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カテゴリ:演劇・その他舞台
髑髏城の七人season月 上弦の月 千穐楽
2月20日 14:00 最後の登城で、これまでの最後列28列通路で、客席が動くたびに身体が斜めに倒れそうな揺れを体感しながらの観劇。 「城と眩暈」ってゴシック小説の評論のタイトルがあったこと、ふと思い出した。 しばらくの間この時の「城」の記憶もめくるめくように去来するのだろう。 ★ 贋鉄斎の庵も最後の訪問 最後のネタ 捨「30分やるか?」「俺は終わりたくない」 贋「他の現場では使えないからな! 成長したと思うなよ!!」 爆笑する客席に向かって 贋「お前たちがそうやって甘やかすからだ!!!」 舞台の袖の方へ行って 贋「こんな暗いところにいると、どっちかが撮られるぞ」 センターに戻って「お前が大好きだ~」と言い合って抱き合う二人 完全にあのスクープ記事おちょくってる ★ 千穐楽ならでは演者の気迫と熱量に煽られるような心持ちだったが、いいこと尽くめすべてうまくいくわけじゃ無い。 蘭が髑髏党との最初の立ち回りで足を取られて立て直したり、霧救出場面の殺陣でも捨てがコケそうになったりしながらも踏ん張って殺陣に繋いでいた。 百人斬りは刀を3回投げて長く立ち回れて、六天斬りも渾身の気迫で臨んでいたはずなのに「化楽天」の台詞がとんだ。 さすが髑髏城に潜む魔は断末魔でも跳梁を止めない。 ★ 陥落直前の髑髏城で観た、蘭兵衛(蘭丸)の遺骸の目を閉じてやる捨之介。 城陥落直前の劫火に浮かぶ七人のシルエット。 捨之介の剣は真っ直ぐに中空を指していた。 あたかもそこに浮かぶ幻の月を斬る如く。 円月殺法の構えってこういんじゃなかったかしら。 大詰めで涙声で語られる捨の台詞を聞いた。 「捨てるってことは口でいうほど簡単じゃねえなあ」 と言うより言葉の一つ一つが涙であるような。 「何泣いてんだよ」と霧丸のアドリブが入るほどに。 本水と涙でグショグショでボロボロの捨に心打たれる。 ★ カーテンコールでなんかグダグダ。 泣いた鴉がもう笑うで、涙の跡も渇いて晴れ晴れとした顔つきでも 最初の舞台で最初の千穐楽の挨拶が上手くしゃべれない捨の中の人。 えっと、予めカテコの挨拶予習しといたら。 「月は自らは輝け無い。太陽に照らされてこそ輝ける。皆様が太陽です」という趣旨。 その通り。だから私は太陽や月よりも星が好き。 ★ 若さ故の危うい登場人物の関係性の上に、脆くも築かれていた城の光景の変幻と移ろい。 構築されるためではなく崩壊するために時間の移ろいが必要だった。 その移ろいと変幻を知るために私はずっと荒野の城から月を眺めた。 この冬私は9度上弦の月を、ただ1度下弦の月を見た。 すべてが違う影にいろどられた月を。 ★ この記述は城が灰になった後も自身の黒い脳髄に記憶を残すため記録にすぎない。 他者への説明や他者からの理解は不要な暗号のようなものだ。 井戸の底から記憶の灰が流れ去る日が来ないとは限らないけれど。 恒例の千秋楽煎餅まき 後方列だったので、鉄機兵が部隊から降りてきて配ってくれたお煎餅 通路席だったので直接手渡しされた お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.02.23 18:10:04
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