039001 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2005年04月01日
XML
カテゴリ:短編

お母さんのアップルマフィン以上の食べ物なんて無かった。
甘くて、柔らかくて、りんごの風味がしっかりきいていて、とにかくほっぺたが落ちそうになるくらい美味しいんだ。
そのアップルマフィンの匂いがキッチンに立ち込める日は、それが雨の日でも、友達とけんかした日でも、僕をとても素晴らしい気分にさせてくれた。
そして、そういう僕が落ち込みそうな日には、決まってお母さんはアップルマフィンを作ってくれた。

・・・そう、僕が小学校に入る頃までは。


僕が小学校に入ってすぐ、お母さんと僕は別々に暮らすことになった。
そして、前から何度か家に来ていたおばさんが、僕の新しいお母さんになった。

僕だってもう小学生だ。お母さんとお父さんが離婚して、お父さんが再婚したってことはわかる。
それが、きっとどうしようもないことだってことも、頭では理解できる。

新しいお母さんは良い人だ。
とっても優しくしてくれるし、僕が落ち込んでいる時には心配してくれる。
けど、新しいお母さんは、僕のお母さんにはなれない。
僕は、新しいお母さんにアップルマフィンを作ってもらった。けどそれは、僕が食べたいアップルマフィンじゃなかった。
新しいお母さんに悪いから、美味しい顔をして食べたけれど・・。


僕は、お母さんに会いに行くことにした。

みんなが留守の時に、お父さんのアドレス帳を盗み見た。
そして僕は、お母さんの名前を見つけた。
お母さんの苗字は変わっていて、お母さんの方のおじいちゃん達と同じ苗字になっていた。

そこには、お母さんの新しい住所が書いてあった。お母さんが住んでいる場所は少し遠いけれど、僕一人で行けるさ。

きっとお母さんは僕が来たらビックリするだろうな。
ビックリして、それから笑顔でアップルマフィンを作ってくれるかな。

お母さんの住所を書いた紙を持って、道々で人に訊ねながら、僕はお母さんの家を探した。そして、その住所の場所を見つけることができた。


けれどお母さんが住んでいるマンションの表札は、お母さんの苗字じゃなく、別の人のだった。
本当にここにお母さんがいるのだろうか。そう思いながら僕は、恐る恐るピンポンを鳴らした。

マンションのドアからお母さんが出てきた。ここで間違ってなかったんだと、僕は安心した。

僕を見てお母さんはビックリした。思っていた通りだ。
しかし、僕の思っていたのとは違い、お母さんは困った顔をした。


つづく




~~~~~~~~

短めの話を書いてみました。
明日、後編をアップします。

昨日は更新できませんでした。申し訳ない。
生活が忙しくなってきていて、今後は小説を書く時間が無いかもしれません。
小説が書けないときは、また日記に戻そうかと思っています。

かめの就職活動日記。とか、
かめの研究日記。
なんてのが始まるかもしれません・・。

まあ、できるだけ小説を載せつづけられるように頑張ります。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年04月01日 11時48分33秒
コメント(2) | コメントを書く
[短編] カテゴリの最新記事


PR

プロフィール

かめ@ゴミスティピョン

かめ@ゴミスティピョン

フリーページ

コメント新着

 雪村ふう@ Re:書きたいことを書くのって、難しい。(03/13) 就職決まったんですね。 おめでとうござ…
 かめ@ゴミスティピョン@ Re:どうでもいいけど。(02/10) くみさん >アイスティーはコップじゃな…
 くみ@ どうでもいいけど。 アイスティーはコップじゃなくて、グラス…
 かめ@ゴミスティピョン@ Re:いい話じゃないですかー(02/15) ぼっつぇ流星号さん 読んでくれてありが…
 ぼっつぇ流星号@ いい話じゃないですかー こういうほのぼの幸せなのっていいと思い…

日記/記事の投稿

お気に入りブログ

眠れない夜のおつまみ Dionaeaさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.