 光 蛍を見に行く 蛍の名所ベスト28 最初は美しさに目を見張るがやがて単調さに倦む。添えられている文章が読むに堪えない。しかし「名所ベスト」としてはほかに比較にしようがないのだがきっと秀逸なのだろう。 読了日:06月25日 著者:宮嶋 康彦 寝言も本のはなし 表紙の色鉛筆にJISマークがあるのが諧謔的。著者はとても工業的そして標準的ではない。春秋戦国時代にシナではもっとも学問が発達し、統一王朝ができてからはそれが後ろ向きになった理由を「自由競争の有無」で説明してしまうところは面白い。 読了日:06月25日 著者:高島 俊男 知に働けば蔵が建つ 「今進められている個人情報保護は、現に私たちが属している共同体の他のメンバーから私の個人情報を保護するということにむしろ力点が置かれている。(中略)共同体の他のメンバーは私の潜在的な「敵」だということ、私の個人情報を知ればそれを悪用する可能性が高い人間たちと私たちは共同体を形成しているのだ(後略)」というのは、普通に読めば単なるへそ曲がりの戯言だが、それがリスクに対応する費用対効果という文脈で語られた途端にもっともらしさを増す。そのあまりにも軽い語り口は批判的に摂取しないと危険でさえある。 読了日:06月25日 著者:内田 樹 趣味は読書。 43冊中4冊だからまあまあかな。ベストセラーの癖にこんなにひどいじゃないかという紋切り型の設問に毎回丁寧に答えていく作業は、そう、これはたぶん『読書』ではなく作業だと思うのだが、何ぼ仕事とはいえウンザリ感満開だったことだろう。そのせいか、庶民感覚で言うと出世コースの上がりは医者か弁護士であるとか、「単純化されたメッセージから受け取れるのは単純な感想だけだ」とか、寸鉄人を刺す表現はちらほらにとどまる。 読了日:06月16日 著者:斎藤 美奈子 ユーモアのレッスン (中公新書) やっぱり「レッスン」すなわちお勉強だからつまらない。後半(といってもこっちが大半)に出てくるユーモア実例は、イギリスでいやというほど発行されているジョーク集に日本人向けに毛を生やした程度。前半のユーモア問答も陳腐。19世紀までhumorは最初のHが発音されていなかったこと、そしてこれはhourのHが発音されないのと同じ、などというトリビアはそれなりだったが、ではなぜユーモアはHが付き、アワーやオネストはいまだにつかないのかのほうが脱線としては面白かったかも。 読了日:06月12日 著者:外山 滋比古 バカにならない読書術 (朝日新書 72) 「術」というほどのものではない。いつもの養老節が通奏低音で流れているところへ、虫屋とノンフィクション作家という実証的な考え方をするお二人が絡み、いささか「塀の上」的な読書鼎談が繰り広げられる、肩のこらない読書案内。朝吹は紹介されている本のうち、そう、1割くらいしか読んだことがない。砕けた文体にまぶされてはいるが、結構拡がりと格の高い紹介になっているので、タイトルに騙されて侮ることなかれ。 読了日:06月11日 著者:養老 孟司,池田 清彦,吉岡 忍 新エディターシップ いろいろな話題を、編集(Edit)という切り口でやや強引にまとめたもの。爺さんのくせにずいぶん硬い、生な文章を書くなと思っていたが、後書きにたどり着いて納得。はるか昔30年近く前、それでもご本人が50代に書かれたものの一部を書き換えたものとのこと。うーん、知命にしてこの若さとは。「悲劇が美しいのは、見物するからであって、本当の悲劇的事件は当事者にとって悲惨以外の何ものでもないであろう」とは、陳腐な立言なるも、当節言いえて妙。 読了日:06月09日 著者:外山滋比古 百代の過客―日記にみる日本人 (上) (朝日選書 (259)) 日本文学を日記でたどるなかで、日本文化に秘められた特質を浮かび上がらせる。たとえば西洋文学では父と娘の関係のほうに重点が置かれるのに対し、日本では母と息子の関係の重要性がほとんど圧倒的であるとの指摘。これは日本文学史の素人にとっては目からうろこの落ちる思いだった。そんなの定説だよ、ってことなら管見を恥ず。もうひとつ。「紅旗征戎吾が事にあらず」(藤原定家『明月記』)の解釈。ドナルド・キーンが間違えていたのだから私がミスリードしていたのも大目に見てもらおう。ということで時代が下がってくる下巻が楽しみ。 読了日:06月05日 著者:ドナルド・キーン スカートの中の秘密の生活 (幻冬舎文庫) 本人の普段の(かどうか知らない。一度しかお会いしたことがないので)語り口にそっくり。感情過多で、今にも泣き出しそうなテンションを相手に感じさせる話術は「サバイバー」が故に身に付いたものだという。「男は嘘をつくと目が泳ぐからすぐわかる」と書くが、あの晩私が嘘をつきっぱなしだったのに気づいていただろうか。「アスペルガー症候群じゃないの?」なんて、場合によっては差別発言と取られかねない言葉を投げつけられたが、普段の私を知る人は口を揃えて『どこ見てんのかしらね』と言った。ともあれ、若いうぶな男には一読を勧める。 読了日:06月05日 著者:田口 ランディ 読書メーター お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.07.09 08:33:16
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