カテゴリ:造形材料の使いこなし
まず、化学物質で作られた着ぐるみは安全なのか?ですが、すべての材料は完全に反応が終われば蒸発したり違う物質になり安定します。原材料そのものが溶け出したり染み出したりすることはありませんのでご心配なく。車もボートもユニットバスもバイクのヘルメットも同様の材料を使った丈夫なプラスチックで出来ていますので、「化学物質アレルギーですべてのプラスチックはヤバイ」という場合を除き問題ありません。もし危険なままだったらキャラショーやテーマパークは営業できません。
閑話休題 今回は予定していた型から抜いた後のFRP表面の処理方法についてです。FRPの表面には積層するときに入ってしまった気泡やガラスクロスによる段差、あるいは離型剤の塗りムラによる凹凸が出来ているはずです。また、その凹凸の表面には樹脂に含まれたパラフィンが被膜を作り、さらにその被膜の上には離型剤が付着し、場合によっては剥がれた雌型の一部がくっついているかもしれません。早い話が「お肌荒れ放題」な状態なんです。面のおでこやほっぺたとなる表面はつるつるにしたいものですし、自分の顔が直に触れる内側もできるだけ整えて安全第一と行きたいところです。 表面をきれいに磨く デコボコだらけの表面は紙やすりできれいに磨き上げましょう。抜いた直後のFRPの表面は泥だらけの皮付きのジャガイモのような状態です。そのためまずこびりついた泥(石膏、離型剤)を落とし、皮(パラフィン)を剥がします。しかし、FRPは非常に硬いため普通の模型工作とはちょっと勝手が違います。まずは80~120番の耐水ペーパーを大きめのスポンジに貼付けたものを作っておきます。ダイソーなどで売られている自動車のワックス用やお風呂洗い用の大きいスポンジブロックなどがいいでしょう。このスポンジの1面にGボンドで耐水ペーパーを貼り、スポンジ部分ををつかんで軽くこするようにします。FRPではガラスクロスの繊維がササクレ状に飛び出す事があるため怪我をしやすいので、その部分は少しずつ安全に削り取っていきます。また、削った樹脂やガラスクロスの粉塵はすぐにペーパーの表面に詰まりますので、こまめに落としておきます。可能なら最初から水研ぎをしてもいいでしょう。 水研ぎは包丁を砥石で研ぐイメージで、少しずつ水を付けながら磨いていきます。濡れた表面を磨きますので粉塵が出ず目詰まりもありませんが、水のため透き通ったFRP表面が見えにくくなりますのでササクレやトゲには十分注意しましょう。 スポンジペーパーのメリット スポンジブロックに耐水ペーパーを貼付けたスポンジペーパーには数多くの利点があります。まず、手や指が磨く対象に触れる事がないので研磨中に怪我をしにくくなります。また、目の粗い耐水ペーパーは割れやすく曲面を磨きにくいものですが、スポンジに裏打ちされているので割れにくく、曲面に当てやすくなります。広い面積を通常の紙やすりで磨くと指が当たっている部分だけが研磨面に強く接するため、ヤスリの全面で磨く事ができず平らに磨けません。スポンジを付けて磨くとヤスリ全面に平均的に圧力を伝わるため磨きムラが減り効率よく磨く事ができる訳です。 ある程度磨いたら一旦乾燥 スポンジペーパーで磨くとFRP表面の飛び出た部分つまり凸の部分から平らに削れていきます。ある程度磨けたら一旦削りカスをきれいに洗い流し乾燥させて表面を確認します。ペーパーが接触し磨いた部分は研ぎ目がついてツヤが無くなっていますが、ヤスリが当たらなかった面はツヤが残っているのですぐに判ります。磨き残した部分には離型剤もパラフィンもまだ残っていますのでその部分も完全に磨かなければなりません。つぎは磨き残し撲滅作戦です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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スポンジぺーパーは割れにくく破れないので結構長持ちします。FRP表面の粗削り、ゲルコート削りなど手順を追って使っていくうちにペーパーのカドが取れて粗目から中細目になってきますので、ポリパテの表面磨きもそのまま同じスポンジペーパーが使えたりします。
(2006.02.10 10:45:02)
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