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テーマ:ミステリはお好き?(1479)
カテゴリ:Mystery
電力供給逼迫警報が出た寒すぎる午後。
揚水枯渇の刻限が早ければ午後8時。 雨降りどころか、霙まじりだけれどミステリーでも。 ------------------ 天正六年、織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、信長の使者として登城した黒田官兵衛を地下牢に幽閉する。 因果は巡る、という官兵衛の言葉通り、やがて城内では奇怪な事件が相次いで出来する。 第一章 雪夜灯篭 人質自捻が矢傷を負って雪の密室で死亡するが、凶器の矢は見当たらなかった。 第二章 花影手柄 夜襲で敵将の首を取ったのは、雑賀衆鈴木孫六か、キリシタン大名高山大慮か。 第三章 遠雷念仏 村重は有徳の僧侶無辺を使者に任じ、密書と茶器を託すが、僧は殺害され、茶器が紛失した。 第四章 落日孤影 そして落雷で絶命したかと見えた内通者は、鉄砲で狙撃された痕跡があった。 武運が尽き、落城が迫る中、村重は官兵衛に諮り、これらの謎を解こうとする。 しかし官兵衛の応えは..... ----------------------- 虚実綯い交ぜの歴史小説としての世界観を重厚な文体で、濃密にしかし適切な筆使いで描きつくす名編連作集。 戦国時代ならではの犯人像や犯行動機の創出のみならず 歴史のホワイダニット、何故村重は信長に叛いたかということが、作者独自の視点で考察されているのが興味深かった。 とはいえ各章とも限られた登場人物なので、犯人を当てるのはさほど難しくはなく、物理トリックについてはリアルには実行性を疑うものもある。 トンデモ推理は回避しても、ある程度のバカトリックは已む無しか。 そしてラスボスの如く終盤で正体を表す、裏で糸を引いていた人物の描き方。 これは事件の、いや歴史の影に○あり、といわぬばかりのお約束の展開で、またしてもと思わされた。 個人的にはこの種明かしがありきたりに思えて、やや興趣が割り引かれた気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.03.22 20:31:47
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