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カテゴリ:一応正当日記風
「お父さんのお墓参り行ってこようかと思って」と母が言うので、一緒に行くことにした。 私もそろそろ行こうと思っていたのだ。 母はこの間すっ転んだばかりだから、さてはしばらくお墓参りしてないからお父さんが怒ったと思ったんでしょー、と言おうかと思ったが、冗談が通じそうもないのでやめておいた。 実のところ、母が転んだ場所というのは父が最初に大量吐血したとき蹲った場所とほとんど同じだった。一瞬私の中でもあのときとかぶったのである。あのときの情景とあの血は思い出したくない(が忘れようもない)。 さらに実のところ、去年あたりから母の方が私より真面目に墓参りに行っている。結構意外。そして私は親不孝もんである。だけどお父さんたぶん、気にしてないよね、と思う。親の心、子知らず。 バスが少ないのだ。それも墓参サボリの理由の一つである。今度こそ自転車で挑戦してみようと思う。今日は帰りにToshiヨガ(トシヨリ、みたいな響きですね。すみません先生)に寄るつもりなので、途中まで私はチャリで行く。 さらに今回は途中でランチしてからお墓に参る。前々から行ってみたかったところなのだが、半端な場所なので機会がなかった。そこがちょうどうちと墓地の中間地点あたりなのだ。 「気取ったとこじゃやだなと思って」 アクセスがいいとは言えない場所なのに、12時前からレストランは結構混んでいた。ほとんど若い奥さまたち。一人だけ女性連れの若い男性。というより女性に連れてこられた若者。やはり女性というのは、おいしい情報には聡い。 「同じものでいい」と言うので、メイン同じで母がご飯、私がパンにする。 「ぺらぺら早くて、何言ってんだかわかんなかった」 たいていこのパターンである。 「そう、私のは出てくんの。とってきてあげようか?」 するとスープには気をそそられない様子である。 満腹してお墓に向かう。高台にあり緑も多いので、結構気持いいところである。これでもうちょい楽に来れたらと思うのだが。 今日は暖かくて風もないのでお墓参り日和である。お線香もつけやすい。 で、私は一人でもう一か所お参り。実はここに友達もいるのだ。このところあまり一緒に来られないが、前はいつもその友達の妹さんと”墓参りツアー”をやっていた。まず友達のところに来て、それから友達のご両親、最後にうちの父のところに寄る。いつも車で連れていってもらうので、私はご両親のお墓の場所をいつになっても覚えられない。父の墓は方向音痴には最高の場所、入口からすぐの区域である。この辺も籤運に恵まれているのだ。 友達のお墓は屋根がある。これは何かと便利。ご両親や父は昔ながらの吹きさらしタイプで一軒家だが、友達は屋根の下でご近所と軒を並べている。かえってこの方がいい感じもする。雨風の心配がないから、写真をおいてあるお墓も多く、さらにいつ来ても花盛り。 彼女のお墓にも写真が飾られている。いちばん下の子と映っている写真。彼女がなくなったとき、この子はまだ小学校にあがる前だった。 このお墓には小さなノートも置いてある。お参りに来た人がひと言書いていくためのノート。ちょうど前日にだんな様が来ていた。あいかわらず几帳面な字。 今年は子供たちの上二人が受験。そのことに触れつつ、息子のことを彼女に報告していた。 5年になる。もう5年。まだ5年。子供たちは成長していく。写真の中の彼女はずっと年をとらない。私たちはどんどん老けてくよ。 「一緒に長生きしましょうねー」と妹さんはよく言う。彼女はお母さんも早く亡くしている。友達は早すぎた。二人の分まで「細く長く」生きなきゃ、と彼女は言う。 彼女の病気がわかったのは父の吐血からそう離れていない時期だったと思う。父は無事退院し、手術後の彼女も不思議なくらい元気だった。あとから考えれば、推理小説の結末から見るようにすべてきれいに当てはまる。あの時点で、すでに遅かったのだ。 ・・・ん。ひとり語りがやばくなってきたのでやめましょう。まだあの前後のことは、書くと情緒過多になりそうである。父のほうも別の意味でまだ、どー、とか出てきそうだ。 だがとにかく、子供の頃からの友達をこれほど早く亡くした経験、さらにその病状の経過をかなり近くで見た経験というのは、私には初めてだった。身近な人の死は影響する。身近な死が私のその後の暴走に拍車をかけたのである。はい。え、死んだ人のせいにするなと。 でもせっかくだからこの際お願いしたい。特に子供がいる人にはお願いしたい。 癌検診、受けてください。 友達は乳癌だった。主婦はあれこれ忙しく、診療時間に間に合わなかったーと延ばし延ばしにしていたことが一番の原因だったとも言えるのだ。 公共広告じゃないけど、早期発見なら治るのです。私みたいなのは別にまあ死んじゃってもさほど問題はないのだが(でも痛いのはいや~、モルヒネください)、家族のある人はやはりいけない。いけないよほんとに。ああいうのは、もう嫌です。 何だか今回、妙なモードにはまったままになってしまいましたね。やっぱ夜はいけない。ともあれお墓参りのあとは延々バスを待ち、そして私は途中でおりてToshi先生のヨガで元気になりました。先生の話までいけなかったが、それはまた次回。
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Last updated
2009.02.23 21:31:30
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