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テーマ:ミステリはお好き?(1479)
カテゴリ:Mystery
スウェーデンの南部ポーラリードの、広大な領地を持つ大地主フレドネルが殺害された。
殺害現場はウナギ漁のための小部屋のような仕掛け罠で、入口が施錠され鍵は、撲殺された被害者のポケットの中にあった。 フッレドネルは近々、エイヴォルという娘と年の差婚をする予定だったが、領内の小学校教師シャネットとも付きあっていた....... 多くの人から恨まれていそうな地主を殺した犯人は誰か。 そして犯人は如何なるトリックを用いてウナギの罠を密室に仕立て上げたのか。 ドゥレル警部は若手のバルデル警部補ととも捜査を続けるうちに、領内の農場で起きた謎の放火事件に遭遇する。 放火事件の被害者たちが一同に解する中へ登場したドゥレルは言う。 「事件の捜査はもう完了しました」 さらに 「わたしが計画殺人に関する講義を行いましょう」 とも。 その殺人講義とは? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今どきの特殊設定ものではなく、叙述トリックでもなく、密室トリック直球勝負の往年の北欧本格ミステリー。 しかもその密室の設定が余りにもユニーク。 ユニークすぎてトリックの謎が解ける読者がどれだけいることか。 フーダニットの犯人の意外性というより、 ホワイダニット、密室を作製した動機と、第二の犯罪まで行った犯行動機の意外性が光っている。 終幕の謎解きに至るまでの、捜査の過程が人物相関図の説明やアリバイ検証が延々続くのにはやや退屈して、集中力が途切れ、考察がおざなりになったところで放火事件の意外な展開が描かれたのには、目が覚める思い。 これにはしてやられた。 かくてストーリーの急展開からの お約束の「名探偵皆をあつめてさてといい」の解決編と余韻を残す幕引き。 最後から5ページ目で犯人名が明かされる場面はエラリー・クイーンの某作を思わせた。 この作者の、他作も翻訳されることを望む。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.19 12:03:04
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