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テーマ:ミステリはお好き?(1457)
カテゴリ:Mystery
大亦牛男は文化人類学者であった父の遺稿の推理小説「奔拇島の惨劇」を、自作と称してミステリー作家デビューした。
牛男はひょんなことから、父の師の大学教授秋山の娘でミステリー好きの晴夏と関係を持つが、ラブホテルで大怪我をしたまま失踪した晴夏は、表向きは交通事故とされる不審な死を遂げた。 その10年後、覆面作家天城菖蒲から招待状が牛男に届く。 パーティーのため孤島条島に集まったミステリー作家は、牛男ことペンネーム大亦牛汁をはじめ 真坂斉加年 金鳳花沙希 四堂饂飩 阿良々木肋 の5人。 彼ら全員もふざけたペンネームではあるが。 別荘天城館に集まった5人は何者かによって一人また一人と殺されてゆき、そして誰もいなくなった..... はずが、皆の身体に宿った謎の寄生虫のしわざで!、全員生き返ってしまう!? 生ける屍となったミステリー作家たちは誰が誰を殺したのか、推理合戦を繰り広げるのだが。 ![]() -------------------- タイトルから察せられる通り、「誰もいなくなった」 へのオマージュというか、白石氏ならではのおちょくりが伺われるプロット(褒めている) 今ドキキラキラネームの逆を行くおバカペンネームや、先達天城一センセイの捩りを思わせる天城菖蒲という謎のネーミングも楽しい。 特殊設定からして「生ける屍の死」が好きな私には大歓迎であると同時に、殺したはずの人間が、寄生虫に宿られて蘇るという、これまた今ドキゾンビネタミステリーへの皮肉らしいところが胸がすく思いがする。 そして 誰が死ななかったか のフーダニットが犯人指摘につながるかと思いきや、その推理が次々に死人が生き返ることで覆されしまう。 「全員が死人」からの「全員が死ななかった」 だから全員が容疑者(犯人)へと考察が変化せざる負えないことで、まちがいの推理で迷走する探偵役それぞれ。 この辺りのどんでん返し風というか、多重解決風の味付けが上手い。 残念ながら解決編はすっきりしない。 犯人指摘の推理はきちんとロジックのピースにはまっているものの、犯行動機と幕切れのシーンが描き足りなさを感じる。 推論の説明に注力し過ぎて、動機の解明がおざなりときては、うまく騙されたというより、いい加減にごまかされた気分になって読み終えた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.10.23 20:04:51
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