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テーマ:ミステリはお好き?(1455)
カテゴリ:Mystery
第二の手記は法学生ジャック・プレスコットの視点で描かれる。
プレスコットのもとへローワーからコーラの手記が送られてくる。 どうやらローワーは幾何学教授のウォリス博士にもその手記を送ったらしいのだが。 コーラの手記に目を通したプレスコットは、コーラのクローヴ博士殺害事件への視点漏れを指摘し、自身は殺害した犯人を知っていると自らの手記に記す。 彼の推理によれば、犯人はサラ・ブランディであろうはずはなく、神学者トマス・ケンが真犯人であると。 反逆罪の汚名を着せられ亡くなった父の無念を晴らすため、画策していたプレスコットだったが、彼自身が後見人コンプトン卿への襲撃の罪で収監されてしまう。 脱獄してニューカレッジへ赴いた彼は、服毒したグローヴ博士の断末魔の臨終に居合わせる羽目になった。そしてその殺害現場でトマスに遭遇した........ その後逃亡を続けたプレスコットは父の無実を立証すべく国務大臣サーロウに面会する。 サーロウはある取引を彼に持ちかけた。 クローヴ博士殺害のかどで逮捕されたサラに不利な証言を法廷ですれば、彼への告訴は取り下げさせるという。 プレスコットは取引を承諾し、サーロウにサラが博士を殺したと偽りの告発をする。 しかし彼が偽証するまでもなく、サラの自白により処刑は執行された。 自由の身となって生きながらえたプレスコットは、神の恩寵に感謝を捧げつつ手記を終えた。 ------------------- この章に至って、歴史上の実在の人物架空の人物入り乱れて、物語の整理がつかず混迷の相を呈する。 おまけに語り手のプレスコットが余りにも自己中で思い込みが激しい性格、尊大ぶった独善的な言動を取る人物、とあってはいよいよその手記は信用ならない。 犯人指摘の根拠にせよ、状況証拠と心証によっているだけ。 予断と偏見に満ちているとは、まさにこれ。 ということは、彼が犯人扱いしている人物は犯人ではないに決まっている? と、此方まで、あまりにも単細胞な考察に終止してしまった。 それとも、本篇に描かれていることが終始一貫嘘である可能性を匂わせることで、作者は読者を騙そうとしているのだろうか。 読者の思考を嫌悪感で曇らせるために、視点人物を極端にイヤなキャラに設定したりして? だとしたら作者の意図は当たっているけど。 いや、まてよ。 今どきよくあるように、視点人物こそ犯人!!! の定石どおり、プレスコットが犯人???なら腑に落ちるではないか。 性格がヘンなのもどおり、正体はサイコパスとか、多重人格者とかで自分の犯した殺人を他人の犯行に見せかけようと..... プレスコットだって事件現場にいたのだし、何よりサラとは訳ありすぎる関係だったし。 えーーっと、トンデモ推理になってきたのでそろそろお開き。 かように事件そのものへの読み手としたは推理はお手上げ。 判断保留のまま下巻へ。 黒猫の手帳にメモする手がかりも思い浮かばず。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.07.20 22:49:13
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